予想以上に早く残留を表明した外崎修汰選手は西武には絶対不可欠

外崎修汰選手の残留により、12球団随一の二遊間は来季も健在!

予想以上に早く残留を表明した外崎修汰選手は西武には絶対不可欠

外崎修汰選手選手は今季2022年7月に国内FA権を取得しており、今オフはその去就が注目されていた。だがFA宣言解禁日(日本シリーズ終了後)を待たずして、権利を行使せずにライオンズに残留することが決まった。これはライオンズにとってまさに朗報だ。

外崎選手と源田壮亮主将の二遊間コンビはまさに鉄壁で、現在は12球においても最高の安定感だと言える。これがもし外崎選手がFA移籍ということになっていたら、センターラインの一角が崩れてしまうため、チーム運営の根幹にも関わってしまうところだった。だが渡辺久信GMの交渉により、外崎選手は予想以上に早い段階でライオンズへの残留を表明してくれた。

契約内容に関してはこれから詰めていくのだろうが、おそらくは年俸変動制の3〜4年契約となるのではないだろうか。来季はまだ30歳ということを考えれば、4年契約をしてもリスクはそれほど大きくはない。そして現状では、外崎修汰選手はライオンズには本当に必要な選手だと思う。その存在感は打撃成績の数字以上に大きい。

ただ、2年連続で怪我をしているため、来季はぜひともフル出場を目指してもらいたい。昨季は死球による骨折、今季は最短の10日で戻って来たとはいえ、突発性の腰痛を起こしている。腰痛はしっかりとケアしていかなければ再発する可能性が高いため、来季30歳になる外崎選手は今まで以上にコンディショニングに注力していく必要があるだろう。

今季2022年の外崎選手の成績は134試合に出場して打率.215、本塁打12、打点47、盗塁10という内容だった。外崎選手の本来の能力からすればこの成績、いや、最近3年間の成績はあまりにも物足りない。だがこれは打順がなかなか固定されないことも影響しているのではないだろうか。

打順を固定してあげれば外崎修汰選手はもっと打てるはず!

一般的には打順は、その打順によって役割が異なってくる。外崎選手の場合は近年、打順に関しては便利屋的な起用法が続いており、打順が変わるたびに求められる役割も変わっていった。これによりなかなか一点に集中してプレーすることができなかった可能性はあるはずだ。

筆者個人としては、黄金時代の辻発彦選手や田邊徳雄選手のように、外崎選手が下位打線で固定されるようになれば、もっと安定した成績を残せるようになるだろう。

パンチ力があるとはいえ、外崎選手はクリーンナップタイプの打者ではない。クリーンナップを打つためにはやはり、何らかの主要打撃タイトルに近いところでプレーできるだけの成績が必要だ。一方外崎修汰選手であれば出塁率をもっと上げていれば、下位打線からチャンスが生まれ、それを上位打線で還していくような野球が可能になる。

今季のライオンズは、とにかくクリーンナップの前に作れた得点圏の機会が他球団よりも少なかった。だが外崎修汰選手をリードオフマンやクリーンナップではなく、下位打線で固定できるようになればこのウィークポイントもある程度解消できるはずだ。

ライオンズの場合、捕手を8番に置かなくていいという非常に大きなアドバンテージがある。このアドバンテージを生かすためにはやはり、ある程度の打力がある外崎選手を下位打線に置くことが最善だ。例えば2023年で言えば7番に蛭田拓哉選手、9番に外崎選手を固定して起用できれば、上位打線の得点力は大幅にアップしていくだろう。

だが逆に今季は下位打線でチャンスメイクできた回数が少なく、どうしても上位打線でチャンスを作るしかなくなり、その結果山川穂高選手の一発に頼らざるを得なかったという状態だった。もしリードオフマンだけではなく、下位打線ももう少し固定することができていれば、今季の得点力ももう少し上がっていただろう。

外崎修汰選手は下位打線を打ってこそ相手に脅威を与えられる

今ライオンズに最も必要なのはスタビリティ(安定感)だ。これに乏しかったため今季のライオンズは安定感のある戦いを見せることができなかった。調子が良ければ連勝するが、調子が落ち始めると大型連敗に突入してしまう。今季は8月末時点では首位に立っていたものの、9月に入ると7連敗により一気に優勝争いから脱落してしまった。

打線は水物だとはよく言われることだ。どんなに素晴らしい打者であっても、一年間ずっと好調でいられる打者などいやしない。三冠王に輝いたスワローズの村上選手でさえ、シーズン終盤はかなり調子を落としてしまった。だがこれはこれで仕方がない。ライオンズの山川選手だって当然調子が悪い時期もある。だがその時にクリーンナップを囲む打順に安定感があれば、4番の山川選手が調子を落としたとしても打線は大崩れしにくくなる。

だが今季のライオンズは1〜2番も、5〜9番も、3〜4番以外はほとんどすべてが流動的だった。源田選手も基本的には2番だが、状況によって1番や9番を打つこともあった。だが7〜9番の下位打線、つまり伏兵以外の1〜6番は可能な限り固定していきたい。そしてさらにこの7〜9番を固定できるチームのスタビリティはより高くなる。

外崎修汰選手は通算100盗塁を越えている走れる選手であるわけだが、盗塁王を狙えるほどではない。盗塁王を狙えるのは源田主将、若林楽人選手金子侑司選手あたりとなるだろう。やはり盗塁王を狙える選手がリードオフマンを務めるのが理想なわけだが、金子選手に関しては如何せん安定してある程度のヒットを打つことができない。そのため俊足は魅力ではあるが、金子選手は来季はリードオフマンの最有力候補とはならないだろう。

だが7番外崎選手、8番蛭田選手、9番金子選手という並びになってくれば、下位打線でチャンスメイクをしたり塁上を引っ掻き回したりすることができ、松井稼頭央監督が目指す野球を形にしやすくなる。そして一発のある外崎選手が7番に座っていたら、相手バッテリーからするとかなり嫌な気持ちになるはずだ。

下位打線を打ってこそ脅威となる外崎修汰選手

外崎選手は5番打者としてはそれほど怖くはないが、しかし7番打者としては非常に怖い。このように考えるならば、外崎選手は下位打線で相手にプレッシャーを与える立ち位置を目指すのが最善の起用法に思えてくる。

外崎-蛭田-金子という下位打線トリオを組むことができれば、まず左右をジグザグにすることができる上に、下位打線ではできるだけ左のリリーバーを消耗させたくないという相手チームのベンチワークを挫くことができる。やはり左のリリーフエースは主力にぶつけていきたい。そこで下位打線でこのようにジグザグ打線を組んでいければ、相手ベンチをかなり悩ませることもできるはずだ。

だがそれもほとんど実績がない選手ではダメだ。外崎選手や金子選手のように実績がある選手がどっしりと下位打線に座っているからこその話となり、1・2軍を行ったり来たりしているレベルの選手では相手バッテリーに脅威を与えられる下位打線にはならない。

金子選手の場合は打力はそれほど高くはないものの、転がされたら内野安打となり、盗塁され、一気にピンチが広がってしまう恐怖感がある。そして外崎選手の場合は下位打線だとしても一発があるため、相手バッテリーは気を抜くことは許されない。来季のライオンズはこのような切れ目のない打線を組んでいかなければならない。そしてそのために必要なのが他でもない外崎修汰選手なのだ。

外崎修汰選手が下位打線を打ってこそライオンズは強くなれる!

外崎選手の守備力は非常に高い。今季はリーグワーストの二塁手として10失策を記録してしまったが、しかし参加した併殺数は逆にリーグトップの90で、刺殺と捕殺もリーグトップだ。このように失策数は二桁とは言え、守備力の高さは球界随一だと言える。そして源田主将とのコンビで潰して来た相手チームのチャンスは数知れない。

例えば外崎選手と源田主将の場合、その高い守備力を考えれば打率.270であれば、3割打者と見做してあげていいと思う。すると源田主将はほぼ3割打者となる。しかしここ3年間の外崎選手の打率は低空飛行を続けている。だがもし外崎選手が源田主将同様に下位打線で.270以上の打率を残すことができれば、これはもう3割打者と見做してあげていいだろう。

外崎修汰選手なら打率.270、本塁打20本を打てるはず!

そして外崎選手は.270程度で20本塁打前後打てるだけの打力が備わっている。近年は少し調子を落としてしまっていたが、怪我さえなければまたそれだけの数字をマークできるどころか、キャリアハイを更新していくことだってまだ十分に可能だ。打力としてはかつての田辺選手同等どころか、それ以上の物を持っているはずだ。だからこそ外崎選手は30歳を節目に下降していくのではなく、ここからまた上げ直し、黄金時代の田辺選手のように相手にプレッシャーを与えられる下位打線を組んで行ってもらいたい。

上述したように、外崎選手は5番打者としては恐怖感はない。だが下位打線にいれば、長打も小技もある外崎選手の存在は相手チームとしては本当に嫌なはずだ。そして言い方を変えれば、外崎選手が5番を打っているようではライオンズは強くはならないが、外崎選手が下位打線を打てるようになる状況であれば、ライオンズはもっと強くなることができる。

とにかく外崎選手は今のライオンズには不可欠な選手だ。その外崎選手の残留がこれだけ早く決まったのはライオンズとしては非常に大きい。そしてかつては毎年のように主力選手をFAで失い、ライオンズの弱体化は年々酷くなっていた。だが近年は渡辺久信GMの手腕により、国内FAでライオンズを出ていく選手はほとんどいなくなった。

そしてそれによりライオンズのチーム力が少しずつ回復して来ているように見える。FA戦線に消極的なライオンズとしては、FAで選手を失うことが致命傷になる可能性が高くなる。ジャイアンツやホークスのようにFA戦線に積極的な球団であれば主力を失ったとしても、FAで代わりの選手を補強することができる。だがライオンズにはそれができるだけの経営体力はない。となるとしっかりと選手を育成し、その選手たちに長年ライオンズでプレーをしてもらうことでしかチームを強化することはできない。

そういう意味では外崎選手の残留は、FA補強同等の価値がある残留だったと言っても過言ではないだろう。とにかく来季日本シリーズに進出するためには外崎修汰選手の存在は絶対不可欠だ。その選手が残留してくれたのだからこれはライオンズファンのみならず、ライオンズにとっても嬉しいビッグニュースとなった。

そして来季も源田主将と外崎選手による鮮やかなコンビネーションを見られると思うと、日本シリーズなど見なくてもワクワク感を得られる筆者なのである。

⚾️ 筆者:Kaz@Twitter

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