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外崎修汰

まだまだ進化の可能性を秘めている外崎修汰選手

平石洋平コーチの加入により、筆者が最も期待しているのは外崎修汰選手の再生だ。優勝した2018年は打率.287、2019年は90打点と素晴らしい活躍を見せてくれたわけだが、2020-2021年は怪我などもあり不本意な成績が続いている。

ちなみに90打点を挙げた2019年の打率は.274で、得点圏打率は.270だった。この打率で90打点を挙げられたということで、3年前の山賊打線にどれだけの破壊力があったのかがよく分かる。普通であれば.270という得点圏打率で90打点を挙げることは難しい。

外崎修汰選手は来季は30歳を迎えるシーズンになるわけだが、まだまだ完成された打者ではないように思える。外崎選手が新任打撃コーチの指導により再生されれば、ライオンズ打線の繋がりもまた出てくるだろう。

逆に外崎選手の復調が実現しなければ、来季のライオンズ打線も繋がりを欠くものになってしまうはずだ。外崎修汰選手のようにパンチ力もあって走れる打者の存在は、打線を繋げるためには非常に重要だ。

ライオンズ打線を立て直すという意味では、実は山川穂高選手の復調以上に重要だと言うこともできる。もちろん山川選手にも復調してもらわなければならないわけだが、得点圏打率が非常に低い山川選手よりも、チャンスを拡大できる外崎選手の存在が機能した方が、戦術面でも得点を挙げるためのバリエーションが増える。

理想を言えば外崎修汰選手が6番あたりで打率.290、20本塁打、25盗塁以上の成績を挙げられれば、チームの得点力をそれだけでも大幅にアップさせられるはずだ。

さまざまな意味を持つ外崎修汰選手の復調

今季は怪我に苦しんでしまった外崎選手ではあったが、万全な状態であれば源田壮亮主将との二遊間コンビが基本型となるはずだ。

だが今季は外崎選手が怪我をしている間、呉念庭選手らが躍動を魅せてくれた。外崎選手が来季も低調な場合、呉選手らがどんどん外崎選手のポジションを狙っていくだろう。

呉念庭選手に関しては、今季は4〜6月は絶好調で、5月の得点圏打率は.583という驚異的な数字をマークした。7月以降は初めてのレギュラーとしての戦いにより疲れが見え始め、成績は徐々に失速してしまう。だが呉選手の勝負強さは来季以降に非常に大きな期待を持つことができる。

足を絡めた攻撃は得意ではなさそうだが、しかし今オフの過ごし方次第では来季はクリーンナップの座を狙えるだけの可能性を秘めている。中村剛也選手の後継者として三塁に入る可能性も十分にあるだろう。

そんな呉念庭選手が虎視眈々とレギュラーを狙っているという状況では、二連覇に貢献した実績を持つ外崎選手ももううかうかしていることはできない。もし来季もダメならレギュラーの座さえ剥奪されてしまうだろう。

そのような危機感も外崎選手自身すでに感じているはずだ。だからこそ秋季キャンプでは打撃コーチの徹底サポートを受けながら打撃フォームの改良に勤しんでいた。

渡辺久信GMの言葉通り、今さら山賊打線の復活を目指す必要などない。新たな顔ぶれで、新たな強力打線を作り上げていけばいい。もちろん世間がそれを山賊打線と呼ぶのは良いことだと思う。だが選手たちはもう山賊と呼ばれた頃のことなど過去のものとして捉えているはずだ。

だからこそ外崎選手も過去を取り戻そうとするのではなく、新たな打撃フォームの進化を求めて秋季キャンプを過ごしていた。

5〜6番を打つであろう外崎選手が復調すれば、相手バッテリーはクリーンナップに対し簡単にボール球を投げられなくなる。するとクリーンナップがストライクゾーンで勝負してもらえる場面が増え、クリーンナップの破壊力をアップさせることもできる。

外崎選手の復調にはそのような効果もあるのだ。だからこそ筆者は、来季は誰よりもまずは外崎選手に復調してもらいたいと期待しているのである。

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ライオンズの今季の戦い方として最も気になる点の一つとして、1番打者が誰になるのかというものがある。最有力として考えれば二度盗塁王に輝いている金子侑司選手となるわけだが、しかし金子選手はシーズンを通して安定したバッティングを見せられたことがまだない。試合の序盤でチームを勢いづける役割を担うには、金子選手の過去の数字はやや心許ない。

金子選手はまずは下位打線という楽なポジションで打席に立ち、そこでバッティングの安定感を高め、盗塁数を伸ばしていくというのが役所としてはベストではないかと思われる。辻発彦監督は昨秋以来金子選手のバッティングに大きな期待を寄せているようだが、しかしこればかりはシーズンが始まってみなければわからない。キャンプで良かったとしても、シーズンでも良いとは限らないからだ。

例えば金子選手が7番に入り、イニングの先頭打者として出塁して盗塁し、8番で送り、一死三塁で9番木村文紀選手に返してもらうというシナリオを描くこともできる。近年のライオンズはクリーンナップを2つ打線に並べる戦術を敷くことが多かったが、1〜3番の流れをもう一つ、7〜9番に置くというのも相手からすれば嫌な打線だ。

バッテリーからすれば7〜9番を迎えた時は少し落ち着きたいと思うわけだが、そこで7番金子選手が出塁して塁上を引っ掻き回せば、仮に8〜9番が倒れたとしてもバッテリーは息を抜けなくなる。そして息切れした状態でまた上位打線を迎えなければならなくなり、2巡目以降を抑えることがますます難しくなっていく。

バッティング面でまだ安定した成績を残したことのない金子選手は、まずはこれくらいのところで楽に打席に立たせてあげた方が良い打率を残せるようになるのではないだろうか。

守備でも打線でもコンビを組んでもらいたい外崎修汰選手と源田壮亮主将

では誰が1番を打つのかという話になった時、筆者の頭に浮かぶのは外崎修汰選手の名前だ。外崎修汰選手はバッティングでもそこそこ安定した成績を残している。出塁率も.350台を残すことができるし、30盗塁を狙える走力もある。

そして何よりも二遊間、1・2番の両方で源田壮亮選手とコンビを組めるということが大きなプラスになると思う。このコンビが攻守の両方で機能するようになれば、ライオンズの戦い方にもさらなる安定感が生まれてくるだろう。

近年のライオンズの戦い方に安定感はなかった。勝てる時は勝てるのだが、負ける時はあっさりと負けることも多かった。特に昨季あっさり負けていたような試合を、今季は対等な内容で戦えるようになれば、辻監督も優勝までの星勘定を非常にやりやすくなるだろう。

そして今、ライオンズで最もトリプルスリーに近いのは外崎修汰選手だと筆者は考えている。もちろん外崎選手はこれまで一度も3割、30本塁打、30盗塁のどれも記録したことがないわけだが、それぞれそこに近い数字を残したという実績はある。

今季は29歳とまさに脂が乗り切っている年齢であるため、まだ若々しいフィジカルと、30歳を手前にした技術力の高さが噛み合ってくれば、外崎選手が今季トリプルスリーを達成する可能性は決して低くはないだろう。

バッティングにおいては便利屋を卒業したい外崎修汰選手

だがトリプルスリーを達成するためには、打順がコロコロと変わってしまうのはあまり良くない。1番なら1番で固定し、どっしりと腰を据えて打席に立てる環境を首脳陣が作ってあげなければならない。

確かに外崎選手は内外野を守れるユーティリティプレイヤーであるわけだが、バッティングでまで便利屋になる必要はないと思う。そして30歳を手前にした主力打者に対し、バッティングでもユーティリティを求めていくのは少し失礼な気もする。

このような筆者の思いからも、外崎選手にはぜひ今季は不動の1番セカンドとして打線を牽引してもらいたい。そして背番号5の1番セカンドといえば、ライオンズファンにとってはやはり辻発彦選手の存在だ。今季の外崎選手には辻監督を超える二塁手として山賊打線を牽引して行ってもらいたい!

2020年11月05日(金) 東北楽天vs埼玉西武23回戦

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好調の外崎選手が呼び込んだ岸投手からの甘いボール

11月に入り、外崎選手の状態が本当に上がっている。今日の試合も、1打席目は四球、2打席目は三振だったわけだが、筆者が注目したいのは3打席目の二塁打だった。二死一塁で、一塁走者は俊足の源田選手。岸孝之投手の初球は低めに決まるチェンジアップだった。ボール球にはなったが、非常に良いボールだったと思う。いわゆる「岸チェ」と呼ばれるほとんどシュートしないチェンジアップで、非常に打ちにくいボールだ。これが仮に低めのストライクゾーンに行っていたとしても、簡単に打つことはできなかっただろう。

そして2球目、3球目は、初球チェンジアップで低めに外崎選手の意識を持っていっていたこともあり、2球続けて高めにストレートを投げ込んできた。2球目はファールとなり、3球目は内角高めのボールゾーンで、ここで源田選手が盗塁を成功させる。カウントはこれで2-1。外崎選手の状態が上がっていることは、当然岸投手の頭の中にもあったはずだ。ボール先行になったからといって、ここで不用意にストライクを取りにいくことはできない。

楽天バッテリーが選んだ4球目は外角低めいっぱいの、わずかにストライクゾーンを外れたカーブだった。これでカウントは3-1となる。この時点でイーグルスは3点リードしていたため、岸投手の頭の中には1点は仕方ないという考えもあったはずだ。そして気をつけたいのは四球によって下手に走者を溜めてしまうことだ。3点差のこの場面、下手に四球で走者を溜めてしまうよりは、しっかりと勝負をしにいって打たれてしまった方が後に引きずらずに済む。

そこでイーグルスバッテリーが選んだのは4球目のカーブ同様、外角低めへのストレートだった。これがファールとなりカウントは3-2となる。この時点で外崎選手の頭の中は次は変化球が来るという考えが強くなったはずだ。この打席、チェンジアップもカーブもしっかりと低めに決められていたからだ。配球的には、イーグルスバッテリーは4球目のカーブで仕留めたかったはずだ。外崎選手も打席でそう感じていたと思う。4球目はボールにはなったが、申し分のないコースへのカーブだった。

3-2というカウントで、恐らく外崎選手は外角へのカーブを予測したのではないだろうか。もちろんフルカウントであるため、カーブだけに的を絞ることはできないわけだが、しかし最後の球の打ち方を見る限り、カーブを予測していたようなスウィングだったように見えた。だが岸投手が投じたのは外角、やや甘い高さへのストレートだった。高さ的には中途半端なボールになり、この打席では最初の甘い球だったと思う。

外崎選手は完全にタイミングを外され、スウィングとしてはかなり振り遅れてしまった。遅いボールを待っていたところに来た142kmのストレートだったため、それも当然だろう。だが外側に意識を持っていたことが外崎選手にとっては幸運だった。タイミングはかなり振り遅れたが、外角に甘い高さのボールを投げて来てくれた。失投とまでは言えないが、最後の最後で岸投手が投げてしまった甘いボールだった。

そのストレートを外崎選手はライト線ギリギリのところへ弾き返した。もし1ヵ月前の不調時の外崎選手であれば、最後に甘い球が来ることはなかっただろう。恐らくは早いカウントで見逃したボールが甘かった、というパターンになっていたはずだ。よく「投打が噛み合う」という表現を使うが、打席でも噛み合う、噛み合わないということがある。この打席の外崎選手は、見逃したボールと振りに行ったボールが、スウィング上でしっかりと噛み合っていた。つまり見逃したボールはしっかりとボールになり、振りに行ったボールが甘く入ってくるパターンだ。打者にとってこのような形で噛み合い出すと、調子はどんどん上がっていく。

この試合、ライオンズは結果的に敗れてはしまった。しかし岸投手のピッチングが素晴らしく、2失点の完投勝利だったのだ。ライオンズが低調だったわけではなく、今夜の試合に関しては岸投手が上回っていたというだけだ。もし岸投手が6回か7回でマウンドを降りていたら、恐らくライオンズ打線は逆転していただろう。だがイーグルスの三木監督は、今はブルペン陣よりも岸投手を続投させた方が確率が高いと見たようで、結果的に35歳のベテランに123球も投げさせた。恐らく岸投手にとっては、今夜の登板が今季最終登板だったこともあるのだろう。

筆者個人としては、6回の外崎選手と岸投手の対戦は本当に見応えがあったと思う。仮に最後のストレートがあとボール1個分低ければ、結果は違っていただろう。だが外崎選手の好調さと、しっかりと噛み合ったバッティングが岸投手に最後に甘い球を投げさせてしまった。そして今夜の試合で外崎選手の11月の打率は.428まで上がってきた。

今夜の敗戦によりライオンズはマリーンズと同率2位という形に後退してしまったが、しかし外崎選手がこれだけ好調であれば、先発投手がしっかりと試合を作ることさえできれば、2位を死守できる可能性は非常に高いと思う。明日の先発は今井投手のレギュラーシーズン最終登板となるわけだが、今季は全体的に不甲斐ない内容となってしまった分、最後の先発は何としてでもCSに繋がる今季最高のピッチングを披露してもらいたい!