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外崎修汰

チーム防御率が改善しても投打が噛み合わない皮肉

ペナントレースも佳境に突入している中、ライオンズはここに来て5連敗を喫している。8月末には首位に立っていたライオンズだが、今や順位は4位となり、5位マリーンズとの差も2ゲーム差まで差し迫ってきた。

今季ライオンズが勝ち切れていないのはやはり打線が奮わないことが大きな原因となっている。チーム防御率は12球団中2位という素晴らしい数字が出ているが、チーム打率は12球団中最下位となっている。

昨年までの打線は今季よりはましだったが、チーム防御率は悪かった。しかし今季はチーム防御率が改善し、今度は打線が湿り続けるという皮肉な結果になっている。

97〜98年の連覇時の打線はどうだったのか?

やはり大黒柱が安定しないチームは、安定した戦いをすることはできない。絶対的エース、守護神、名捕手、真の四番、リードオフマン。やはりこのあたりがしっかりしてこないチームは不安定な戦いが続く。

例えば2年連続で日本シリーズに進出した最後となっている1997〜1998年のことを思い出してみたい。まず絶対的エースとして西口文也投手の存在があり、1997年は守護神を固定できなかったものの前半戦は石井貴投手、後半は森慎二投手が守護神役を務めた。

そして正捕手には伊東勤捕手という牙城があり、四番には勝負強い繋ぎ役として鈴木健選手が打線を牽引し、マルちゃんことマルティネス選手が2年連続で30本塁打以上打っている。

1997〜1998年の連覇時の打線は、今季と比べると小粒の印象も否めないが、しかし打線としてはしっかりと機能していた。1番松井稼頭央選手、2番大友進選手、3番高木大成選手の俊足トリオは他球団の脅威となり、この3人で塁上を引っ掻き回しながら鈴木健選手とマルちゃんが打点をあげていくというスタイルが確立されていた。

ちなみに1997年の四番打者であった鈴木健選手は19本塁打で94打点を挙げたが、今季ここまでの山川穂高選手は39本塁打で84打点にとどまっている。この数字を見るだけでも、山川選手が勝負どころで打てていないことがよく分かる。

もちろん39本塁打というのは素晴らしい記録であるわけなのだが、しかし筆者個人は、この39本塁打は39本塁打という価値には至っていないと感じている。39本塁打も打てば、四番打者であれば軽く100打点は越えていて欲しいというのが筆者の望むところだ。

打線が線として機能しないシーズンが続く山賊打線

秋山翔吾選手を欠いて以来、ライオンズは1番打者さえ固定できずにいる。今季ライオンズの1番には13人が座っているのだが、1番打者の総合打率は.200少々という非常に寂しいものとなっている。

筆者個人としては、リードオフマンを確立できるまでは1番打者は源田壮亮主将一本で良いと思う。今季は出塁率は.322と安定しているし、条件が整えば盗塁数を伸ばすこともできる。実際ルーキーイヤーからは3年連続で30盗塁以上記録しているし、昨季は盗塁王のタイトルも獲得した。

源田主将を1番に固定した上で、2番打者として若手選手を英才教育したら良いと思う。若き日の栗山巧選手のように。2番という打順は野球を深く学べる打順で、栗山選手も2番を打つことで野球に益々精通していった。

1番片岡易之選手が出塁すると、栗山選手とアイコンタクトをしていつ走るのかを確認し合っていた。このふたりは抜群のコンビネーションでまず1〜2番だけでしっかりと線を描き、その線を3番中島裕之選手・4番ブラゼル選手や中村剛也選手へと繋げていった。前回日本一になった2008年もやはり、このように打線がしっかりと機能していた。

近年山賊打線と呼ばれているライオンズ打線だが、2年連続リーグ優勝をした2018〜2019年であっても、打線の機能性というと、それほど高くはなかったと筆者は見ていた。3番森友哉捕手や4番山川選手がガンガン打てばもちろん点は入るのだが、この二人が調子を落とすとチームの得点力は格段と下がってしまう。そしてその傾向は今なお続いている。

筆者はなぜいつも山川選手に厳しいことばかり書くのか?

山川選手は全打席ホームランを狙っていると公言している。これは本人がハッキリと言っているので間違いはないだろう。だがその姿勢は果たして四番打者として相応しいのだろうか。

例えばエンゼルスの大谷翔平選手とマイク・トラウト選手のコンビは、二人ともホームランは狙わずに打席に立っていると話している。「良いスウィングをすれば自ずとヒットやホームランにつながっていく」という考えで打席に立っている。だからこの二人はフォームが崩れることも少なくと、好不調の波も小さい。

一方の山川選手はホームランが出なくなると打率が急降下していく。これは「ヒットはホームランの打ち損ない」と考えている選手によくある傾向だ。そして森友哉捕手に関してもフォームを崩したスウィングを見せることが多い。

さて、ここでアレックス・カブレラ選手や、ホセ・フェルナンデス選手のことも思い出してみよう。彼らもホームランバッターでたくさんホームランを打ってきたわけだが、彼らの口癖は「ハードスウィング」だった。これは良いフォームでバットをボールに強くぶつけていく、というニュアンスの言葉なのだが、この二人であってもホームラン狙いのバッティングはしていなかったのだ。

山川選手にもそろそろ気がついて欲しい。四番打者はホームラン数が多ければ良いってものじゃないことを。もし山川選手が今後もホームラン狙いのバッティングを続けたいのであれば、四番打者としてではなく、6番や7番でやるべきだろう。そして4番には、チームバッティングをしながらもホームラン数を伸ばせる打者を座らせるべきだ。

ライオンズ打線が打線として機能していないのは、筆者は山川選手の思考に原因があると考えている。もし山川選手が常にホームラン狙いではなく、状況に応じたバッティングができるようになれば、他球団の四番打者たちのようにもっと尊敬される真の四番打者に進化することができるだろう。

筆者の記事を読んでくださる方は「この筆者はいつも山川選手に厳しい」と思っているかもしれない。しかしそれは山川選手が嫌いだからではない。山川選手が四番打者だからだ。もし山川選手が5〜6番を打っているのであれば、筆者も39本塁打を手放しで賞賛していたと思う。

だが山川選手自身4番にこだわりを持っており、実際に4番を打っている。だからこそ筆者は山川選手には自身の調子が悪くてもチームを勝利に導ける真の四番打者になってもらいたいと願っているのだ。

安定感を求められる年齢に差し掛かっている外崎修汰選手

そして腰痛で登録抹消となっていた外崎修汰選手も最短10日間で1軍に戻ってきた。外崎選手も辻発彦監督から期待を寄せられている選手ではあるが、バッティングの安定感というとかなり乏しい。

守備に関しては素晴らしいと思う。源田主将との二遊間でのコンビネーションも抜群だ。あとはバッティング安定感が鍵となるわけだが、筆者は外崎選手こそ2番打者として野球を学ばせたらどうかと思っていた。

だがその外崎選手も今年30歳で、今から育成という話ができる選手ではなくなってしまった。30歳であれば結果だけが求められることになる。

辻監督からは絶大な信頼を得ていたが、しかし将来監督が変われば今の打率ではレギュラーは白紙となってしまうだろう。流石に3年連続で打率2割台前半では、いくら守備力があってもレギュラーと呼ぶのは難しい。

外崎選手にしても30歳になるという年齢で、ここから大幅に飛躍することはあまり期待できない。現状では2019年がキャリアイヤーとなっており、それ以降の成績は下降線を辿り怪我も増えている。

将来チームの組閣が変わりトレード要員にされないためにも、外崎選手は守備だけではなく、バッティングでも安定感を見せなければいけない。もはや「光るものがある」という言葉に甘えてはいられない年齢だ。

とにかく30歳前後の選手に求められるのは安定感であるため、森捕手・山川選手・外崎選手の3人はそこにもう少しこだわりを見せるべきだろう。そうすれば山賊打線ももう少し繋がりを見せるようになり、こんなに頻繁に完封負け(今季ここまで18回)を見せられることも減るのではないだろうか。

外崎修汰

まだまだ進化の可能性を秘めている外崎修汰選手

平石洋平コーチの加入により、筆者が最も期待しているのは外崎修汰選手の再生だ。優勝した2018年は打率.287、2019年は90打点と素晴らしい活躍を見せてくれたわけだが、2020-2021年は怪我などもあり不本意な成績が続いている。

ちなみに90打点を挙げた2019年の打率は.274で、得点圏打率は.270だった。この打率で90打点を挙げられたということで、3年前の山賊打線にどれだけの破壊力があったのかがよく分かる。普通であれば.270という得点圏打率で90打点を挙げることは難しい。

外崎修汰選手は来季は30歳を迎えるシーズンになるわけだが、まだまだ完成された打者ではないように思える。外崎選手が新任打撃コーチの指導により再生されれば、ライオンズ打線の繋がりもまた出てくるだろう。

逆に外崎選手の復調が実現しなければ、来季のライオンズ打線も繋がりを欠くものになってしまうはずだ。外崎修汰選手のようにパンチ力もあって走れる打者の存在は、打線を繋げるためには非常に重要だ。

ライオンズ打線を立て直すという意味では、実は山川穂高選手の復調以上に重要だと言うこともできる。もちろん山川選手にも復調してもらわなければならないわけだが、得点圏打率が非常に低い山川選手よりも、チャンスを拡大できる外崎選手の存在が機能した方が、戦術面でも得点を挙げるためのバリエーションが増える。

理想を言えば外崎修汰選手が6番あたりで打率.290、20本塁打、25盗塁以上の成績を挙げられれば、チームの得点力をそれだけでも大幅にアップさせられるはずだ。

さまざまな意味を持つ外崎修汰選手の復調

今季は怪我に苦しんでしまった外崎選手ではあったが、万全な状態であれば源田壮亮主将との二遊間コンビが基本型となるはずだ。

だが今季は外崎選手が怪我をしている間、呉念庭選手らが躍動を魅せてくれた。外崎選手が来季も低調な場合、呉選手らがどんどん外崎選手のポジションを狙っていくだろう。

呉念庭選手に関しては、今季は4〜6月は絶好調で、5月の得点圏打率は.583という驚異的な数字をマークした。7月以降は初めてのレギュラーとしての戦いにより疲れが見え始め、成績は徐々に失速してしまう。だが呉選手の勝負強さは来季以降に非常に大きな期待を持つことができる。

足を絡めた攻撃は得意ではなさそうだが、しかし今オフの過ごし方次第では来季はクリーンナップの座を狙えるだけの可能性を秘めている。中村剛也選手の後継者として三塁に入る可能性も十分にあるだろう。

そんな呉念庭選手が虎視眈々とレギュラーを狙っているという状況では、二連覇に貢献した実績を持つ外崎選手ももううかうかしていることはできない。もし来季もダメならレギュラーの座さえ剥奪されてしまうだろう。

そのような危機感も外崎選手自身すでに感じているはずだ。だからこそ秋季キャンプでは打撃コーチの徹底サポートを受けながら打撃フォームの改良に勤しんでいた。

渡辺久信GMの言葉通り、今さら山賊打線の復活を目指す必要などない。新たな顔ぶれで、新たな強力打線を作り上げていけばいい。もちろん世間がそれを山賊打線と呼ぶのは良いことだと思う。だが選手たちはもう山賊と呼ばれた頃のことなど過去のものとして捉えているはずだ。

だからこそ外崎選手も過去を取り戻そうとするのではなく、新たな打撃フォームの進化を求めて秋季キャンプを過ごしていた。

5〜6番を打つであろう外崎選手が復調すれば、相手バッテリーはクリーンナップに対し簡単にボール球を投げられなくなる。するとクリーンナップがストライクゾーンで勝負してもらえる場面が増え、クリーンナップの破壊力をアップさせることもできる。

外崎選手の復調にはそのような効果もあるのだ。だからこそ筆者は、来季は誰よりもまずは外崎選手に復調してもらいたいと期待しているのである。

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ライオンズの今季の戦い方として最も気になる点の一つとして、1番打者が誰になるのかというものがある。最有力として考えれば二度盗塁王に輝いている金子侑司選手となるわけだが、しかし金子選手はシーズンを通して安定したバッティングを見せられたことがまだない。試合の序盤でチームを勢いづける役割を担うには、金子選手の過去の数字はやや心許ない。

金子選手はまずは下位打線という楽なポジションで打席に立ち、そこでバッティングの安定感を高め、盗塁数を伸ばしていくというのが役所としてはベストではないかと思われる。辻発彦監督は昨秋以来金子選手のバッティングに大きな期待を寄せているようだが、しかしこればかりはシーズンが始まってみなければわからない。キャンプで良かったとしても、シーズンでも良いとは限らないからだ。

例えば金子選手が7番に入り、イニングの先頭打者として出塁して盗塁し、8番で送り、一死三塁で9番木村文紀選手に返してもらうというシナリオを描くこともできる。近年のライオンズはクリーンナップを2つ打線に並べる戦術を敷くことが多かったが、1〜3番の流れをもう一つ、7〜9番に置くというのも相手からすれば嫌な打線だ。

バッテリーからすれば7〜9番を迎えた時は少し落ち着きたいと思うわけだが、そこで7番金子選手が出塁して塁上を引っ掻き回せば、仮に8〜9番が倒れたとしてもバッテリーは息を抜けなくなる。そして息切れした状態でまた上位打線を迎えなければならなくなり、2巡目以降を抑えることがますます難しくなっていく。

バッティング面でまだ安定した成績を残したことのない金子選手は、まずはこれくらいのところで楽に打席に立たせてあげた方が良い打率を残せるようになるのではないだろうか。

守備でも打線でもコンビを組んでもらいたい外崎修汰選手と源田壮亮主将

では誰が1番を打つのかという話になった時、筆者の頭に浮かぶのは外崎修汰選手の名前だ。外崎修汰選手はバッティングでもそこそこ安定した成績を残している。出塁率も.350台を残すことができるし、30盗塁を狙える走力もある。

そして何よりも二遊間、1・2番の両方で源田壮亮選手とコンビを組めるということが大きなプラスになると思う。このコンビが攻守の両方で機能するようになれば、ライオンズの戦い方にもさらなる安定感が生まれてくるだろう。

近年のライオンズの戦い方に安定感はなかった。勝てる時は勝てるのだが、負ける時はあっさりと負けることも多かった。特に昨季あっさり負けていたような試合を、今季は対等な内容で戦えるようになれば、辻監督も優勝までの星勘定を非常にやりやすくなるだろう。

そして今、ライオンズで最もトリプルスリーに近いのは外崎修汰選手だと筆者は考えている。もちろん外崎選手はこれまで一度も3割、30本塁打、30盗塁のどれも記録したことがないわけだが、それぞれそこに近い数字を残したという実績はある。

今季は29歳とまさに脂が乗り切っている年齢であるため、まだ若々しいフィジカルと、30歳を手前にした技術力の高さが噛み合ってくれば、外崎選手が今季トリプルスリーを達成する可能性は決して低くはないだろう。

バッティングにおいては便利屋を卒業したい外崎修汰選手

だがトリプルスリーを達成するためには、打順がコロコロと変わってしまうのはあまり良くない。1番なら1番で固定し、どっしりと腰を据えて打席に立てる環境を首脳陣が作ってあげなければならない。

確かに外崎選手は内外野を守れるユーティリティプレイヤーであるわけだが、バッティングでまで便利屋になる必要はないと思う。そして30歳を手前にした主力打者に対し、バッティングでもユーティリティを求めていくのは少し失礼な気もする。

このような筆者の思いからも、外崎選手にはぜひ今季は不動の1番セカンドとして打線を牽引してもらいたい。そして背番号5の1番セカンドといえば、ライオンズファンにとってはやはり辻発彦選手の存在だ。今季の外崎選手には辻監督を超える二塁手として山賊打線を牽引して行ってもらいたい!

2020年11月05日(金) 東北楽天vs埼玉西武23回戦

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好調の外崎選手が呼び込んだ岸投手からの甘いボール

11月に入り、外崎選手の状態が本当に上がっている。今日の試合も、1打席目は四球、2打席目は三振だったわけだが、筆者が注目したいのは3打席目の二塁打だった。二死一塁で、一塁走者は俊足の源田選手。岸孝之投手の初球は低めに決まるチェンジアップだった。ボール球にはなったが、非常に良いボールだったと思う。いわゆる「岸チェ」と呼ばれるほとんどシュートしないチェンジアップで、非常に打ちにくいボールだ。これが仮に低めのストライクゾーンに行っていたとしても、簡単に打つことはできなかっただろう。

そして2球目、3球目は、初球チェンジアップで低めに外崎選手の意識を持っていっていたこともあり、2球続けて高めにストレートを投げ込んできた。2球目はファールとなり、3球目は内角高めのボールゾーンで、ここで源田選手が盗塁を成功させる。カウントはこれで2-1。外崎選手の状態が上がっていることは、当然岸投手の頭の中にもあったはずだ。ボール先行になったからといって、ここで不用意にストライクを取りにいくことはできない。

楽天バッテリーが選んだ4球目は外角低めいっぱいの、わずかにストライクゾーンを外れたカーブだった。これでカウントは3-1となる。この時点でイーグルスは3点リードしていたため、岸投手の頭の中には1点は仕方ないという考えもあったはずだ。そして気をつけたいのは四球によって下手に走者を溜めてしまうことだ。3点差のこの場面、下手に四球で走者を溜めてしまうよりは、しっかりと勝負をしにいって打たれてしまった方が後に引きずらずに済む。

そこでイーグルスバッテリーが選んだのは4球目のカーブ同様、外角低めへのストレートだった。これがファールとなりカウントは3-2となる。この時点で外崎選手の頭の中は次は変化球が来るという考えが強くなったはずだ。この打席、チェンジアップもカーブもしっかりと低めに決められていたからだ。配球的には、イーグルスバッテリーは4球目のカーブで仕留めたかったはずだ。外崎選手も打席でそう感じていたと思う。4球目はボールにはなったが、申し分のないコースへのカーブだった。

3-2というカウントで、恐らく外崎選手は外角へのカーブを予測したのではないだろうか。もちろんフルカウントであるため、カーブだけに的を絞ることはできないわけだが、しかし最後の球の打ち方を見る限り、カーブを予測していたようなスウィングだったように見えた。だが岸投手が投じたのは外角、やや甘い高さへのストレートだった。高さ的には中途半端なボールになり、この打席では最初の甘い球だったと思う。

外崎選手は完全にタイミングを外され、スウィングとしてはかなり振り遅れてしまった。遅いボールを待っていたところに来た142kmのストレートだったため、それも当然だろう。だが外側に意識を持っていたことが外崎選手にとっては幸運だった。タイミングはかなり振り遅れたが、外角に甘い高さのボールを投げて来てくれた。失投とまでは言えないが、最後の最後で岸投手が投げてしまった甘いボールだった。

そのストレートを外崎選手はライト線ギリギリのところへ弾き返した。もし1ヵ月前の不調時の外崎選手であれば、最後に甘い球が来ることはなかっただろう。恐らくは早いカウントで見逃したボールが甘かった、というパターンになっていたはずだ。よく「投打が噛み合う」という表現を使うが、打席でも噛み合う、噛み合わないということがある。この打席の外崎選手は、見逃したボールと振りに行ったボールが、スウィング上でしっかりと噛み合っていた。つまり見逃したボールはしっかりとボールになり、振りに行ったボールが甘く入ってくるパターンだ。打者にとってこのような形で噛み合い出すと、調子はどんどん上がっていく。

この試合、ライオンズは結果的に敗れてはしまった。しかし岸投手のピッチングが素晴らしく、2失点の完投勝利だったのだ。ライオンズが低調だったわけではなく、今夜の試合に関しては岸投手が上回っていたというだけだ。もし岸投手が6回か7回でマウンドを降りていたら、恐らくライオンズ打線は逆転していただろう。だがイーグルスの三木監督は、今はブルペン陣よりも岸投手を続投させた方が確率が高いと見たようで、結果的に35歳のベテランに123球も投げさせた。恐らく岸投手にとっては、今夜の登板が今季最終登板だったこともあるのだろう。

筆者個人としては、6回の外崎選手と岸投手の対戦は本当に見応えがあったと思う。仮に最後のストレートがあとボール1個分低ければ、結果は違っていただろう。だが外崎選手の好調さと、しっかりと噛み合ったバッティングが岸投手に最後に甘い球を投げさせてしまった。そして今夜の試合で外崎選手の11月の打率は.428まで上がってきた。

今夜の敗戦によりライオンズはマリーンズと同率2位という形に後退してしまったが、しかし外崎選手がこれだけ好調であれば、先発投手がしっかりと試合を作ることさえできれば、2位を死守できる可能性は非常に高いと思う。明日の先発は今井投手のレギュラーシーズン最終登板となるわけだが、今季は全体的に不甲斐ない内容となってしまった分、最後の先発は何としてでもCSに繋がる今季最高のピッチングを披露してもらいたい!