2021年02月23日(火) ホークスvsライオンズ練習試合のゲームレビュー

ホークス戦

2021年2月23日、宮崎で行われたホークス対ライオンズの練習試合。結果的には3-2で敗れてしまったわけだが、収穫のある練習試合だったように思える。まず注目すべきは先発した松本航投手と二番手としてマウンドに登った今井達也投手の仕上がり具合だろう。

変化球を低めに投げ切れなかった松本航投手

松本投手は3イニングスを投げて46球、被安打5、奪三振1、失点2という内容で、決して悪くはなかったが、まだ仕上がってもいないのかな、という内容のピッチングだった。タイミングを外したい緩いボールが高めに入ることも多く、打者の目線の上下を大きくできなかった分被安打が増えてしまったという印象だ。

緩い変化球をもう1個分ずつ低く投げ切ることができれば、力のあるストレートと緩い変化球をそれぞれもっと活かせるようになり、被安打をもう少し減らすことができるだろう。だが3イニングスを投げて四死球がなかったというのは良かったと思う。そして球数も46球という理想な数字でまとめられたのも、これはシーズンに向けて良い調整ができているという一つの目安となるだろう。

いよいよ覚醒か?!素晴らしい投球を見せてくれた今井達也投手

二番手でマウンドに登った今井達也投手の仕上がりは順調そうだ。同じく3イニングスを投げて42球、被安打0、奪三振3、四死球1、失点0というほぼ完璧に近い内容だった。昨季は四球で崩れるパターンも多かった今井投手だが、この試合のピッチングを見る限りでは、昨季感じられていたような迷いが見えなくなったように思う。

昨季はバッターと対戦する前に、どこか自分自身とだけ戦ってしまい一人相撲になってしまう場面もあったわけだが、この試合のピッチングを見る限りでは自信を持って投げているように見えた。昨季のピッチングだけを見れば裏ローテの一番手は松本航投手が有力かとも思われたが、これだけのピッチングを見せられると、辻発彦監督も今井投手の存在を無視するわけにはいかないだろう。

バッティングの内容としては決して良くはなかったブランドン大河選手

バッティングの方では初打席でレフトにツーランホームランを放ったタイシンガー・ブランドン大河選手が注目されているが、筆者個人としてはまだそれほど高い評価はしていない。と言うと失礼に当たるわけだが、安心して開幕サードを任せられるだけの内容ではなかったように見える。

ホームランを打ったボールは内角高めの甘いボールで、力一杯引っ張るにはもってこいのコースだった。もちろんその甘いボールをしっかりと仕留めたブランドン選手は見事だったわけだが、しかし全体の内容としてはまだまだだったと思う。2打席目はピッチャーに打たされた感じの浅いセンターフライで、3〜4打席目は共に三振に倒れている。

「打率は低いけど意外性の一発がある」という打者としてはすでに木村文紀選手の存在があり、9人の打者を一本の線として繋いでいくためにはこのタイプの打者を打線に2人入れるのは避けたいところだ。

そう考えるとブランドン選手の役割は今はたまに打つ長打ではなく、簡単には三振をせず、アウトになったとしても相手投手に球数を投げさせられる粘り強さだ。そのような粘り強さが見えてきて、アウトになったとしてもチームに貢献できるバッティングの内容になってくれば、ルーキーとして開幕サードの座を手にすることもできるかもしれない。だが現段階ではブランドン選手に開幕サードの座を確約するには時期尚早だろう。とは言え大きな期待を抱かせてくれるルーキーであることに違いはない!

ライオンズの場合はまだ試合の勝ち負けよりも投打の内容が重要な時期

ライオンズは毎年、他球団と比べるとこの時期の実戦が少ないわけで、この時期の勝ち負けはそれほど気にする必要はないだろう。ライオンズというチームは伝統的に開幕戦にピークを持っていくというキャンプからオープン戦の過ごし方をする。

そういう意味でもライオンズがオープン戦で好成績を残すことは少ないわけだが、だからこそ重要なのは勝ち負けよりも内容ということになる。ブランドン選手にしても、仮に3〜4打席目で2三振することなく、何かチームに勇気を与える内容のあるアウトへのなり方をしていれば、例え同じ4打数1安打だったとしても、辻監督の評価はもっと上がっていたかもしれない。

ただ、中村剛也選手が開幕に間に合うかどうかが微妙で、スパンジェンバーグ選手の来日目処も立っていない。このような状況もあるため、もう少しプロレベルの野球に慣れさせるという意味でも、ブランドン選手は多少結果が伴わなくてもしばらくは練習試合やオープン戦での起用が続くだろう。

しかし外野に挑戦するなど、なりふり構わず出場機会を狙っている山野辺翔選手の存在もあるため、守備も打撃も荒いままの状態が続けば、山野辺選手が開幕戦でサードの守備に就く可能性もあるはずだ。

いずれにしてもサードとレフトに関してはしばらくはサバイバルが続きそうだ。この熾烈なポジション争いの中でブランドン選手がなお頭一歩リードし続けることができれば、開幕戦は代役などではなく、歴とした正三塁手としてブランドン選手の名がオーダー表に認められることになるだろう。

埼玉西武ライオンズ元1軍コーチ推奨!THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者カズコーチ監修『よくわかる!投球障害予防改善法-徹底解説ビデオ』

THE埼玉西武ライオンズガゼット

このエントリーをはてなブックマークに追加