首位攻防戦で3戦全敗したライオンズには一体何が足りないのか?!

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山川穂高

筆者はまだ素晴らしい選手だとは思えない山川穂高選手

筆者は西武ファンとしてもちろん山川穂高選手のことは応援している。だが野球の専門家として見た時、筆者は山川選手のことを素晴らしい選手だとは思っていない。いや、もちろん本塁打王に二度も輝いた点に関しては超一流だと思う。だが一人の野球選手として見た場合、筆者は山川選手が本当に素晴らしい選手だとはまだ思えないのだ。

まずはこれは以前にも書いたことなのだが、山川選手はシーズンを通して高い打率を残したことがないにも関わらず、将来的には三冠王を目指すと過去に公言している。だがそれを公言した途端長い不振に陥り、打率に関しては2019年以降低空飛行を続けている。

そして相手チームの素晴らしい投手に関しては「彼はいつメジャーに行くんですか?」というような趣旨の発言を幾度かしているのだ。筆者はこの発言が最も気に入らなかった。もちろん山川選手としては冗談のつもりなのだろうが、ライオンズを代表する選手の発言としてはまったく冗談になっていない。

また、山川選手が本塁打王になった年はライオンズは共にリーグ優勝をしているため、山川選手は「自分が打てばチームは優勝する」という発言も幾度がしている。これに関してももちろんそうなのだろうが、山川選手は本当にチャンスに弱いというのが現実だ。

この記事を書いている日、ライオンズは6−1でまたもやホークスに敗れたわけだが、山川選手は先頭打者としては2安打放ったが得点には結び付かず、走者一塁で迎えた場面では三振に倒れている。

シーズン序盤の山川選手はよく打っていたわけだが、それでも筆者は山川選手の打率は落ちていくだろうと考えていた。その理由は、山川選手は調子が良かったから打てていたという状態だったからだ。

そう言うと誤解を招きそうだが、調子が良い時に打てるのは誰でもそうなのだ。だが四番打者であれば、調子が悪くてもチームを勝利に導くバッティングをしなければならない。重要なのは山川選手がホームランを打てば勝てる、ということではなく、山川選手がホームランを打たなくても勝たなければならない、ということだ。

山川穂高選手と村上宗隆選手を比較

同じホームランバッターとして、今季は東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手が山川選手とは次元の違う活躍を見せている。今季ここまで、村上選手は満塁時に14打数、6安打、4本塁打、21打点、打率.429という四番らしい活躍を見せている。一方の山川選手は満塁時は7打数、0安打、1打点という数字だ。

今季ここまでのトータルの得点圏打率を見ても、村上選手の.369に対し、山川選手は.296となっている。そして怪我を繰り返している山川選手に対し、死球を受けてもホームランを連発する村上選手。三冠王という重みのある言葉を口にした山川選手ということを踏まえると、あまりにも数字が物足りない。

ここまで本塁打39本というのは本当に素晴らしい数字なのだが、39本も打ちながら打点は84に止まっている。とは言えこれはパ・リーグでは現時点においてはトップとなる打点数なのだが、2位の浅村栄斗選手は26本塁打で82打点となっている。さらに村上選手の数字も紹介しておくと、55本塁打の時点で132打点となっている。

筆者は常々言っていることではあるが、ライオンズは早く次の四番打者を育てなければならない。今年31歳になる山川選手の数字が、これから年々さらに飛躍していくことはほぼないはずだ。そう考えるといつまでも山川選手の四番に拘っていては、次期監督に変わった際にチームのリビルディングが上手くいかなくなってしまう。

かと言って村上選手のような打者を誕生させることなどできない。いや、不可能ではないが可能性は限りなく低い。となると昨オフにも書いたわけだが、ライオンズは中距離打者ではなく、長距離砲をアメリカから連れてくるべきだった。しかし新入団した外国人打者たちはいずれも低空飛行を続けている。

ライオンズに必要だったのは中距離打者ではなく、ドミング・マルチネス選手、アレックス・カブレラ選手、スコット・マクレーン選手、エルネスト・メヒア選手のように、高い確率でホームランを打てる外国人選手だったのだ。

ライオンズは今年も変わらず一番打者に苦労しているが、同時に五番打者を固定することもできていない。打線として非常に重要な先頭打者とクリーンナップを固定できずにいるのだから、今季の得点力の低さも不思議ではない。

秋山翔吾選手はなぜライオンズを選ばなかったのか?!

秋山翔吾選手がライオンズではなくカープを選んだのは、山川選手と森友哉捕手の野球に対する姿勢と相容れないことが理由だということは、筆者の周囲にいるライオンズをよく知るスポオーツライターや記者の間ではよく知られていることだった。

その詳細がすでに報じられているかどうかが分からないため、筆者がここで詳しく書くことは避けたいのだが、秋山選手は、山川選手と森捕手と一緒にプレーをするのは避けたいと考えたようだ。

秋山選手はどこに出しても恥ずかしくないくらい、野球に対して真摯に向き合っている真のアスリートであり、尊敬すべき野球選手だと言える。筆者自身、秋山選手の練習風景を彼のライオンズ時代によく見かけたのだが、本当にストイックに練習に取り組んでいた。その姿は栗山巧選手と重なることも多かった。

筆者は山川選手の人柄は実際のところはよく知らない。SNSもフォローしていないし、パ・リーグTVで見られる山川選手のことしか知らない。だが山川選手のことをよく知るライオンズ周辺で仕事をする知人たちと話していると、山川選手のことを一人の野球人としてリスペクトしている者は少ない。

繰り返すが、筆者は山川選手と個人的に話をしたことはない。他のライオンズの選手とは何人もと仕事で話をしたことがあるのだが、山川選手に関しては成績以上のことは本当によく知らない。そのため正確なことを書くことはできないのだが、誰からも尊敬されている選手だという話を耳にしたことはまだない。

一方の森友哉捕手は、これはスポーツ紙にも幾度か書かれていたと思うが、今季ミットを投げつけて怪我をした後、森友哉捕手の野球に対する姿勢が今までとは違うと感じている関係者が多いようだ。野球に対し、今まで以上に真摯に向き合うようになったと口にするスポーツライターの方と少し前にお話をさせてもらった。

なかなか出てこない絶対的エースと真の四番打者

ライオンズは、三番・四番を打っているこのふたりが変わらなければ変わらないだろう。ライオンズは昨季、1979年以来の最下位という屈辱を味わったわけだが、あまりチームとしては変わっていないように感じる。チーム防御率が飛躍的に良くなったことが今の順位の原動力となっているわけだが、もしチーム防御率が平均的な3点台だったとしたら、首位争いに加わることもできなかっただろう。

そして現在のライオンズには絶対的エースと、真の四番の存在がない。この両輪が機能しなければ、チームが優勝することは難しい。だが山川選手の存在を脅かすような選手は一向に出てこないし、出てこないから四番は山川選手一択という状況になっている。

さすがにもう年齢的に、中村剛也選手に四番を任せることは酷だ。五番でさえも酷だと思うのだが、しかし他に打てる打者はいないし、外国人打者もあまり機能していないため、中村選手に任せる他ないという状況だ。

ライオンズはまだまだ優勝を狙えるチームではないと思う。本当に常勝軍団を再建していくためには、まずはエース対決で勝てる絶対的エースと、数字に関わらずチームを勝利に導ける真の四番打者が必要だ。

だが真のエースは涌井秀章投手以来出ておらず、真の四番打者も中村剛也選手の若い頃やカブレラ選手以来出ていない。ただ、カブレラ選手に関しては数字は圧倒的だったが、チームを牽引するタイプの選手ではなかった。

そういう意味では中村選手が現役のうちに次世代の四番打者を育て始めなければならないし、ファームではかつての絶対的エースだった西口文也監督の下で次世代の絶対的エースを育成して欲しい。そしてその候補が現在は怪我がやや多いが、今井達也投手なのではないかと筆者は考えている。ライオンズは少しでも早く今井投手を一本立ちさせなければならない。

真のエースと四番を育成することができれば、ホークス相手にここまで負けが込むこともなくなるだろう。大事な首位攻防3連戦で、まさか3戦全敗するとは思わなかった。だがこれが今のライオンズの実力なのだ。それを認めない限り、ライオンズが生まれ変わることはまだないだろう。

筆者:Kaz@Twitter

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