デーブ大久保氏に真っ向から反論!渡部健人選手に対する筆者の考え

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日刊レジェンズブルー

デーブ大久保・元ライオンズコーチは渡部健人選手に対し減量をする必要はないという趣旨の記事を書かれていた。以前筆者は誌面にて、デーブ大久保コーチに並んで中村剛也選手の動作分析をさせてもらったこともあり、野球指導者としても尊敬している人物のひとりだ。しかし渡部選手は減量する必要はない、ということに関しては筆者は反対意見だ。

デーブ大久保氏の仰る通り、力士のように一見太って見えても実は体脂肪率が10%ということもある。渡部選手の体脂肪率は公表されていないため何%なのかは筆者には分からないが、しかし12月は教習所に通っていたため運動量が減り、体重が跳ね上がったと本人はコメントしていた。ということは少なくとも体脂肪率10%ということはありえないだろう。

渡部健人選手は今現在176cmで118kgという体格だ。BMI値だけで見ると38という数値となり、一般人の運動量においてと仮定すると、適正体重よりも50kg多いことになり、3度の肥満ということになる。ちなみにBMI値が40を超えると4度の肥満になるため、体脂肪率を換算しないBMI値だけで見ると、渡部選手はかなりの肥満体質ということになる。

プロ野球界の太っていた選手の代表格といえば、やはりドカベンこと香川伸行捕手だろう。香川捕手の場合、現役時代には最高で150kg近くまで体重が増えてしまったことがあったそうだ。そして引退後は糖尿病などを患い、2014年、心筋梗塞により52歳という若さで他界してしまう。

なんとか仕事を得るために色々な知り合いに連絡をしていたそうで、携帯電話を握ったまま亡くなっていたというニュースを、筆者は今でも鮮明に覚えている。子どもの頃に集めていたプロ野球チップスのカード、筆者は南海ホークス・香川捕手の同じカードをタブってたくさん持っていた。そんな思い出もあり、香川伸行捕手の悲報を知った時は本当に悲しい思いで胸がいっぱいになった。

プロ野球選手は引退後の健康のことも考えなければならない

もしかしたら今は渡部健人選手も減量の必要などないのかもしれない。だが考えてみて欲しい。プロ野球選手は現役時代には本当によく食べる。しかし引退して運動量が一気に減っても、食べる量も同じように一気に減る人は少ない。そのため引退後にブクブクと太ってしまう元プロ野球選手は非常に多い。

プロ野球選手は、現役生活よりも引退後の生活の方がずっと長い。そう考えると、今が良ければ良いという考え方は筆者にはできない。アスリートとしても、引退後の生活を考えるにしても、渡部健人選手には減量の必要があると思う。

プロ野球選手は、他競技の選手と比較をすると健康に対する意識が本当に低い。煙草を吸う選手も未だに多いし、日常的にアルコールを摂取する選手はもっと多い。アメリカから助っ人選手がやって来てまず驚くのは、日本のプロ野球選手が煙草を吸っていることだと言う。筆者は仕事柄メジャーリーグやマイナーリーグのトレーニングのサポート経験もあるのだが、アメリカ球界の選手で煙草を吸っている選手や、日常的にお酒を飲んでいる選手は見たことがない。

渡部選手は仮に煙草やお酒はまったくやらなかったとしても、BMI値を踏まえると将来糖尿病を患う危険性は高いだろう。野球をやっていても大学時代は体重が112kgだったということは、引退したら香川捕手のように150kg近くになってしまう危険性も孕む体質だと思う。健康第一のはずであるアスリートが、BMI値により糖尿病を心配しなければならないと言うのはちょっと残念な気がする。

渡部健人選手のコンディショニングへの意識はまだ低い

そもそも176cmというそれほど高くはない身長で現在118kgでは、膝にかかる負担は相当大きいはずだ。仮に今年の春季キャンプを乗り越えられたとしても、2年3年とプロ野球生活を続けていけば、必ず下半身に怪我を抱えてしまうことになるだろう。そして怪我をしている期間が長引くほど、1軍に定着する夢からも遠ざかってしまう。

西武球団のコンディショニングチームも、病気や怪我を防ぐために渡部健人選手に減量指令を出しているのだと思う。そしてアスリートとしてもっと高いレベルを目指すためにも、今の体重がベストではないと判断されているのだろう。

デーブ大久保氏は「太っている選手を獲得して減量させるのは契約違反だ」と書かれていたが、筆者はそうは思わない。減量させ、病気や怪我を防ぐためのコンディショニングを行なっていくことは球団のコンディショニングチームの義務だと思う。

いくら教習所通いで忙しかったからと言っても、渡部健人選手は112kgだった体重を118kgまで増やして入寮してしまったほど、コンディショニングに関しては現時点ではプロ野球選手としてはお粗末なレベルなのだ。その渡部選手本人にコンディショニングを任せてしまっては、将来的に怪我や病気が絶えない人生になってしまう可能性は否めない。

中村剛也選手はあんこ型体型だから本塁打王になれたのではない

デーブ大久保氏は、体重を減らせば飛距離も低下すると仰っているが、これに関しては筆者は野球専門プロフェッショナルコーチとして真っ向から否定したい。デーブ大久保コーチの考えを否定するなど、筆者にはおこがましいばかりではあるが、しかしここに関しては筆者もプロとして譲るわけにはいかない。

ホームランというのは体重や体格で打つものではない。技術があればホームランは誰にでも打つことができるのだ。例えばイチロー選手は1995年に自己最多の25本塁打を記録しているが、体重は70kg台だ。昨季の本塁打王である浅村栄斗選手も90kgだし、柳田悠岐選手も188cmという大柄な選手なのに体重は96kgだ。

清原和博選手が自己最多の37本塁打を打った1990年もまだ細身の選手で、ジャイアンツに移籍し肉体改造をして体重を増やした後はどんどん本塁打数が減っていった。そして下半身の怪我も絶えなかった。つまり技術力アップを後回しにして体重を増やしてしまうと、必ず成績は下降するということだ。

デーブ大久保コーチは減量をすれば渡部健人選手の魅力が薄れてしまうという趣旨の記事を書かれているが、まだまだ技術が未熟な渡部選手に対し、減量をすれば長打力が低下するという考え方には筆者は賛成できない。

例えば中村剛也選手にしても、体重でホームランを打っているわけではない。プロに入り、熊澤とおるコーチに的確な技術指導を受けたことによりアーチストとして開眼したのだ。いくら難波のカブレラと呼ばれていた高校時代でも、その時のままプロでやり続けていたら、6回も本塁打王になることはできなかっただろう。それどころか、ファンの記憶に残らずにプロ野球を去っていたかもしれない。

中村剛也選手の打撃技術は球界随一とも言える。仮に中村選手があんこ型体型じゃなく、ほっそりとした選手だったとしても、中村選手の技術であれば何度も本塁打王になっていただろう。

思い出される星野仙一監督の言葉

デーブ大久保氏の上司であった星野仙一監督は「体・心・技」という言葉を大切にされていた。心技体ではなく、体心技だ。健康な体には健全な心が宿り、健康な体と健全な心があれば技術は自ずと磨かれる、という考え方だ。筆者はこの考え方がとても好きだった。

星野監督のこの言葉を借りるならば、まず渡部選手がやらなければならないのは「体」の向上だ。つまりコンディショニングだ。重要なのは今健康なことではない。重要なのはこれからもずっと怪我や病気をせず健康で居続けられるかどうかだ。

仮にオーバーウェイトによって膝でも怪我してしまったら、健全な精神を維持することは難しい。焦りも出てくるだろうし、下向きな考えだって浮かんでしまうだろう。そうなってしまうと色々なことが空回りするようになり、技術もさほど磨かれなくなってしまう。そうならないためにも、渡部健人選手は減量をした上でのコンディショニングが必要だと、筆者もライオンズのコンディショニングチーム同様に考えている。

筆者は野球のプロフェッショナルコーチとしてまだ駆け出しだった頃、何度か西武ドームの室内練習場でデーブ大久保コーチにお目にかかったことがある。デーブ大久保コーチの野球に対する情熱は恐らくは筆者の比ではないほど熱く、本当に尊敬している。だが渡部健人選手に対する考え方に関しては筆者は違う意見だったため、今回は筆者個人の意見をここに認めさせてもらった。

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