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森友哉

森友哉捕手の2番はありか?なしか?

辻発彦監督は2022年の1・2番コンビについて、1番若林楽人選手、2番森友哉捕手という可能性もあるとコメントされていた。だが筆者個人としてはこのオーダーはベストだとは思わない。

確かに単純に考えると、若林選手が出塁して二塁に盗塁し、森捕手のヒット1本で生還すればあっという間に先制点が取れるという理想的展開にもなる。だがこれが文字通り上手く行くことなどそうそうあることではない。

しかしそう言ってしまうと身も蓋もないわけで、それを理由に筆者はこの1・2番コンビはベストではないと言っているわけではない。2番が森友哉捕手じゃなかったとしても、無死二塁で2番のヒットで1点という攻撃は理想的だ。

ではなぜ筆者が2番森友哉捕手がベストではないと言っているかと言うと、森友哉捕手の走者一塁での打率が.437なのに対し、走者二塁の打率が.298と、通算打率の.309を下回っているからなのだ。

森捕手の走者一塁での打率が.437と非常に高いことを考えると、心情的に一塁走者の若林選手を走らせにくくなる。そして若林選手がせっかく盗塁で二塁に行ったとしても、走者が二塁だと森捕手の打率は大きく下がってしまう。これでは戦術とデータがチグハグになってしまい、采配と打線が噛み合わなくなってしまうのだ。

一方森捕手は3番で、二塁に盗塁した若林選手を源田壮亮主将が送りバントで三塁に進めてあげると、森捕手の打率は.308まで上がる。だが悩ましいのが、これが三塁一塁となってしまうと森捕手の打率は.167まで急降下してしまうのだ。ただしこの.167という数字は6打数1安打という少ない打席しかなく、これが仮に6打数2安打だったら打率は.333となっていた。

捕手はただでさえ激務。その上2番を打たせるのは酷すぎる

森捕手はただでさえ捕手として頭を使わなければならない。その上2番打者という最も頭を使わなければならない打順を打たせるのは酷だと思う。捕手業は本当に大変なのだから、バッティングに関しては3番打者としてどっしり構えさせ、落ち着いて打たせてあげた方がタイトルに近付いていけると思う。

攻撃的2番というのはデレク・ジーター選手らの影響から日本でも取り入れられるようになったが、しかしアメリカ野球と日本野球はまったく異質であるため、メジャーリーグの2番最強論をそのまま日本に持ち込むことはできない。

アメリカの野球は一般的には、1〜9番までの全員がスラッガーであり、メジャーリーグの8番打者は、日本では間違いなく4番打者になれてしまう。そのため1番でサッとチャンスを作り、2番でササッとを生還させるという野球も通用することが多い。

だが日本のプロ野球の場合は、クリーンナップを打てる打者がよほど余っていない限り、強打者を2番に置くのはベストではない。つまりいわゆる3番打者を2番に据えてしまうと、クリーンナップが手薄になってしまうし、日本野球の3番打者タイプの打者に2番を打たせても、打線を繋いでいく器用なチームバッティングを求めることは難しい。そして森捕手の場合は若林選手が盗塁したあとの走者二塁だと打率が下がってしまうという特徴がある。

もし仮に辻監督が1番若林選手、2番森捕手という打順を本気で考えているのであれば、これは山賊打線を変形させただけの、打線の繋がりと言うよりは破壊力重視の戦略であると言える。そして若林選手を活かした後の森捕手のデータ的にも、上述のように戦略とマッチしない。

もちろん来季やってくる外国人打者が2人以上クリーンナップで大暴れしてくれるような状況であれば、森捕手を2番に据えても良いとは思う。だが外国人打者は来てみなければ数字を読むことができないため、やはり3番森捕手という打線の核は変えるべきではないと思う。

そして4番の中村剛也選手にしても、打率.280で30本前後のホームランを打てるのであれば、最初から4番で固定してしまった方が良いと思う。

中村選手自身は今は4番には拘っていないし、「自分が4番を打っているようではダメ」だとも言っている。だが現実として今安心して4番を任せられるのは中村剛也選手だ。体が元気であるならば、この3・4番の大阪桐蔭コンビは固定してしまった方が良いのではないだろうか。その方が本人たちもやることが明確化され、気が楽になると思う。

やはり打線は1〜6番はできるだけ固定した方が打線に繋がりが生まれやすい。オーダーが固定されていれば、各打者が前後の打者と上手くコンビネーションを取りやすくなるからだ。

打線を線として繋げていくためには1番若林選手、2番源田主将、3番森捕手、4番中村剛也選手、5番左打ちの助っ人選手という上位打線は固定して、下手に組み換えない方が打線の繋がりも安定的になっていくと思うのだが、しかし一ファンとしては「2番森友哉」というオーダーも見てみたい気もしているのである。

森友哉

チーム防御率の向上しないのは森友哉捕手の責任ではない

あるスポーツ紙が、森友哉捕手が「涙ながらに捕手を辞めたいと懇願した」とする、ある球団関係者の言葉を記事にした。しかしこれを森友哉捕手は真っ向から否定し、来季以降も捕手としてプレーし続けることを明言した。

森捕手自身がわざわざこんなコメントを出さなければならないとは、報道とは一体何なのだろうか。そもそもある球団関係者とは誰なのだろうか。この匿名状態の記事と、一般人がネット上で匿名による他者批判を行うのとでは、何が違うのだろうか。筆者には同じ低レベルさにしか見えない。

球団関係者の言葉、という書き口であればどんな嘘でも書けてしまう。基本的にこのような場合、球団関係者は決して今現在球団に関係している人物ではない。例えば筆者はプロコーチとしてこれまで西武ライオンズ関連のお仕事をたくさんいただいてきたわけだが、球団関係者と自称することはない。ただ単にライオンズとお仕事をさせていただいた、というだけだ。

このようなスポーツ紙が未だに存在しているのも不思議であれば、それを買って読む人間がいるということも筆者には理解し難い。そもそもこのような媒体をスポーツ紙と呼ぶべきなのかも疑わしい。

筆者が個人的に許せないのは、根拠も何もないただの無責任記事により森友哉捕手や、ライオンズの選手たちが傷つけられたということだ。今回の報道による事実は唯一これだけではないだろうか。

ちなみに森友哉捕手はコンバートすべきだと平然と口にする野球解説者たちもいるが、余計なお世話だ。こんなことを軽々しく口にすべきではない。このようなことを平気で言えるのは、センセーショナルなことを言って注目を集めたり、記事へのアクセス数を伸ばしたいだけの三流解説者のみだろう。

確かにこれまで捕手からコンバートすることによって成功を収めてきた選手は大勢いる。ライオンズで言えば高木大成選手、和田一浩選手、貝塚政秀選手、犬伏稔昌選手らがそうだ。しかしこの中で自ら捕手を辞めたいと言ってコンバートした選手はいたのだろうか。

筆者が記憶している限りでは、どの選手も監督主導でコンバートをしていたように思う。捕手としてプロに入ったからには、捕手というポジションにプライドを持っているはずだ。そのプライドを簡単に捨てられるような選手が1軍で結果を残せるはずなどない。

だが森捕手は捕手というポジションにプライドを持っているからこそ、「3番捕手」というポジションでリーグ屈指の打撃成績を残すことができている。

なかなか向上しないチーム防御率を見て、森捕手のリードが悪いからだという者もいるがこれも筋違いだ。渡辺久信GMが就任する前のライオンズは、毎年のようにエースやローテーションピッチャーを失っていた。こんな状況が続いてはチーム防御率を改善することなど不可能だ。

渡辺GMになってからは主戦級投手の流出はなく、逆にライオンズ愛を貫こうとする選手が増えてきた。だがこの成果も1年や2年という短期間で見えてくるものではない。見えてくるのは恐らくは来季以降となるだろう。

そしてこのチーム防御率が改善された時、無責任な一部スポーツ紙は森捕手が名捕手に近付いたと、また薄っぺらな記事を書くのだろう。

フェイクニュースに掻き乱された森友哉捕手

森捕手は、捕手としてはまだまだ完成形ではない。配球、キャッチングなどなど、捕手に関する技術は伊東勤捕手や細川亨捕手にはまだ及ばない。だがまだまだ伸び代があるのが現時点での森捕手であり、来季以降、森捕手は捕手としてさらに進化していくはずだ。

その森捕手を育成するためにも、ライオンズはそろそろ細川亨捕手をコーチとして呼び戻してもいいような気もするのだが、これはまだ先の話になりそうだ。筆者個人としては、試合前練習などでまたズンドコ節を聴けるのを楽しみにしている。

さて、森友哉捕手は強肩と呼べる捕手だと思う。だが今季の盗塁阻止率は.274と低く、リーグ4位というポジションだ。ではなぜ森捕手は肩が強いのに盗塁を刺せないのか?

もちろん投手陣のクイックモーションのレベルも関係してくるわけだが、それを差し引いても.274という数字は低い。その原因はスローイングモーションの大きさにある。

森捕手はどちらかと言えば、大きなモーションで強いボールを投げてしまっている。大きなモーションでも動きそのものは速いため見落とされがちだが、大きなモーションで強いボールを投げても盗塁阻止率を向上させることはできない。

実際にプロ野球選手のPop To Pop(捕手がキャッチングした瞬間から、ボールが二塁ベース上の野手のグラブに収まるまでのタイム)を計測してみると、大きなモーションで上から強く速いボールを投げた時よりも、コンパクトな動きのサイドハンドスローでできるだけ早くリリースした時の方が、Pop To Popは短くなる。

森捕手の盗塁阻止率を向上させるためには投手の協力を求める前に、まずは二塁送球時のモーションをコンパクトにすることが効果的だと思う。これは速く動くことよりも重要な要素だ。

森捕手は一般的なプロ野球選手よりも身長は低い。これを活かすべきだろう。身長が低いということは、キャッチングからサイドハンドスローでのリリースまで持っていくまでのタイムは、背が高い捕手よりも早くなる。ということは、物理的には170cmという同じ身長のホークス甲斐捕手とちゃんと勝負ができるはずなのだ。

だが盗塁阻止率では甲斐捕手の.452と森捕手の.274で、今季は大きく水を開けられている。この差を埋めるためにも森捕手は、送球モーションをもう少しコンパクトにすべきだろう。強肩だけに頼るのではなく、無駄なモーションを省いてPop To Popを短くできれば、.400近くの盗塁阻止率をマークできるはずだ。ちなみに2018年には森捕手は.373という盗塁阻止率をマークしている。

森捕手には、かつて細川亨捕手がマークした.469という盗塁阻止率をいつか越えてもらいたい。森捕手の捕手としての全盛期はまだまだこれからだ。プロ野球選手の全盛期は一般的には27歳からの3〜5年だと言われている。とするならば、森捕手の全盛期は来季から始まるということになる。

これから全盛期を迎えるのに、森捕手が涙ながらに捕手を辞めたいと訴えることなどそもそもあり得ない。勝てずに悔しくて涙を見せたことはあった。辛くて捕手を辞めたいと思ったことだってあっただろう。だが泣きながらコンバートを訴えることなどまず常識的にあり得ないし、本物の球団関係者であれば、選手の涙を売り物にするようなことは絶対にしない。

「球団関係者の話では」と書けば、「情報源は明かせない」と言えば裏が取れているか取れていないのかなど関係ない。好き勝手に書いて「報道の自由」を主張すればそれで終わってしまう。だがこれはただのゴシップであり、まったく報道などではない。

チームが来季の優勝に向けて必死に練習している今、こんなフェイクニュースでチームを掻き乱してもらいたくはない。このようなゴシップ紙に選手を取材させることは避けて欲しい。いや、取材させてもらえないからこそこのようなフェイクニュースを書くということなのだろうか。その辺りは筆者には分からない。

とにかく来季以降、森捕手は12球団屈指の捕手へと進化していくはずだ。来季の森捕手はその進化を以って、これがフェイクニュースだったと改めて証明してくれるはずだ。

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1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オリックス 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 7 0
西武 2 0 0 0 0 2 1 0 × 5 7 0

【継投】
平井克典〜ギャレット〜平良海馬〜増田達至

【ホームラン】
森友哉(2号)

観衆:9,517人、試合時間:2時間51分

らしさ全開のピッチングを披露してくれた平井克典投手

開幕3試合目の先発マウンドに登ったのは平井克典投手だった。ご存知のように平井投手は、今季から本格的に先発転向を果たしている。オープン戦でも良いピッチングを続けていたわけだが、開幕してからのこの本番でも、平井投手らしい素晴らしいピッチングを披露してくれた。

数字的には6イニングスで97球を投げて被安打6、四球2、失点0という内容だった。走者を溜める場面も何度か見られたわけだが、今日の平井投手のピッチングを見ていてとにかく感じたのは、低めへの制球に気をつけているという点だった。昨日の浜屋将太投手に関してはそれができずに失点を重ねてしまったわけだが、今日の平井投手の低めへの制球と、打者への意識付けは見事だった。ここが今季30歳になるという円熟味なのだろう。

バファローズの先発は、2019年・2020年と2年連続で開幕投手を務めていた山岡投手だった。厳しい試合になることも予想されたわけだが、森友哉捕手が初回からツーランホームランで援護してくれたこともあり、平井投手も非常に楽な気持ちで投げられているように見えた。こうして改めて見ていると、やはり野球では先制点が大事なのだなと実感する。

剛球以上に魅力的でクレバーな平良海馬投手のピッチング

先発した平井投手も素晴らしかったわけだが、7回以降を継いで行ったリリーバーたちのピッチングもまた見事だった。ギャレット投手はソロホームランを浴びてしまったわけだが、ギャレット投手に関してはまだ本調子とは言えない。やはりコロナウィルスの影響で来日が遅れ、チームへの合流も遅くなってしまったことが調整不足に繋がっているのだろう。ギャレット投手に関しては、4月中はオープン戦のつもりで徐々に調子を上げて行ってもらえれば良いと思う。

三番手の平良海馬投手に関しては、今日はシンカーが非常に良かった。パ・リーグTVの中継ではチェンジアップと紹介されていたのだが、もしかしたらチェンジアップなのだろうか。だが筆者の目には、握り方も軌道もシンカーであるように見えた。このボールがスライダーとの相乗効果を生み、バッターに的を絞らせることがなかった。平良投手は剛球に頼るだけではなく、非常にクレバーなピッチングを見せてくれる。

森捕手のサインにも首を振って、しっかりと自分が投げたいボールを投げている。最近は配球はすべて捕手任せという投手も多い中、自分が投げたいボールをしっかりと考えながら投げられる平良投手は非常に素晴らしいと思う。配球がすべて捕手任せだと、捕手の頭脳1つで配球を組まなければならず、その捕手の癖が読まれてしまうと的も絞られやすい。だが平良投手のようにバッテリーで協力して配球を組んでいける場合、頭脳を2つを使うことができる分、相手としても癖を読んだり、的を絞ることが難しくなる。そういう意味でも平良投手の姿勢は素晴らしいと思う。

マウンドでの貫禄が違う増田達至投手

そして最終回のマウンドに登ったのは増田達至投手だったわけだが、マウンドで投げる姿を見ていても貫禄が違う。さすがは昨季無敗の守護神だ。最終回をわずか10球で三者凡退に抑え、バファローズに付け入る隙を与えなかった。

セーブが付く場面ではなかったが、明日月曜日は試合がないことと、火曜日からの試合は2連戦であることを踏まえ、肩が軽くなりすぎないように今日は4点差でもそのままマウンドに登ったのだろう。増田投手がマウンドに登ると本当に安心感が漂う。まるで約20年前、豊田清投手が守護神として最終回のマウンドに登った時のような雰囲気だ。ファン目線だけではなく、相手チームからしても増田投手がマウンドに登った時点で試合終了という雰囲気になってしまうのではないだろうか。

打つべき人にヒットが出始めてきた打線

バッティング面では、打つべき人にヒットが出始めている。オープン戦からあまり芳しくない打率が続いていた源田壮亮主将も、開幕3試合目にして打率を.300まで乗せてきた。このままシーズンが終わるまで.300を切らずに行ってもらいたいわけだが、もちろんそう簡単ではないだろう。だが源田主将には守備面だけではなく、バッティングでも注目される選手になっていってもらいたい。

中村剛也選手 も開幕に間に合うかどうか不安視されていたのが嘘だったかのように、しっかりと良いところでヒットを打ってくれている。今日の3打席目でも2-0だったスコアを4-0にし、一気に投手陣を楽にしてくれる一打を放ってくれた。この2点があったことで、ブルペン陣もそれぞれリラックスしてマウンドに登って行けたはずだ。

捕手としては成長中も、打者としては一流とも言える森友哉捕手

そしてやはり書かなければならないのは森友哉捕手の初回のツーランホームランだろう。打率こそまだ.222に留まっているが、しかしバッティングの状態は決して悪くはない。ボールも良く見えているような見送り方を見せているし、バットも良く振れている。バファローズの投手陣も森投手に対しては最大限のケアを見せてきたため、ヒットの本数こそ増やすことはできなかったが、しかし今後相手投手の失投気味のボールが増えてくれば、森捕手の打率もグングン上がっていくはずだ。

ライオンズ史上で、ここまでバッティングが良かった捕手というのもいないのではないだろうか。伊東勤捕手もここまでは打てなかったし、高木大成捕手や和田一浩捕手はすぐにコンバートされてしまった。他球団としては何を懸念していたのだろうか。身長だろうか。筆者個人としては、森捕手がドラフトで単独指名だったことが未だに信じられない。4〜5球団での競合になっても不思議ではない高校生だったと今でも思っている。

捕手としてはもちろんまだまだ成長過程だ。キャッチングの技術にしても、例えば細川亨捕手、野田浩輔捕手、炭谷銀仁朗捕手らと比べるとまだまだ発展途上だ。そして盗塁を企画された際の二塁送球時のスローイングに関しても決して速くはない。まずフォームが未だに大きいことが気になる。スポーツ科学的には、大きいフォームで強いボールを投げた時よりも、サイドハンドスローで素早くリリースして行った時の方がボールが二塁に到達する時間は短くなるということが明らかになっている。これはPop to Popを計測すれば明らかだ。

だが森捕手の場合、この3連戦での二塁送球を見ていてもまだまだスローイングアームの動きがコンパクトではなく、オーバーハンドスローに近いフォームで投げている。森捕手は基本的には強肩だ。普通に投げるだけでも非常に強い送球を投げることができる。だが大きなフォームで強いボールを投げても盗塁阻止率を上げることはできない。

例えば2020年の盗塁阻止率リーグ1位はイーグルスの太田捕手で.333、森捕手はリーグ3位で.312だった。.312でも決して悪い数字ではないのだが、しかし細川亨捕手はライオンズ時代に盗塁阻止率.469という数字を残している。この数字を目の当たりにしてきた筆者からすると、.312でも.333でも非常に低く見えてしまうのだ。

このような数字を見るだけでも、森捕手はキャッチャーとしてはまだまだ発展途上であることがよく分かる。だがバッティングに関しては文句のつけようがない。すでに首位打者に輝いているし、今季も僅か3試合で2本塁打を放っている。しかも2本とも甘いボールを打ったわけではなく、内角低めの非常に難しいボールをスタンドまで運んでいるのだ。これは運だけでできるバッティングではない。

1本目のホームランを打った際、森捕手は「空振りしたかと思った」とコメントしているのだが、これはまさに森捕手がホームランアーチストになった証だ。ボールにバックスピンをかける打ち方で打球を上げられるようになると、インパクトの手応えがほとんどなくなることが多くなる。本当に空振りしたのかという感覚になるのだ。

筆者は以前、仕事で中村剛也選手の動作分析をさせてもらったことがあるのだが、中村選手も同じようなことを言っていたことがある。良い打ち方ができた時は一瞬空振りしたかと思うほど手に手応えを感じないのだが、ボールは高々と舞い上がりスタンドインしていく。逆に力んだり、上半身主体のバッティングになってしまった時は手に残るインパクトの衝撃が強くなる。

今最も三冠王に近いバッターは森友哉捕手である、と筆者は2月に書いたのだが、その判断は間違ってはいなかったと確信している。もちろん今年いきなり三冠王になれるほど三冠王という称号は身近なタイトルではないわけだが、しかし近い将来、森友哉捕手が三冠王を獲得する可能性は決しては低くはないだろう。

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1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
西武 3 0 0 0 0 0 0 3
阪神 1 1 0 1 0 0 3

【継投】
髙橋光成〜平良海馬

髙橋光成投手がエースになるためにはQSだけでは不足

この試合先発マウンドに登ったのは開幕投手を務める予定の髙橋光成投手だった。だが最終的に7回降雨コールドで引き分けとなったこの試合、試合前からも雨が降ったり止んだりしていたのだろうか、もしかしたらマウンドが少し緩かったのかもしれない。足元が緩いマウンドではもちろんベストピッチすることは難しいし、いつも以上に踏ん張って投げなければならない分スタミナの消耗も激しくなる。そう考えると、5回3失点でよくまとめてくれたなと評価すべきなのだろう。

5回3失点と言うと数字的には非常に平凡な物だが、しかしこれが6回3失点となると、一応QSはクリアという形になる。マウンドが緩い状態だし、雨でボールが濡れてしまうこともあっただろう。そんな状況であってもしっかりと試合を組み立ててくれたというのは、これはエースの姿であると見てあげて良いのではないだろうか。

もちろん髙橋投手自身は、これまでエースとしての数字を残せたことはまだない。2019年には10勝6敗という数字で優勝に大きく貢献したわけだが、しかし防御率は4.51で、どちらかと言えば山賊打線の破壊力によって勝たせてもらったと言う方が正しい。だが今季は同じ二桁勝利をマークしていくにしても、4.51というような防御率に沈むことはないのではないだろうか。

さて、6回3失点であればQSはクリアと上述したわけだが、QSというのはエースが目指す記録ではないというのが筆者の考えだ。その理由は6回3失点だと防御率は4.50になるからだ。これはエースの数字とは言えない。エースであれば最低6回2失点という数字が必要で、これでも防御率は3.00だ。だがこれが7回2失点となると防御率は2.57となり、ようやくエースの数字となる。

髙橋投手には名実ともにライオンズのエースとなってもらいたい。そしてそのために目指すべき数字は6回3失点ではなく、最低限7回2失点を続け、月に1〜2回は135球程度で完投してブルペンを休ませられる投手になってもらいたい。これこそがエースの姿であると筆者は考えている。

だがオープン戦ここまでの髙橋投手のマウンド捌きは実に落ち着いている。自信を持ってボールを投げることができているのだろう。そのため髙橋投手のピッチングを見ていても安心感が漂っている。このような姿を見せ続けられれば、今季はシーズンを通してまったく大崩れしないピッチャーになれるのではないだろうか。

大阪桐蔭時代の相棒、森友哉捕手vs藤浪晋太郎投手

さて、この試合最も注目されたのはやはり森友哉捕手と藤浪晋太郎投手の、大阪桐蔭高校でバッテリーを組んでいたこの二人の対戦だろうか。筆者ももちろん注目していたわけだが、結果的には2打席対戦して二塁打と四球という内容だったため、森捕手の勝ちということになる。

しかし藤浪投手も森捕手に対し非常に良いボールを投げていたと思う。二塁打を打たれた初回、初球は外角いっぱいのストレートでファール。藤浪投手の力のあるストレートがここに決まれば、当てられてもなかなか前には飛ばないだろう。そして2球目は高めのボール球で、3球目は低めの力強いストレートだった。コースはやや真ん中付近だったと思うが、低めに制球された非常に良いボールだったと思う。

だがそのボールを上手くレフト方向に弾き返した森捕手のスウィングの方が一枚上手だった。やや擦り気味のバッティングのようにも見えたのだが、今季森捕手が取り組んでいる打ち方で、スピンがよくかけられた打球だった。そのためインパクトの見た目以上に飛距離が伸び、注目のルーキー佐藤輝明選手の頭上を越えるレフトへの大飛球となった。

今季、森捕手はこのような大飛球をスタンドインさせるシーンを何度も見せてくれるのではないだろうか。昨季までの森捕手はギャップヒッター(右中間・左中間を破る二塁打を多く打てるバッター)というタイプだったが、今季はホームランアーチストとしての打球をもうすでに何度も見せてくれている。

バッティングのコンディションとしては仕上がっていると思うのだが、今取り組んでいるバッティングはまだ完成とは言えないだろう。だが今後この打ち方がもっと馴染み、もっと上手く打球にスピンをかけられるようになれば、森捕手は簡単に3割30本という数字をオーバーしていくだろうし、スウィングによりどこかを痛めるリスクも減らせるはずだ。

背番号10を背負った打てる捕手と言えば、森捕手は高木大成選手の系譜を辿っているわけだが、数字的にはもう高木大成選手を超えているとも言える。大成選手は怪我に泣かされてしまったわけだが、森捕手には今後も怪我なく、山賊の一員として力強くライオンズを牽引してもらいたい。

森友哉

森友哉捕手が今日、発熱によりキャンプを欠席した。発熱と言っても微熱らしく、皮膚科の診断を受けると傷口から細菌が入ってしまったことが原因のようだ。プロ野球選手のように鍛え抜かれていてもこのようなことは起こってしまうものだ。

ライオンズの春季キャンプの特徴は、12球団のどこよりも実戦開始が遅いということだ。他球団はすでに対外試合を組んでいるところも多いわけだが、ライオンズに関しては今日2月16日になってようやく紅白戦を行ったという段階だ。

これは南郷という、近くに他球団のキャンプ地がないということも影響しているわけだが、しかし言い換えればライオンズはどこよりも多く練習しているということにもなる。

紅白戦が始まるという段階で起こってしまった森捕手の小さなトラブルであるわけだが、タイミングが今で本当に良かったと思う。もしライオンズがすでに対外試合を組んでいたら、もう少し難しい状況になっていただろう。

だがまだ紅白戦ということで、レフトには球団スタッフの國場翼バッティングピッチャーが入り、試合は6イニング制の変則で行われた。そしてここでは今季覚醒が期待される今井達也投手が非常に良いピッチングを見せてくれたようだ。

捕手層が決して厚くはないライオンズ

さて、話を森捕手に戻すと、シーズン中であってもこのような事態が起こらないとも限らない。例えば森捕手がシーズン中に体調を崩したり、怪我をしてしまうこともあるだろう。そんな時他の捕手がどれだけこの穴を貪欲に狙っていくことができるかだ。

ライオンズの捕手層は決して厚くはないし、経験豊富なベテラン捕手が縁の下で控えているわけでもない。もちろん柘植世那捕手のように将来が期待されている若手捕手もいるわけだが、森捕手をベンチに追いやれるほどの存在感はまだない。

だが今このように森捕手にトラブルが発生した時、二番手以降の捕手たちはいつも以上にレギュラーを奪取するために気持ちを燃やしていかなければならない。もちろん普段から燃えていなければならないわけだが、しかしこのように森捕手にトラブルが起こった時は尚更燃えていかなければならない。

現状、森捕手のレギュラーの座を脅かす存在の捕手はライオンズにはいない。すると森捕手も無意識のうちにどこか安心してしまうようになり、成長速度が鈍ってしまうことだってありうるかもしれない。だが下からの突き上げが激しければ、森捕手自身の、さらに成長していかなければならないという自覚も強くなる。

黄金時代のライオンズは伊東勤捕手を育て上げるために、次から次へと捕手を補強して行った。この補強により伊東捕手の心に火が灯り、誰よりも厳しい練習を続け、球界を代表する名捕手へと成長して行った。

森捕手にもそうなって欲しい。物凄く打つけど捕手としてはNo.1ではない、ではなくて、打撃タイトルも獲り、捕手としても名捕手と呼ばれる選手へと進化して行ってもらいたい。

若手捕手は森捕手をコンバートさせるくらいの執念を見せろ!

そして森捕手が進化すれば、二番手以降もさらなる進化を目指さなければならない。このような状況を作っていくためにも、森捕手がダウンした今、他の捕手陣は目の色を変えて正捕手の座を狙っていく必要がある。それこそ森捕手をコンバートに追いやるような貪欲さや執念を見せてもらいたい。

現状、森捕手はまだまだ名捕手と呼べるレベルには至っていない。もちろんそうなっていく可能性は高いわけだが、しかし森捕手自身今季はまだ26歳になるシーズンだ。打撃では上回れなかったとしても、捕手としての能力ならばまだまだ森捕手と対等に競争できるレベルの捕手は何人かいるはずだ。その筆頭が柘植捕手だと言えるだろう。

ただし現時点では柘植捕手はB班にいるため、A班でと考えると牧野翔矢捕手、駒月仁人捕手、中熊大智捕手の3人ということになる。この3人はまだまだ戦いの中では影が薄い選手たちであるため、森捕手がダウンした今がまさにアピール時だ。

もちろん今回の発熱では、森捕手はすぐにキャンプに戻ってくるだろう。だがたった数日だったとしても、A班にいる他の3捕手にとったら大きなチャンスだ。存在感抜群の森捕手が不在の間にどんどんアピールをしていき、森捕手がのんびり休んでいられない状況にしていって欲しい。

とは言え森捕手はまずはしっかりと完治させることを最優先にして欲しいわけだが、森捕手の体調が良くなりキャンプに戻った時、森捕手が簡単に存在感を取り戻せないような状況を他の3捕手が作れていたなら、それが森捕手が今回発熱したことによる最高の結果であるとは言えないだろうか。

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今後ライオンズが新たな黄金時代を築き上げていくためには、森友哉捕手がもう一段階も二段階も上のレベルの捕手になっていかなければならない。森捕手の進化なくして、黄金時代の再来もないだろう。

では森捕手はどのような点で進化していくべきなのか?まず挙げなければならないのは守備力だろう。森捕手は2019年は9失策で捕手としてはリーグワーストだった。2020年は7個まで減らしたわけだが、しかし出場試合数で換算すると2019年は15試合に1個、2020年は14.9試合に1個という割合で、実質的には改善されていない。ちなみに2020年のホークス甲斐捕手は34.7試合に1個の割合で、森捕手の半分以下という少なさだった。

しかしこの守備力に関しては、森捕手も自主トレから春季キャンプにかけて徹底的にトレーニングしているようなので、今後は目に見えて改善されていくはずだ。

そして打撃に関しては、2019年はMVPを獲得するほどの大活躍だったわけだが、2020年はすべてにおいて数字を大幅に落としてしまった。しかしこれは対戦相手からのマークが厳しくなったことが大きく影響したと思われる。他球団からしてもさすがに優勝して首位打者を獲得した打者を、翌年ノーマークすることはない。他球団に徹底マークされたことにより数字を落としてしまったというのが2020年だった。

だが2021年は森捕手もその辺りはしっかりと対策してくるはずだ。2020年のデータはライオンズ側にも明確に出ているはずであり、そのデータは森捕手の頭にもすでに入っているはずだ。昨季はどのような攻められ方をして、どのように打ち取られたのか。そのプロセスと結果を上回る対策をすでにしているはずであり、バッティングに関しても今季は2020年のような数字にはならず、再び不動の3番打者としてチームを牽引してくれるだろう。

森友哉捕手が捕手としてさらに進化するために求められるもの

さて、ここまではあくまでも一般的なことを書いてきた。しかしここからは筆者独自の考えを書いていきたい。一体どうすれば森捕手は正捕手としてさらに進化できるのか?その答えは、投手を育てられる捕手になれるかどうかだ。

投手を育てる捕手、と書くだけではあまりにも曖昧であるわけだが、具体的には森捕手から投手に対しどれだけ要求を出せるか、ということだ。しかし要求とは決して配球のサインに関する話ではない。

例えば今井達也投手は何年間もなかなか殻を打ち破れずにいる。その今井投手に対し、正捕手の森捕手から見て勝てる投手になるためには一体何が必要なのか、ということを具体的かつ理論的に伝えられる捕手になれるかどうか、ということだ。

昨季の今井投手はカウントを不利にして失点を重ねてしまう場面が目立ったわけだが、制球力に関しては今井投手自身が磨いていかなければならない。森捕手が今井投手に伝えていかなければならないのは、例えば「こういう変化球があるともっと組み立てが楽になる」「ストレートの球速があと1〜2種類増えるとカウントを不利にする前に追い込みやすい」などの、具体的な捕手目線からの意見だ。

高校野球であれば投手のワンマンチームでも勝つことはできるが、プロ野球ではそのような野球は通用しない。どんなに素晴らしいピッチャーだったとしても、バッテリー間のコンビネーションが上手くいかなければ試合を組み立てることはできない。

捕手の役割は、投手に気持ち良く投げさせることだけではない。投手の自我を受け入れつつも、捕手としてどのようなボールがあると試合が組み立てやすくなるのか、ということをどんどん投手に伝えて意見交換していかなければならない。

ここで重要なのは捕手の意見を投手に押し付けるということではなく、あくまでも捕手目線でチームの勝利を優先させながら、理論的に意見を伝えることにより、投手が納得した上で森捕手の意見を受け入れやすくするというコミュニケーション能力だ。

そして適切なコミュニケーション能力には語彙力も必要となる。言葉を知らなければ適切なコミュニケーションを取ることも難しくなるため、森捕手は野球のトレーニングだけではなく、コミュニケーション能力を高めるためのさらなる努力も必要になってくるかもしれない。

森友哉捕手は捕手のままでも三冠王を目指せる

多くの野球評論家が、森捕手は打撃を活かすためにコンバートすべきだと言う。しかし筆者はそうは思わない。森捕手は捕手のまま主力打者の座を担い続けるべきだ。かつての野村克也捕手のように。

昨季までの森捕手のバッティングは、ボールの面をバットの面で叩いて弾丸ライナーを打っていくというスタイルだった。だが今季はこのスタイルを少し変えていくようだ。具体的にはバットにボールを乗せる感覚でボールにバックスピンをかけ、マグナス力によって飛距離をアップさせていくスタイルを目指しているらしい。つまりは中村剛也選手と同じスタイルだ。

森捕手は2019年の23本塁打が自己最多となるわけだが、打球にバックスピンをかけられる打ち方にシフトチェンジしていければ、これまでは大きな外野フライに終わっていた打球が次々のスタンドインしていくようになるだろう。すると40本塁打という数字も見えてくるかもしれない。

さらに付け加えると、打球にバックスピンをかけられる打ち方というのは、変化球が沈んでボールがバットの下に入った時、トップスピンをかけやすくなる。すると球足の速いゴロがあっという間に内野手の間を抜けていくようになる。

身長が高くない森友哉捕手の利点

身長が高くなく、さらに重心が非常に低いフォームで打つ森捕手のストライクゾーンの上下の幅に非常に狭い。投手としてはストライクゾーンが狭くなると非常に辛くなり、ボールが先行し出すとどうしても真ん中に集まりやすくなる。

そのような状況を作ることのできる森捕手は、他の打者以上に甘いボールだけを待ちやすい状況で打席に立つことができる。その結果安定したミート力を維持することができ、2019年に首位打者を獲った時のようにヒットを量産しやすくなる。

そこにさらにボールにスピンをかけられる技術が加われば、打率を残しながらも長打力をアップさせられるようになり、近い将来、三冠王を目指せるような数字を残すこともできるのではないだろうか。

近年ライオンズでは山川穂高選手が三冠王という言葉を使ったことがあるわけだが、筆者個人としては山川選手よりも、森捕手の方が三冠王に近いのではないかと考えている。

野村克也捕手は30歳になるシーズンに三冠王に輝いた。そして森捕手は今季まだ26歳で、これからいよいよ全盛期に突入していくような年齢であり、捕手としても打者としても今後さらに進化していくことができる。

だからこそ筆者は今思うのである。森友哉捕手は捕手として近い将来三冠王になるような選手になるだろう、と。

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近年のライオンズは、先発投手陣がなかなか揃わないということが続いている。この状況を鑑みると先発投手の補強が必要そうにも思えるが、筆者はそれ以上にベテラン捕手の存在が必要だと考えている。

いわゆるピッチャーを育てられるキャッチャーの存在が、近年のライオンズにはいないのだ。1軍で活躍する捕手と言えば森友哉捕手、岡田雅利捕手、柘植世那捕手あたりの名前になってくるわけだが、3人とも百戦錬磨というわけではなく、捕手としての経験値は決して高いとは言えない。

例えばライオンズがまだ常勝球団だった頃には伊東勤捕手と、FAで加入した中嶋聡捕手の2人の存在があった。伊東捕手に関しては言うまでもなくまさに百戦錬磨で、黄金時代のライオンズを知る名捕手だったわけだが、中嶋捕手にしても阪急とオリックスで曲者投手たちをリードしてきた、経験値抜群の捕手だった。

その中嶋捕手も2021年からはオリックスの正式な監督に就任されたわけだが、ライオンズ時代は松坂大輔投手ら、勢いのあるピッチャーをリードするのを得意としていた。巧みな配球で相手を翻弄する伊東捕手と、投手の勢いをそのまま試合に活かせる中嶋捕手、このベテラン捕手2人の存在があったからこそ、ライオンズは黄金時代の終焉後も大崩れすることなくAクラスを維持し続けることができた。

ライオンズは出血覚悟で百戦錬磨の捕手を補強すべき

チームの頭脳とも呼べる捕手をトレードで輩出したい球団も少ないわけだが、しかしライオンズとしては多少の出血を覚悟してでも百戦錬磨のベテラン捕手を補強すべきではないだろうか。

例えばファイターズの鶴岡慎也捕手はコーチ兼任の現役捕手で、2020年は18試合にしか出場していない。打席に立ったのも僅か17回だけだった。そして今季推定3,000万円というリーズナブルな年俸も魅力的だ。

森・岡田・柘植3捕手を起用しながら育てていくということも重要だが、鶴岡捕手のような百戦錬磨の捕手を連れてきて、その横で経験を伝えてもらいながら育成速度を速めていくことも必要だと思う。

ライオンズで捕手としての能力が高かった細川亨捕手や野田浩輔捕手などはまさに、伊東勤捕手と中嶋聡捕手の横で育った捕手たちだ。仮に鶴岡捕手をトレードで獲得したとしても、鶴岡捕手が試合に出続けることはできない。だが年に20〜30試合、試合の大勢が決まった場面で登場し、その経験値の高さを若手捕手たちに見せてくれるだけでも十分だと思う。

今ライオンズに必要なのは投手を育てられる捕手の存在

森捕手にしろ岡田捕手にしろ、まだまだ投手を育てられる捕手とは見られていない。森捕手などはまさに捕手としての経験値がまだまだ高くはなく、自分の捕手としての未熟さに悔し涙を見せることさえあるほどだ。この悔し涙を優勝への糧としていくためにも、抜群の経験値を持った百戦錬磨のベテラン捕手の存在がライオンズには必要だと思う。そしてそのようなベテラン捕手から様々なことを学ぶことにより、森捕手も投手を育てられる捕手へと成長していくことができるだろう。

ライオンズは今季から野田浩輔コーチが1軍バッテリー部門を担当することになったが、しかし野田コーチはあくまでもコーチだ。コーチに教わることと、現役捕手から学べることは大きく異なる。やはり森捕手は、現役ベテラン捕手の様を見ながら自らの捕手としての能力を高めていくべきだと筆者は感じている。

かつてホークスでは工藤公康投手が城島健司捕手を育て、城島捕手は投手を育てられる強打の捕手へと成長していった。だが今のライオンズには捕手を育てられる投手の存在もない。

捕手を育てられる投手、もしくは百戦錬磨のベテラン捕手の存在があれば森捕手をはじめとしたライオンズの捕手陣の急速なレベルアップに繋がり、そしてそのレベルアップが投手陣の底上げに繋がっていくはずだと筆者は確信している。

そのためにもライオンズは森友哉捕手を起用し続けることだけにより育てようとするのではなく、他球団からベテラン捕手を獲得するなり、ジャイアンツから炭谷銀仁朗捕手を取り戻すなりして、森捕手をあらゆる方向から育てていく環境を作ってあげることが必要だと思う。