2年連続下半身の怪我で離脱の山川穂高選手。体重との因果関係は?!

20210402n.jpg

2年連続で下半身を怪我してしまった山川穂高選手

2021年3月30日のファイターズ戦、山川穂高選手は初回にツーランホームランを放ってみせた。しかし一塁ベースを踏んだ辺りで急に崩れ落ちるように走るのを止めてしまった。左太腿裏に激痛が走ったらしい。試合中はアイシングをするだけで病院には行かずに様子を見たようだが、しかしその後診断を受けると肉離れであることが判明した。

筆者は渡部健人選手に対し「怪我を防ぐためにも減量は必要」だとこの場で何度か書いてきたが、しかし山川選手は渡部選手に対し「減量は必要ない」と言い切っていた。その山川選手が開幕早々に下半身を怪我してしまったのだから、山川選手の言葉には説得力がなくなってしまう。

4番打者というのは、チームを勝利に導くことができる一打を放ち、そして4番打者として試合に出続けなければならない。4番として試合に出続けられていない時点で、もうすでに真の4番打者として呼ぶことはできなくなってしまう。そういう意味では山川選手は2年連続で下半身を怪我して戦列を離れてしまい、真の4番打者と呼ぶには難しい状態となっている。

清原和博選手は真の4番打者だった

西武ライオンズの真の4番打者として筆者が真っ先に名前を挙げたいのは、やはり清原和博選手だ。ライオンズ時代の清原選手はとにかく試合に出続けた。ライオンズに在籍していた11年間は、右肩を脱臼してしまった1995年以外はほとんどフル出場に近い状態で試合に出続けた。そして実際に全試合出場を果たしているシーズンも3回ある。

残念ながらライオンズを移籍してしまったのちは増量により膝を痛めることが多くなり、100試合出場にも満たないシーズンばかりとなってしまうのだが、しかし増量する前のライオンズ時代はとにかく試合に出続け、チャンスで打ち続けた真の4番打者と呼べるスラッガーだった。

山川選手はその清原選手の背番号を受け継いでいるのだ。それならば清原選手を上回るような選手になっていかなければならない。過去の記録というのは栄光としてではなく、次世代の選手たちが上回るために残されている。清原選手が525本塁打を打ったのならば、山川選手には526本塁打打って欲しい。だがここまで下半身を頻繁に怪我してしまう状況が続くと、その記録に対する期待も薄らいでしまう。

山川選手が抜けても打線は機能する!

報道を読む限りでは最短の10日で戻って来られる可能性もあるようだが、しかしシーズンの序盤ということもあり、辻発彦監督も無理をさせることはしないだろう。メヒア選手スパンジェンバーグ選手が来日して試合に出場できるようになるまでは、若手選手の奮闘により乗り切るより他ない。

ただ、ライオンズの場合はこれまでもダブルクリーンナップとも呼べる打線を組んできたため、山川選手が抜けても打線が機能しなくなるほど手薄になることはない。例えば先日は好調の源田壮亮主将が3番に座るオーダーを組んだが、この3番あたりに佐藤龍世選手やブランドン選手が入って来られれば良いのではないだろうか。

相手チームからすればホームランがほとんど出ない源田選手が3番にいるよりも、長打力のあるブランドン選手が3番にいた方が投げにくくなると思う。また、木村文紀選手を一時的にクリーンナップに据えるというオーダーも魅力的だと思う。

体重が減ってもホームランは打てる!

最も優れた野球選手は、怪我をせずに試合に出続けられる選手だと筆者は考えている。だからこそ仕事で選手たちをコーチングする際も、筆者は常に怪我をしないフォーム・体づくりを徹底させている。だが山川選手の場合は、2年連続で言葉だけが一人歩きしてしまっている。昨季は三冠王という言葉を使い、今季はどんなに悪くても40本塁打以上と言い切っている。だが結果的には2年連続で下半身を怪我してしまい、チームにダメージを与えてしまった。

中村剛也選手も比較的下半身の怪我が多い選手だ。体重の比率と下半身の怪我を短絡的に結びつけることはできないが、しかし増量を行った選手や体重の比率が高い選手が下半身を怪我するケースは間違いなく多い。そういう意味でも筆者は山川選手の「(渡部選手は)減量する必要はない」という言葉に対しては否定的立場だ。

ちなみに渡部選手のキャンプイン前の体重は身長176cmに対し118kgだった。118kgと言えば、身長198cmのメヒア選手と同じ体重だ。身長はメヒア選手の方が22cm高いのに体重は同じ。この数字を見るだけでも、渡部選手の体重がどれほどであるかがよく分かる。それでも山川選手は減量の必要はないと言い切る。

山川選手は体重が減ればホームランも減ると語っているが、確かにそういう理屈もある。ウェイトシフトで打っている場合はそういうことも起こるだろう。だがステイバックという技術さえ身につけられれば、体重に関係なくホームランを量産することができる。ちなみに昨季のホームラン王である浅村栄斗選手の体重は身長182cmに対し90kgだ。山川選手や中村選手よりも長身であるにもかかわらず10kg以上軽いのだが、ホームラン王を獲得している。この浅村選手は、ライオンズ時代に個人コーチである熊澤コーチ(筆者が尊敬するパーソナルコーチ)の指導もと、ステイバックを身につけた選手だ。そしてステイバックを身につけた途端、浅村選手の駄棒は一気に花開いていった。また、まだ若手だった中村剛也選手に技術を叩き込んだのもライオンズで打撃コーチを務めていた頃の熊澤コーチだった。

2年連続で下半身を怪我してしまった事実と体重との因果関係を、山川選手自身が今後どう捉えていくのかは分からない。あくまでも無関係であるという姿勢を貫くのか、それともこの事実を受け止めて体づくりを見直すのか。だが山川選手が本当に真の4番打者へと進化していきたいのならば、いずれにせよ怪我をしない選手になっていく必要がある。これは年間ホームラン数よりもずっと重要な要素だ。

とにかく山川選手には最短の10日間で完治させ戦列に復帰し、ホームランを量産する元気な姿をまた見せて欲しいというのが筆者だけではなく、ファンの総意だと思う。この怪我が長引かないことを祈りながら、しばらくの間は若獅子たちが躍動する姿を一ファンとして見守っていきたい。

⚾️ 筆者:Kaz@Twitter

THE埼玉西武ライオンズガゼット