TJ手術により一年間投げられなくなる上間永遠投手の代役の補強案

上間永遠

TJ手術を受け一年間投げられなくなる上間永遠投手

来季以降の飛躍が期待されていた上間永遠投手がTJ手術(トミー・ジョン手術)を受けることになり、約1年間投げられないという状況になってしまった。これを受けて渡辺久信GMは上間投手と一度契約を解除し、実戦に戻るまでは育成選手として契約をする形を選択した。

このスタイルは多和田真三郎投手のケースと同じだ。多和田投手も療養中は育成契約に切り替えていた。育成枠のこのような使い方は筆者は個人的には賛成だ。

だが他球団のように、70人という支配下枠が溢れてきたことにより育成枠を使うという手法には反対だ。今オフで言えばホークスが高卒1年目の田上投手を支配下から育成契約に切り替えた。このやり方はアマチュア側からの信頼を損ねるものであり、筆者はすべきではないと考えている。

育成枠というのはその名の通り、若い選手をプロレベルに至らせるためのシステムであり、支配下枠を空けるために使われるべきではない。

そして厳密には怪我人を収容する枠でもないわけだが、しかしシーズンのほとんどで投げられない状況であるならば、リハビリ枠という意味で育成枠を使うのは決して悪くはないと思う。

こうして考えると育成枠だけではなく、リハビリ枠というのもあって良いのではないだろうか。長期間のリハビリを要する状態なら、リハビリ枠というものが存在すれば中堅選手でも育成枠的な契約に切り替えやすくなる。

ただ、このような育成枠の使われ方として筆者が心配なのは、怪我がちゃんと公傷扱いになるのかどうかだ。公傷扱いであれば、大幅な年俸ダウンを避けられる。だが純粋に契約そのものが見直されることになれば、年俸が大幅に下がるというケースも今後出てくるかもしれない。

しかし上間投手のように1軍での登板数が非常に少ないという場合、完全に公傷扱いしてもらうことは難しいだろう。年俸に関しては1軍で活躍できなかった分だけ下げられてしまうはずだ。

田上投手の獲得というウルトラC的な補強策

さて、ホークスの田上投手のケースは上述した通りだが、田上投手はまず自由契約という形になり、どの球団にも所属していないという立場となる。そしてその後は12球団合同トライアウトを終えてから、ホークスと育成契約を結ぶという流れになっていく。

果たして田上投手自身としてはどのような気持ちなのだろうか。ルール的には田上投手が自由契約選手として公示されれば、田上投手はどの球団とも交渉することができる。

つまり他球団が田上投手を欲しいと思い、支配下契約したいと持ち掛ければ、田上投手はホークスとの育成契約はせず、その他球団と支配下選手契約を結ぶことができるのだ。

ライオンズは来季は上間投手がまったく投げられないのだから、荒削りながら154km/hのボールを投げられる田上投手を、上間投手の代役的存在として支配下契約を持ちかけてはどうだろうか。

そのような持ちかけをすれば成否は別としても、アマチュア球界は「西武球団は若い選手を大切に育てようとしてくれる球団だ」と考えるようになるだろう。そうすれば「教え子を西武に入れたい」と考える指導者だって増えてくるはずだ。

それと同時に、ソフトバンク球団としては来季は3軍制度のさらなる強化を目指しているわけだが、その目論見を崩すという意味でも田上投手の獲得はライオンズにとってプラスになるはずだ。

勝つためには相手を上回るチームを作るのと同時に、相手の戦力を削ぐというやり方も時には必要だ。そういう意味ではこのオフのライオンズはすでに、ホークスの3軍監督を打診されていた平石洋介コーチの招聘に成功している。

上間投手のように「一年間投げられないのに契約してもらえた」という気持ちでの育成契約と、田上投手のように「秋季キャンプに参加したのに育成契約に切り替えられた」という気持ちでの育成契約とでは、意味合いがまったく異なってくる。

報道では田上投手は納得していると伝えられているが、まだ世間に揉まれてもいない18歳の選手に対し、交渉ごとに老練である編成部長らが説得をしにいけば、18歳の経験値では納得せざるを得ない部分もあったはずだ。

田上投手としては大人の対応を見せつつも、内心は燃えたぎるように悔しいはずだ。その悔しさをライオンズで生かすというのはどうだろうか?田上投手の闘志をホークスにぶつけさせるというのはどうだろうか?

一年間投げられなくなる上間投手の育成契約のニュースを読みながら、筆者はふとこんなことを考えてみたのだが、読者の皆さんはどうお考えだろうか。

筆者:Kaz@Twitter

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