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投手力がリーグNo1なのにライオンズが勝てなかった理由

投手力がリーグNo1なのにライオンズが勝てなかった理由

今季ライオンズの投手陣はリーグトップのチーム防御率を誇った。チーム防御率は3点少々でもなかなか立派だったと思えるわけだが、それが2.75というさらに素晴らしい数字だった。12球団で見ると阪神タイガースの2.67に次ぐ素晴らしいチーム防御率だった。

昨季2021年のチーム防御率は3.94で、これはパ・リーグではダントツの最下位という数字だった。自責点は548点で、これはホークスよりも95点多く、これだけ点を失えば最下位という順位も不思議ではなかった。だが今季はこの自責点が昨季よりも159点少ない389点で、自責点が300点台だったのはパ・リーグではライオンズだけだった。

普通に考えればこれだけ投手陣が安定していればもう少し優勝争いに絡むか、実際に優勝していても可笑しくないわけだが、ではなぜライオンズは2022年はこれだけの投手力を誇っても混パを抜け出せず、優勝することができなかったのか?もちろんチーム打率がリーグ最下位だったことも影響しているかもしれないが、しかしこれはそれほど大きな理由にはならない。なぜなら優勝したバファローズのチーム打点は466点で、ライオンズは441点と、25点しか差がなかったからだ。

バファローズの自責点はライオンズより15点多かったため、差し引くとこの打点の差はほとんど影響しなかったと考えることができる。では一体何が影響していたのかと言えば、筆者はそれは失策数だったと考えている。今季ライオンズの失策数は86個とファイターズと並んでダントツのリーグ最下位だった。失策数リーグ4位のバファローズよりも11個も多く、リーグトップのイーグルスよりも37個も多い失策数だった。

さて、ここでもう一度自責点の話に戻るとライオンズは389だった。しかしここに失策で失った点を含めると合計の失点数は448となり、守備の乱れで失った点が59点(暴投も含む)もあったということになる。それでも失点数はリーグ最少となるわけだが、しかし得点数が最下位ファイターズと1点しか違わない464点だったことを考えると、失策により失ったこの59点が致命傷になったと考えるのは正論だと思う。

黄金時代は全員がゴールデングラブ賞レベルだったライオンズの守備陣

ではなぜライオンズはこれだけ失策により点を失ってしまったのだろうか。その理由は単純だ。打順や守備位置を固定できなかったことが何よりも大きい。源田壮亮主将外崎修汰選手の二人は安定した守備力を持つだけではなく、固定して二遊間で起用され続けた。そのためこの二遊間コンビに関してのみは圧倒的な守備力を誇り、126個完成させたライオンズの併殺数はリーグトップだった。

やはりレギュラーはある程度固定させるべきだと思う。そうすれば各ポジションのレギュラーが試合を重ねる度に守備でも腕を上げていくことができる。だが今季のライオンズは外野全ポジションとサードのレギュラーを固定することができなかった。源田主将は遊撃手として108試合、外崎選手は二塁手として131試合で守備に就いている。だが三塁手としては中村剛也選手の54試合が最多だった。一塁手を見ても山川穂高選手の89試合が最多で、この数字は山川穂高が怪我に弱かったことを表している。本来主力で背番号3を背負う選手であるならば、全試合で一塁の守備に就かなければならなかった。

外野手としては愛斗選手が120試合、オグレディ選手が123試合で守備に就いているが、彼らは外野手として固定されていたわけではなく、内野やDHとしての起用も多かったことから、外野の守備に就いたイニング数で見るとレギュラークラスと比較するとかなり少ない。例えばイーグルスの外野手である辰巳選手は119試合で外野の守備に就き刺殺数(外野フライを捕球してアウトにした数)は308だった。一方愛斗選手は辰巳選手よりも1試合多く外野守備に就いているが刺殺数は213と非常に少ない。

このように打順を固定できないということは、守備力の強化にも響いてきてしまう。レギュラーとして固定できないから各ポジションでのスペシャリストがなかなか育たない。例えばこれが黄金時代のライオンズではほとんどすべての野手がスペシャリストだった。

伊東勤捕手、清原和博一塁手、辻発彦二塁手、石毛宏典三塁手、田辺徳雄遊撃手、秋山幸二外野手、平野謙外野手。彼ら全員が名手で、全員がゴールデングラブ賞クラスの守備力を誇っていた。この頃唯一変動制を取っていたのは左翼手くらいだろう。レフトに関しては吉竹選手や安部選手らが流動的に起用されていた。だが他のポジションに関してはほとんど完全に固定されていたため、どのポジションのどの選手を見ても守備力はまさに一流揃いだった。

だが現在のライオンズで守備で一流と呼べるのは二遊間コンビの二人だけではないだろうか。そしてこの守備力の低さは辻政権の6年間でほとんど改善されることはなかった。むしろ秋山翔吾選手や浅村栄斗選手が抜けたことにより、守備力は低下の一途を辿ってしまった。そして今この状況を打破しようとしているのが松井稼頭央監督というわけだ。

松井稼頭央監督は一部のレギュラーではない選手にはユーティリティー性を求めているが、レギュラークラスの選手には専任ポジションでの守備力のさらなる向上を求めている。松井稼頭央監督は最初から打ち勝つことは念頭には置いていない。監督就任後のコメントを聞いているとディフェンス面の強化を何よりも重視していることがよく分かり、それはやはり上述したように、投手の自責にならない失点がかなり多く、それが今季の敗因となったと松井稼頭央監督も考えたからだろう。

絶対的エースを生み出そうとしている渡辺久信GM

さて、ディフェンスという意味ではこれも上述の通り、2022年の投手陣は本当によく頑張ってくれたと思う。先発、リリーフ、抑えすべての投手たちが見事な働きを見せ続けてくれた。だが渡辺久信GMが凄いのが、リーグトップの投手陣となってもまったく安心していない姿を見せていることだ。

鉄は熱いうちに打てとはよく言うが、まさにそれを実践しているのが渡辺久信GMだ。今季はリーグトップの投手陣を抱えながらも、来季ファームの投手コーチは4人制を敷き、西口文也監督を含めればほぼ投手コーチ5人制という力の入れようだ。これはつまりファームの投手力をさらに底上げし、今季リーグトップだった1軍投手陣を下からさらに突き上げさせることを目指しているということだ。

並のGMや球団本部長であれば投手力がリーグトップになれば「次はオフェンス強化だ」と切り替えがちだ。だが渡辺久信GMはドラフトでは最大の補強ポイントである外野手を1位・2位で指名しながらも、投手力をさらに強化しようと試みている。非常にバランスが良く、広い視野を持ったGMであると称えるべきだろう。

確かに一部では日本一どころか日本シリーズにも進めていないことで、渡辺久信GMの能力を疑問視しているファンも多いと聞く。しかし筆者はまったくそのようには考えていない。FA補強や大型補強をできない中で、中長期的視野を持って着実にライオンズを強化していっていると思う。そしてそれは後藤高志オーナーも信頼しているところだ。

ではなぜ渡辺久信GMが現在の投手陣に満足することができないかと言えば、それはやはり絶対的エースの存在がないためだと言える。ライオンズには涌井秀章投手以来、絶対的エースの存在がない。絶対的エースとはつまり、表ローテの一番手をシーズンを通して務めながらも最多勝を狙える投手のことだ。

表ローテの一番手というのは、常に相手チームのエースとの対戦が強いられる。そこで最多勝争いに加わることができるくらい勝っていける投手のことを絶対的エースと呼ぶわけだが、涌井投手を失った2014年以降、ライオンズにはもう8年間もそのような投手が現れていない。

岸孝之投手もエース対決で勝ち切れるほどではなく、菊池雄星投手に関して言えばホークスにまったく勝てないまま海を渡ってしまった。そして現在のエースである髙橋光成投手も今季は12勝とリーグ2位の勝ち星だったとは言え、貯金数を見ると髙橋投手は4、山本由伸投手は10、千賀滉大投手は5と、上位2チームのエースよりも下回ってしまった。エースのこの貯金数は、エース対決でどれだけ勝てたかを表している。

キラーボールを持っていない髙橋光成投手の脆さ

渡辺久信GMがさらなる投手力の強化に手を抜けないのは、このような絶対的エースの不在にも所以している。ただ、筆者の正直な感想を書くならば、高橋光成投手が絶対的エースになるのは現時点では難しいように感じる。その理由はキラーボールとなるようなウィニングショットを持っていないためだ。ストレートも変化球も平均値は上回るのだが、S級とは言えない。

例えば松坂大輔投手のスライダー、西口文也投手のヴァーティカルスライダー(縦スラ)、潮崎哲也投手のシンカー、涌井秀章投手のスモーキーなフォームは常に相手打者の脅威となっていた。
※ スモーキーとはボールの出どころが打者から見にくいという野球用語

髙橋光成投手はストレートにはある程度の力があるし、変化球だってまずまずだ。だが打者の脅威となるものがまだない。例えば山本由伸投手のように、マウンドに登ると相手打線が弱気になるようなオーラもまだ出せてはいない。調子が良ければある程度勝てるのだが、それは圧倒的な強さとは言えない。言わば現時点での髙橋光成投手はかつての岸孝之投手クラスでとどまっているということになり、キラーボールを持たない脆さが現時点ではエース対決で勝ち切れない要因となっている。

今ライオンズで絶対的エースになれる可能性が最も高いのは筆者は今井達也投手だと考えている。今井投手はまさに上杉達也投手ばりにまだ制球力は不安定であるわけだが、しかしまるで上杉達也投手のようにストレートがウィニングショットとして十分通用する。今井投手のストレートは時としてまったく手がつけられないほどになる。

今井投手が今後、近年大きくなった体をさらに怪我をしにくい体にしていくことができれば、現状では最も絶対的エースに近い存在であると筆者は考えている。

今井達也投手が絶対的エースになるために今足りていないもの

だが今井投手には大きく欠けてしまっている弱点がある。それはメンタリティの弱さだ。いや、弱いと書くと語弊があるわけだが、メンタルの不安定感がダイレクトに成績に反映されてしまっている。メンタルの安定感とは、どんな状況であっても平常心で投げ続けられるメンタルマネジメントスキルのことだ。

涌井投手にはまさにそれがあり、涌井投手はどんな状況であってもポーカーフェイスで常に自分ができることをやろうとし続けた。余程じゃない限りは、涌井投手は決して能力以上のパフォーマンスを見せようとすることはなかった。だが今井投手は調子が悪い時は力任せになるし、調子が良い時はそれを安定化させるよりも、性急にさらに上を求めようとしてしまう。

もちろん上を目指すことは良いことなのだが、しかしそれはシーズンオフにやるべきことであり、シーズン中はオフに身につけて把握した能力を安定的に出力していくことが重要になる。だが今井投手はシーズン中にその出力を余分に上げようとしてしまう癖があり、そこから自滅してしまうパターンが頻繁に見られる。

ちなみに今井投手自身メンタル強化に関する理論を否定するようなコメントを残している。「メンタルなんて結局はどれだけ練習したかで決まる」という趣旨のコメントを今季のCS直前あたりに残しているのだが、これは大きな誤りだ。フィジカルの練習量とメンタルスキルは科学的にはまったくの別物となる。

渡辺久信監督がチームを率いていた頃は、ライオンズにも鋒山丕さんというメンタルトレーナーが在籍していた。筆者も幾度か鋒山さんと言葉を交わしたことがあるのだが、今井投手が絶対的エースになるために今最も欠けているのがメンタルの安定感であるだけに、今こそライオンズにはメンタルトレーナーの存在が不可欠だと筆者は考えている。

メンタルトレーナーは本当に必要なのだろうか?

ではメンタルトレーナーは本当に必要なのだろうか?これを考えた時に参考になるのがメジャーリーグだ。メジャーリーガーたちは屈強なメンタルを有している選手たちばかりだ。その理由は単純で、メジャーリーグ全球団にも、メジャーリーガーをクライアントに持つエージェンシーにも、必ずメンタルコンサルタントが在籍しているのだ。メジャーリーグでは、これほどまでにメンタル強化に力を入れている。

かつて名捕手のヨギ・ベラはこう言った。「野球は90%がメンタルで、残りの半分がフィジカルだ」ー。このアフォリズムは今なおメジャーリーグでは語り継がれている名言だ。それくらい野球はメンタルが影響する競技であるのだが、日本のプロ野球ではこのメンタルがまだほとんど科学的に強化されていない。

もし今井投手がメンタルを強化して、ベストパフォーマンスを安定的に発揮できるメンタルスキルが身に付けば、師と仰ぐダルビッシュ有投手のような絶対的エースに進化することができるだろう。だがそのメンタルスキルを否定してしまっている現状では、今井投手がダルビッシュ投手のレベルに近付ける日はまだそれほど近くはないと言わざるを得ない。

だが持っているボールがS級であるだけに、メンタルマネジメントを行えるようになれば、今井投手は来季にも早々に絶対的エースに進化することは可能なはずだ。

そして今井投手がそのように頭ひとつふたつリードするようになれば、高橋光成投手や松本航投手にとっては大きな刺激剤となり、彼らもまた一段二段とレベルアップして行くだろう。そうなればかつての西口・松坂コンビ、工藤・渡辺コンビのように、絶対的エース二人が二枚看板となって先発投手陣の安定感をさらに飛躍させていくはずだ。

まずは一人絶対的エースを生み出すことが重要なわけだが、しかしそこには留まらず、その一人目を刺激として二人目を生み出していくのが渡辺久信GMや、現首脳陣の役割となる。

そしてそこを目指しているからこそ、来季のファームは西口文也監督に加え、4人の投手コーチで投手陣を育成するシフトを渡辺久信GMは敷いてきた。現在三本柱と呼ばれている髙橋投手、松本投手、今井投手らも、今の成績のままではすぐにでも下からの突き上げを受けるようになるだろう。だがその突き上げを受けることにより、この若き三本柱をさらに強固なものにしていけると思う。

渡辺久信GMのチーム作りは、意図がよく伝わってきて見ていて本当に面白さを感じる。そしてその意図も年々さらに明確になってきていて、チーム作りがある程度は順調に進んでいることがファン目線でもよく分かる。

来季に関しては渡辺久信GMと松井稼頭央監督の間ではディフェンス面の強化が最重要課題としてすでに共有されており、そこを目指して秋季練習も行われている。松井稼頭央監督もスペシャリストを生むべき、秋季練習のメニュー作成にもかなり工夫をしているようだ。

このような船出を見ていると、来季松井稼頭央監督が率いるライオンズの戦いを見るのが今から本当に楽しみで仕方ないと感じているのは、きっと筆者だけではないと思う。

絶対的エースの片鱗を見せつけて楽天打線をねじ伏せた今井達也投手

絶対的エースへの道を歩み始めた今井達也投手

絶対に負けられないイーグルスとの一戦をライオンズは仙台に乗り込んで戦ったわけだが、その先発マウンドを任されたのは復帰登板となった今井達也投手だった。今季は大車輪の活躍が期待されたものの、怪我に泣かされてここまで僅か8試合のみの登板で4勝しか挙げられていない。

「1点も与えるつもりはない」、それが試合前に今井投手が語っていたことだった。そしてその言葉の通り力でねじ伏せるような圧倒的なピッチングで、8回を被安打4の無失点で123球を投げ抜き、5勝目を0封で挙げた(最終回は平良海馬投手)。この相手打線を圧倒するピッチングこそが、筆者は絶対的エースの資質だと感じた。

現時点でのエースはもちろん髙橋光成投手であるわけだが、しかしギアを上げた時の今井達也投手のポテンシャルは髙橋投手を凌いでいるように感じる。

もうここまで来たら細かいことはどうでもいい。とにかく目の前の試合に勝つことに尽きるわけだが、そのために必要な圧倒的なパフォーマンスを今夜今井投手は披露してくれた。これだけ相手を圧倒するピッチングができるのであれば、一年間をフルで投げれば15勝以上を挙げることができるだろう。

いま山本由伸投手と五分近くで渡り合えるのは今井達也投手だけ

筆者はかねてよりライオンズのエースになるは今井投手だと書き続けてきた。打者に対して気迫を全面に出し向かっていく姿はまさに投手性格であり、その姿は松坂大輔投手や涌井秀章投手らがかつて見せた気迫とも重なる絶対的エースになるためには不可欠な要素だ。そのようなポテンシャルを筆者はかねてより今井投手には感じていた。

もちろん今季は怪我により二度も戦列を離れてしまったのは、それはそれで実力不足なわけだが、しかしそれを乗り越えてきた今、来季の今井達也投手はいよいよライオンズの絶対的エースとして君臨し始めるのではないだろうか。

そしてライオンズに絶対的エースの存在が再来すれば、来季以降はBクラスに落ちる心配など無用になり、毎年のように優勝争いに絡めるチームへとなっていくだろう。そして短期決戦でも再び勝てるようになるはずだ。絶対的エースの存在にはそれほどのパワーがある。

今井達也投手は絶対的エースに必要な投手性格を持っている

一方でイーグルスの先発マウンドに登ったのは岸孝之投手だった。今年は38歳となるシーズンでもうとっくに全盛期を越してしまった投手ではあるが、通算149勝を上げている好投手だ。そしてもちろん彼はかつてのライオンズのエースであり、今井達也投手以前に11番を背負っていた。

今夜は岸孝之投手のピッチングも素晴らしかった。まるでライオンズ時代の岸投手を見ているようだった。だが伏兵とも言える平沼翔太選手に一発を浴びてしまい、この1失点により敗戦投手となってしまう。

筆者は常々、絶対的エースとはエース対決で勝てる投手だと言い続けている。今井達也投手はまさに、必勝を義務付けられホームの先発マウンドに登り好投した岸孝之投手に、絶対的エースの姿で投げ勝った。この1勝はただの1勝ではなく、CS 1st.ステージで戦う相手にとっては脅威と映ったはずだ。

シーズン最後の最後に復帰してきた今井投手がこれだけ圧倒的なピッチングを見せたことにより、CSで戦う相手打線の戦意も戦う前から多少なりとも萎えてしまうはずだ。そしてそのような印象を与えられる投手こそが絶対的エースになることができる。

髙橋光成投手の場合は好投をしたとしても、まだ相手打線に「何とかなりそうな気がする」という印象を与えてしまうことがある。だが今夜の今井達也投手のピッチングは、ちょっとやそっとで何とかなるような内容ではない。スコアリングポジションに走者を進めた時でさえも、今井投手からは失点しそうな気配は微塵も感じられなかった。

そしてそれはイーグルス打線も同じだったはずだ。チャンスを作っても、そこから点を取れる気はしなかったはずだ。これこそが絶対的エースの力だ。戦う前から相手の戦意を喪失させられる投手、今井達也投手はそのレベルに着実に近づいている。

髙橋光成投手は性格が優しく、投手性格とは言えない面もある。一方今井投手はクールな目つきで相手打者を威圧し、内角攻めも厭わないといった性格の持ち主だ。

3位確定までマジック1となったライオンズ

今夜の1勝により3位ライオンズと4位イーグルスの差は1.5ゲームに広がった。そしてライオンズの残り試合が2試合で、イーグルスが3試合。つまりライオンズの3位確定までのマジックナンバーは1となっている。残り2試合で1回でも勝てれば、イーグルスが残り3試合で全勝したとしてもライオンズとは勝率で並ぶ形となり、ライオンズを上回ることはできない。

そして勝率が五分だった場合は当該球団同士の対戦成績が良い方が上位となる。つまり143試合を終えてライオンズとイーグルスの勝率が同率だった場合、ライオンズの3位が確定することになり、そこまでのマジックナンバーが現在1となっている。

しかし仮にライオンズが残り2試合に敗れた場合、イーグルスが3連勝してしまうと順位はひっくり返ってしまう。そのためライオンズは残すホークス戦、ファイターズ戦のいずれかでは勝たなければならない。

もうこの際2勝しようとはせず、どちらか1試合にすべてを賭けるくらいの戦い方で良いのではないだろうか。例えば仮にホークス戦で敗色濃厚となった場合は、そこからの逆転を信じて無理に好投手を注ぎ込むのではなく、最後のファイターズ戦にエース級やリリーフエースたちを惜しみなく注ぎ込むという戦い方で良いと思う。

もちろんホークス戦で勝てることが最善であるわけだが、ホークスも優勝マジックを3としており、是が非でもこれを減らしに来るはずだ。そうなってくると大きく5つも負け越しているホークス相手よりも、現時点では3つ勝ち越しているファイターズ相手の方が組みやすいはずだ。

だからこそホークス戦に執着するのではなく、ホークスに勝てればラッキーだけど、ファイターズ戦を100%取りに行く、という考え方でいた方が良いと思う。そしてそのような考え方を持つことにより、ホークス戦もよりリラックスして戦えるはずだ。

そして気負わずに戦えれば難敵ホークスに勝つチャンスも広がっていき、土曜日に3位が確定する可能性も高くなる。つまりライオンズファンとしては実際にはあと1つ勝てば良い、ではなくて、2試合とも勝って欲しいというのが正直なところであるわけだ。

2試合とも勝って勢いをつけて、10月8日から始まるCSで大阪、もしくは福岡に乗り込んでもらいたい!

今井達也

次の1敗が致命傷となりうる現在のライオンズ

ライオンズの戦いもいよいよ残すところあと5試合となった。現在の立ち位置は0.5ゲーム差で3位イーグルスを追う4位。ライオンズが勝ち、イーグルスが敗れればひっくり返るゲーム差であるため、逆転CSの可能性はまだ十分に残っている。

ただしライオンズの残り5試合に対し、イーグルスは8試合を残している。つまり両チームが5試合を終え、イーグルスが3試合を残した段階で0.5〜1.0ゲーム差だった場合、イーグルスが残り3試合に勝つことでライオンズのCS出場の可能性はなくなる。そういう意味では現時点の0.5ゲーム差は、まだ可能性があると喜べるほど小さな差ではない。

ライオンズとしては、残り5戦5勝という結果を目指していかなければ、CS出場の可能性は上がらない。そして次の1敗が致命傷となりうるため、とにかく一戦必勝のスクランブル体勢で挑むことが求められる。

ライオンズ残り試合

9月24日(土)/札幌/ファイターズ戦/松本航投手

9月27日(火)/ベルーナ/ホークス戦/髙橋光成投手

9月28日(水)/楽天生命/イーグルス戦/今井達也投手

10月1日(土)/ベルーナ/ホークス戦/髙橋光成投手

10月2日(日)/ベルーナ/ファイターズ戦/松本航投手今井達也投手

ホークスとの2試合に先発が見込まれる髙橋光成投手

まずエース髙橋光成投手だが、次回の登板は9月27日のホークス戦が濃厚となっており、その後中4日で再びホークス戦に投げる可能性が高い。髙橋投手自身は今季、ホークス戦を得意としているわけではない。3試合に投げて1勝2敗、防御率は3.00とまずまずの数字なのだが、しかしWHIPを見てみるとホークス戦は1.56となっている。この数字は悪すぎる。

つまり高橋投手はホークスに対し1勝2敗3.00と大崩れはしていないのだが、1イニングあたりに出す走者の数が1.56人となっており、いつも走者を背負って投げているような状況で、いつ崩れてもおかしくはない内容だったのだ。

ここで一旦與座海人投手のホークス戦の数字を見ておくと、今季は5試合に登板して2勝2敗、防御率は2.32、WHIPは0.97だった。0点台のWHIPはスーパーエース級であり、與座投手がホークスを苦にしていないことがよく分かる。この数字だけを見るならば、10月1日のホークス戦はここまで10勝7敗と好成績を残している與座投手を当ててもいいのかなとは思う。

だがライオンズの首脳陣としては髙橋投手を「ホークスに勝てるエース」に育てるため、あえてホークス戦は2試合とも髙橋投手をぶつけようとしているのかもしれない。だとすれば、その考え方は筆者も大いに賛成だ。とにかくライオンズに必要なのはホークスのエースに勝てる絶対的エースなのだから、髙橋投手をそのような投手に育てようとする起用法は支持したい。

そしてこのホークスとの2試合は、もし髙橋投手が不安定な姿を見せたら、すぐに與座投手にスイッチするという起用法になっていくのだろう。

当日移動で敵地に乗り込むイーグルス戦

9月28日(水)のイーグルスとの直接対決は、今井達也投手の復帰登板が濃厚だ。先日のファームでの登板では桁違いのピッチングを披露しており、体調面はもう万全そうだ。

今井投手は今季はほとんど1軍にはおらず、8試合で4勝1敗という数字にとどまっている。今季は大車輪の活躍を期待されていただけに、怪我があったとはいえ数字としては及第点にさえ至らない。

それは今井投手も十分分かっているはずで、28日は初回からエンジン全開で投げてくるはずだ。多少ボールが暴れたとしても、ここは力でねじ伏せる圧倒的なピッチングを披露してもらいたい。

そしてこのイーグルスとの最終戦が実は少し厄介で、前日にベルーナドームでホークスとの激戦を戦ったのちの仙台への移動となるのだ。もちろん今井投手に関しては前乗りして仙台で落ち着いて調整できると思うのだが、野手陣やリリーフ陣に関しては辛い当日移動となる。ちなみにイーグルスは京セラドームから移動してきてのホームゲームだ。

ここが当日移動となるのか、ホークス戦後の試合後移動となるのかは筆者には分からないが、どちらにしてもタフな移動日試合となることだけは間違いない。

だからこそその野手陣やリリーフ陣の負担を考え、今井投手には1人で9回を無失点で投げ切る活躍を見せてもらいたい。このイーグルスとの直接対決でしっかりと勝つことができれば、イーグルスの残り試合への戦意を削ぐこともできるかもしれない。

山川選手へのマークが今まで以上に厳しくなるであろう残り5試合

残り5試合はほとんどトーナメント同様の戦いとなっていく。まさに短期決戦の戦い方を求められるわけだが、現在のライオンズは短期決戦には滅法弱い。短期決戦は投手力が物を言うのだが、その短期決戦で実績を挙げている投手がいないのだ。

戦い方としても山川穂高選手のホームラン頼みであることが今季も多く、山川選手の調子が良ければ勝てるが、山川選手が調子を落とすとまったく勝てなくなってしまう。これに関しては完全に辻発彦監督の戦略ミスであり、それが分かっている相手チームも残り試合ではいつも以上に徹底して山川選手をマークしてくるはずだ。

残り5試合中2試合は最下位が確定しているファイターズ戦であるため、モチベーションの強弱を考えばライオンズとして やや戦いやすいだろう。ただし今季ここまでのファイターズ戦は12勝10敗と互角に近い戦績であるため、決して油断することはできない。

ホークスに関してはリーグ優勝がかかっており、イーグルスに関してはCS進出かBクラスかという、ライオンズと同じ立ち位置にある。つまりこの両チームとの3試合は今まで以上にタフなゲームになるということだ。ホークスにしてもイーグルスにしても死に物狂いで向かってくるはずだ。

そんな状況の中、山賊打線が崩壊しているライオンズが勝つにはやはり髙橋光成投手と今井達也投手の働きが鍵となる。このふたりが相手に先制点を与えないことがとにかく重要だ。

今井投手は今季イーグルス戦には1試合のみ投げており、7回途中まで投げて無失点と好投し、1勝を挙げている。そしてWHIPは驚異の0.60だった。この相性を考えればきっとやってくれると思う。しかも舞台も好投した時と同じく楽天生命パークだ。

辻発彦監督に見せてもらいたい執念の采配

残り5試合はもはや「選手が頑張れば勝てる」という段階ではない。短期決戦同様のこの5試合は選手が頑張ることはもちろん、それ以上に重要になってくるのが戦略ミスや戦術ミスをなくすことだ。例えば打者1人継投が遅れればそれが致命傷になってしまう。

そのため継投策しても代打策にしても、残り5試合は比較的早い段階で手を打ってくるはずだ。少なくともここまでのレギュラーシーズン同様の戦い方では、この5試合を乗り切ることなどできはしない。

辻監督には最後の意地を見せ、執念の采配というものを見せてもらいたい。監督が今まではほとんど見せなかった燃えたぎるようなそんな執念を見せれば、選手も意気に感じ好不調など関係なくしっかりと自分の仕事をしてくれるだろう。

そして源田主将を中心にチームが一丸となれば、残り試合も5戦5勝で乗り切れるはずだ!

西武打線vs山本由伸

来季開幕直後は山本由伸投手との対戦が続くライオンズ

どうやら2022年の5月まで、ライオンズの週末はバファローズ戦が多くなるようだ。これはつまり週末は頻繁に山本由伸投手と対戦しなければならないことを意味している。しょっちゅう沢村賞投手と対戦しなければならないと考えるだけでも、来季の開幕後しばらくはライオンズにとってタフなゲームが続くことがよく分かる。

一見するとこれは「ライオンズ打線」にとって苦しいことだと思いがちだ。だが週末にバファローズ戦が続くことにより最も辛くなるのは打線ではなく、髙橋光成投手だ。仮に今季チーム最多勝利の高橋投手が2年連続で開幕投手を務めるのであれば、髙橋投手は頻繁に山本由伸投手と投げ合わなければならなくなる。

現状の実力差で言えば、山本投手の方が圧倒的に上だと言えるだろう。防御率を見ると髙橋投手は9回を投げれば4点近く点を取られるわけだが、山本投手は2点取られることがない。高橋投手が今オフによほどレベルアップするか、山本投手が調子を落とさない限りは、対戦が続けば髙橋投手が星を落とすことが多くなってしまうだろう。

今季は11勝を挙げた高橋投手だったわけだが、山本投手との対戦が続けば来季は二桁勝てるかも微妙になってくる。高橋投手としては、防御率2.00未満の数字を維持しなければ、山本投手と互角に投げ合うことはできない。これまで4点前後の防御率しか記録したことがない高橋投手にとっては、仮に来季も開幕投手になるとすれば非常にタフなシーズンとなるだろう。

今山本由伸投手と互角に渡り合えるのは今井達也投手

だが来季の開幕も高橋投手になるとは限らない。今井達也投手松本航投手だって開幕投手の座を狙ってくるはずだ。

今井投手の場合、オープン戦で与四球率が向上すれば開幕投手のチャンスは十分にあるだろう。今井投手は与四球の多さからWHIPの数値が1.40と芳しくない数字になっているのだが、今季5.63だった与四球率を3点台まで向上させられれば自ずと失点も減っていき、今季3.30だった防御率も簡単に2点台になって行くだろう。

それにしてもWHIPが1.40で防御率が3.30とは、今井投手がいかにして粘りのピッチングを見せていたかがよく分かる。通常これだけのWHIPであれば、防御率は4点前後でも不思議はない。
※ WHIPとは、1イニングに平均何人の走者を出しているのかという数値

WHIPに関しては高橋投手は1.26、松本投手が1.34だ。WHIPに関しては二人とも今井投手よりも良い数値を残しているのだが、しかし防御率に関しては高橋投手が3.78で、松本投手が3.79と、今井投手よりもかなり下回る数字となっている。

こうして考えて行くと与四球率さえ向上させられれば、来季の開幕投手は今井投手を据えるのが現状ではベストなのではないだろうか。与四球率の数字の悪さに関しては今井投手自身よく分かっており、インタビューでもこの数字を改善することを来季のテーマとして語っている。

2022年の開幕投手に今一番相応しいのは今井達也投手

非打率に関しても実は3人の中では今井投手が最も良い.220という数字を残している。そしてバファローズ戦の防御率が一番良いのも唯一2点台の2.91である今井投手だ。バファローズ戦は2勝5敗ではあるのだが、2.91という対戦防御率を見る限り崩れて負けているというわけではなく、援護が少なく敗戦投手になっていることが多かった。

こうした数字を見ていく限り、バファローズ戦が多くなる来季序盤の週末は、今井投手を開幕投手に据えて乗り切るのが最善ではないだろうか。そして今井投手を毎週末山本投手と投げ合わせれば、今井投手自身の殻を破るチャンスにもなって行くだろう。ライバルが強敵であるほど自分自身も向上していける。

今季の開幕投手は高橋投手が務めたわけだが、数字を追って行くとまだ高橋投手をエースと呼ぶことはできない。二桁勝利もまだ二度だけで、10勝、11勝止まりで防御率も芳しくはない。つまり高橋投手もまだまだ発展途上という段階で、三本柱の絶対的支というわけではない。

つまり表ローテの一番手をいつ今井投手に奪われても不思議ではないというのが現状だ。そして上述したように、バファローズ戦での数字を見る限りでは現時点で最も山本投手と五分近くで戦えそうなのが今井投手だ。

ライオンズの三本柱の中で、今後最もエースらしい数字を出していきそうなのも今井投手だと筆者は見ている。もちろん3人ともこれからますます伸びて行くわけだが、その中でも筆者は特に今井投手のピッチャーとしての資質に注目している。

ダルビッシュ投手を参考にしたというフォームも、徐々に自分のものになりつつある。こうしてフォームが固まってくれば、来季は自ずと与四球率も向上して行くはずだ。

もちろんオープン戦を見てみない限りは正確なことは何も語れないわけだが、しかし現状の数値や成長具合で見て行くのならば、2022年の開幕投手は今井投手が最も相応しいと筆者は考えている。

昨年8勝だった山本投手が最下位のチームを優勝に導いたように、来季は今季8勝だった今井投手がライオンズを底辺から天辺に引き上げてくれるはずだ(今井投手と山本投手は同学年の高卒プロ入り投手)。そして今井投手のポテンシャルであればそれが十分に可能であると、筆者はすでに確信しているのである。

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1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
西武 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 5 2
日本ハム 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 7 1

【継投】
今井達也〜伊藤翔〜吉川光夫〜Hギャレット〜H平良海馬〜増田達至

【ホームラン】
呉念庭(1号)

観衆:12,083人、試合時間:3時間38分

5回、奪三振8、四死球7という今季初登板の今井達也投手

開幕5戦目の先発マウンドに登ったのは今井達也投手だった。結果としては5イニングスで117球を投げて被安打2、奪三振8、四死球7、失点0という内容で、引き分けのため勝ち負けこそ付かなかったが、とりあえず5回無失点というある程度の結果は見せてくれた。

立ち上がりから二者連続で四球を出したり、5回には四死球で満塁のピンチを作ったりと、かなりヒヤヒヤさせられる内容ではあったが、今季初登板ということを考えれば、この試合はこれで良かったのではないだろうか。制球を気にするあまりにこじんまりとしたピッチング内容になってしまうよりは、三振か四球かという思い切った結果の方が、少なくとも今井投手の「らしさ」を出すことはできると思う。

球質としては、低めのボールはシュート回転が多く、高めのボールは僅かにスライダー回転しているようにも見えた。これはやはり今日が今井投手の開幕日ということで、力みがあったせいだろう。この力みのせいでリリースポイントが前後にずれてしまい、ストレートにわずかな横回転が加わっているように見えた。

しかし今井投手のこれまでの実績や経験値を踏まえて考えればまだ、開幕日に力むなという方が酷だろう。この試合ではとりあえず無失点に抑え、しかも5回で8奪三振を取ったという結果に自信を持てば良いと思う。6四球出してしまったことよりも、まずは8三振奪ったことを自信としていった方が、2戦目以降のピッチングにも繋がっていくはずだ。

今井投手にも効果的だと思われるデニー友利投手を覚醒させた手法

ピッチングを見ていれば専門家じゃなくても分かるように、現状の今井投手にはまだ、制球力で勝負できるだけの制球力はない。そのため今は、例えば若き日の石井一久投手のように、制球力に安定感はないけど三振の奪り方を心得ている、という道をまずは歩いていけば良いのではないだろうか。

確かに球数は5イニングスで117球と非常に多くなり、どうしてもリリーバーに頼らざるを得なくなってしまうが、しかし先発五番手という今の立場を考えれば、無理をして常時完投を目指す必要はない。今はまだリリーバー達の力を借りながら、少しずつ完投できる投手に進化していけば良いのではないだろうか。今下手に完投を意識して、球数を減らすためにコースを狙い過ぎてしまうと、球威という魅力が大幅に低下してしまう。

今井投手のストレートは、中田翔選手でさえも空振りしてしまうほどの球威があるのだ。今はこの球威を殺してしまうようなアプローチは避けるべきだ。制球力が不安定ならば、それを逆手に取れば良い。

例えばかつて制球難でベイスターズの2軍で燻っていたデニー友利投手は、ライオンズに移籍してからはブルペンには欠かせない名セットアッパーとして活躍した。だがライオンズに来て急に制球力が安定したわけではない。当時の東尾監督は「ど真ん中を狙って投げていれば、自然と良いコースにボールが散らばってくれる」とデニー投手に話し、制球力の悪さを逆に利用する形でデニー投手を1軍の主戦投手へと成長させた。

今井投手もそれで良いのではないだろうか。制球力が安定している日は別として、この試合のように四球を連発してしまうような日は、その制球力の悪さを逆に利用してしまえば良い。森友哉捕手もそのあたりのことを意識しながらリードしていけば、苦しい状況でも必要以上に配球に悩まずに済むはずだ。

スライダーを投げる際の2種類のキャッチャーミットの場所

例えばスライダーの要求のしかたには2つのパターンがあり、どちらのパターンが良いのかはピッチャーによって異なる。1つ目はスライダーが曲がった先にキャッチャーミットを構える受け方、そして2つ目はスライダーが曲がるポイントにキャッチャーミットを構える受け方だ。今井投手のように制球がアバウトなピッチャーの場合は、後者の受け方に変えてあげることで四球を減らせるケースが多い。

つまり森捕手はキャッチャーミットをど真ん中に構えて、今井投手はスライダーの握りでストレートをど真ん中に決めるつもりで投げるのだ。そうすると程よく真ん中から外角低めにスライダーが決まりやすくなり、下手に始めから外角低めを意識して投げるよりも、バッターが手を出してくれやすいコースにスライダーを曲げていきやすくなる。

今井投手と森捕手は、あらかじめこの2つのスライダーの投げ方を相談しておくべきだろう。制球力が安定している時は、もちろん始めから外角低めを狙ってスライダーを投げ切れた方が配球の質を高めることはできる。だが制球力がどうにも安定しない時にこれをやっても無駄に四球を増やすばかりだ。今日の試合のように四球で走者を溜めても切り抜けられれば良いのだが、いつもこの試合のように行くとは限らない。

制球力が不安定の日の対処法としてこのような引き出しを持っておけば、今井投手も昨季のように独り相撲で試合を壊してしまうことも減るだろう。今井投手にはやはり、師と仰ぐダルビッシュ投手の次元へと少しでも近づいていってほしい。そしてそこを目指せるだけのポテンシャルは十分に持っているのだ。あとは経験を積み、もっと自分のボールに自信を持ち、上手くいかない日の対処法をあらかじめ増やしておくことができれば、先発の五番手に甘んじているようなレベルのピッチャーではない。

一週間後はメットライフドームにイーグルスを迎えての先発マウンドとなることが濃厚だ。今井投手としてもやはり、札幌ドームよりもメットライフドームで投げられた方がリラックスできるはずだし、良いピッチングを見せやすいはずだ。今日の内容は今日の内容として自信を持ち、まずはその自信を次戦に繋げられるように筆者は、今井投手にはさらなる期待を寄せていきたい。

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1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
阪神 1 2 0 0 1 1 0 0 0 5 5 1
西武 0 0 0 0 0 1 0 0 1 2 10 1

【継投】
今井達也〜井上広輝〜吉川光夫〜宮川哲〜増田達至

【ホームラン】
ブランドン(2号)

今井達也投手vs佐藤輝明選手1打席目

メットライフドームで行われた今日のタイガース戦、先発マウンドに登ったのは開幕5戦目の先発が濃厚となっている今井達也投手だった。オープン戦最後のマウンドとなるため、何としてもシーズンにつながる良いピッチングを見せたいところだったが、立ち上がりに初回、2回と連続して点を失ってしまった。しかし3回以降は立ち直り、四球を出しながらも3〜4回に関しては要所を抑えることはできた。だが5回には9番打者に被弾してしまう。

さて、今日は注目のタイガースのルーキー佐藤輝明選手と今井投手の対戦を振り返ってみたい。まず右中間にホームランを打たれた1打席目だが、西武バッテリーとしては初球のカーブが高めに抜けてボールになってしまったのが痛かった。この1球により配球を組み立て直さなければならなくなり、それをしようとしている間に甘いボールを持っていかれた、という形の結果になってしまった。

2球目のシンカー系のボールは外角低めいっぱいの非常に良いコースに決まり空振りを取ることができた。これでカウントは1-1という平行カウントになるのだが、西武バッテリーとしては最終的には外角低めで勝負をしに行きたかったのだと思う。その伏線として3球目は外角にストレートを投げていくのだが、これがやや甘くなり、真ん中とまでは行かないが失投となってしまい、右中間スタンドに運ばれてしまった。

これがもし、初球のカーブがしっかりと低めに決まっていたら違う結果になっていたと思うのだが、バッテリー側からすると、この初球の入り方を失敗してしまったことにより、好打者を上手く攻め切ることができなかった。

今井達也投手vs佐藤輝明選手2打席目

セカンドゴロに打ち取った2打席目は、初球と2球目で外角にストレートを見せてカウントを1-1とした。そして3球目はまたシンカー系のボールを投げたわけだが、これがど真ん中に入ってしまう。ややタイミングが外れた分セカンドゴロで済んだのだが、2打席連発となっていても不思議ではないほど甘いボールだった。

これまでのオープン戦を見ていくと、佐藤選手は内角も上手く捌けるという姿を見せている。そのためバッテリーとしては内角を攻めにくくもなるのだが、しかし今日の西武バッテリーのように真ん中〜外角一辺倒の配球では好打者を抑えることはできない。

右投手が左打者の内角にストレートを投げようとすると、力んでシュート回転して甘く入ってしまうことも多い。だがストレートではなく、カッターを内角の真ん中よりも低めのエリアに投げることができれば、そこは左打者の泣きどころとなる。好打者を抑えるためには、西武投手陣がどれだけ内角に食い込んでいくボールを投げられるかが鍵となってくるのだろう。

ちなみに9番板山選手に打たれたホームランは、ストレートが真ん中やや高めの非常に甘いコースに入った失投だった。今日の今井投手は、調子が悪いなりにしっかりと試合を組み立てることはできた、という点では昨年以上に成長した姿を見せられたと思う。確かに4失点(自責3)というのは多いわけだが、昨季のようにズルズルと引きずりビッグイニングを作ることはなくなったため、裏ローテの2番手として投げてもらうには十分の状態ではあると思う。

ただし今井投手が目指すレベルはそのような低いところではないはずだ。本来であれば開幕投手争いにも加わっていなければならない投手なのだから、開幕こそ先発5番手として迎えるにしても、交流戦明けには上位チームに合わせて先発を回してもらえる立場になっていなければならない。

オープン戦で試される好打者への配球

今日の今井投手は結果的には5イニングスを投げて球数97球、被安打3、失点4、自責3という内容だった。決して素晴らしい内容というわけではなかったが、先発としてしっかりと試合を作ったという点では評価できると思う。あとは開幕5戦目までにここまでの疲労をしっかりと抜き、もう一度コンディションを整えていけば、開幕5戦目のファイターズ戦は万全の状態でマウンドに登ることができるだろう。

ちなみに最後に付け加えておくと、オープン戦というのは相手チームの要注意人物にわざと打たせるケースが多々ある。ライオンズがタイガースの佐藤選手にそれをしたかどうかは定かではないが、しかし得意なコースをハッキリさせるために、わざと佐藤選手が手を出しやすいところに投げさせた、ということも考えられる。

「この人が打てばチームやスタンドが盛り上がる」という選手が相手チームにいる場合、とにかくその選手を乗せないということが重要だ。オープ戦で手を出しやすいコース、得意なコースをしっかりと見極めることができれば、レギュラーシーズンではそのコースに投げることは全投手で避けていくようになり、オープン戦以上に死球を厭わず内角に投げ込まれるようになる。

そういう意味ではタイガースの佐藤選手がレギュラーシーズンでも同じペースで打てるとは思えないが、しかしそのような対策が練られているということは、佐藤選手がそれだけ素晴らしいバッターであるという証だ。筆者が次佐藤選手を目にするのは交流戦になるわけだが、それまでに佐藤選手がどれだけ活躍していくのか、というところは少し気になる。

だがそれ以上に気になるのはここから開幕に向けてコンディションを整えた今井投手が、札幌ドームでのファイターズ戦でどれだけ力強いピッチングを魅せてくれるのかということだ。それこそ今井投手が師事するダルビッシュ有投手のような、圧倒的なピッチングパフォーマンスを披露してもらいたい。そしてそれを札幌ドームで見せることができれば、オフに今井投手にアドバイスを送ってくれたダルビッシュ投手にとっても嬉しいニュースとなるはずだ。

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オープン戦が始まり、ライオンズの若き先発陣を見ていて思うことがある。それはボール以上に、自らのメンタルを上手くコントロールできていないように見える、という点だ。かつてヤンキース往年の名捕手ヨギ・ベラは言った。「野球は90%がメンタルで決まり、残りの半分がフィジカルだ」と。この言葉は未だに野球界で語り継がれているアフォリズムのひとつだ。

10年ほど前だろうか。実はライオンズにもメンタルトレーナーが在籍していたことがあった。筆者自身、そのメンタルトレーナーがライオンズを去ったのちにその方と数回お話をさせていただく機会があった。果たして現時点でライオンズにメンタルトレーナーは在籍しているのだろうか。もし在籍しているのであれば、あまり効果が表れていないように感じられるし、在籍していないのであればすぐにでも雇うべきだ。

ちなみにメジャーリーグの場合は各球団にメンタルコンサルタントという役職の専門家が在籍している。つまりアメリカでは、日本以上にメンタルを重視した野球をしているということだ。しかし日本は未だに「根性論」が根強く残っている割には、メンタルトレーニングを疎かにしているケースがほとんどだ。これはプロでもアマチュアでも同様だろう。

今ライオンズに必要な補強はメンタルコンサルタントかもしれない

今季ローテーションの軸として期待されている松本航投手今井達也投手浜屋将太投手らは皆素晴らしい能力を持っている。普通に実力を発揮できれば全員が二桁勝利を目指せるようなレベルだ。だがその肝心の実力を発揮できる確率がなかなか上がって来ない。3人とも調子が良い時は素晴らしいのだが、その良さがなかなか続かない。

これはもちろんフィジカルの疲労度なども影響してくるわけだが、それ以上にメンタルが影響していると考えられる。オープン戦での上記3投手を見ていると、「ローテーションに加わらなければならない」「結果を残さなければならない」「試合を組み立てなければならない」というように、「〜しなければならない」と考えながら投げているようにしか筆者の目には映らない。だがこの考え方はスポーツメンタルを強化するためにはタブーとなる。

そしてもう一つ思うのが、3人とも集中力が欠けているように見えるのだ。と言ってももちろん、小さな子どものように注意力が散漫になっているという類のものではない。あくまでもスポーツメンタルという意味に於いて集中力を欠いているように見えるのだ。

ではプロ野球選手に必要な集中力とは?ここではハービー・ドーフマン氏の言葉を引用したい。ドーフマン氏は現在は辣腕エージェントであるスコット・ボラス氏のクライアントらをサポートしているメンタルコンサルタントで、それ以前はアスレティックスやマーリンズでメンタルコンサルタントを務めていた。その彼曰く「選手がメンタルな鍛錬を築くことができるようサポートし、次の1球に集中するタスク限定型のアプローチに取り組ませる」ことが、彼が選手たちの集中力を高めるために行なっていることだと言う。

そしてさらに、エンゼルスなどでメンタルコンサルタントを務めているケン・ラビザ氏も「マイナーリーグにも、余計なことに気を紛らわされずにプレーできれば、メジャーでプレーできる選手は大勢いる。故にメンタルスキルトレーニングの最重要テーマは、日々、タスクを限定し如何に1球1球に集中してプレーすべきかを学ぶこと」と語っている。

だがライオンズの若き先発陣はどうだろうか。マウンド捌きを見ていると、あれもこれもやろうとしていてバッターとの勝負の前に、自分自身との勝負に手こずっているように筆者の目には映っている。野球はプロセスが非常に重要なスポーツだ。だがこのプロセスとは、目指している明確な結果があるからこそプロセスとして機能していく。だがライオンズの若き先発陣は時々、目指したい結果の形が有耶無耶な状態で、プロセスだけを良くしようとしているように見えるのだ。言い換えれば、目的地がないのに地図を眺めていても仕方がない、ということだ。

メンタル強化すれば二桁勝利できる投手が豊富なライオンズ

野球のフィジカルスキルに関しては、チームの投手コーチに相談をすればほとんどのことは解決法を見出せるはずだ。だがメンタルに関しては監督やコーチは専門外であり、メンタルスキルトレーニングの方法を選手たちに指導することはできない。そのため若き選手たちは、タスク限定型の取り組み方が必要であるという結論まで辿り着けずにいる。

オープン戦に入ってからまだローテーションが内定するようなピッチングを見せられていない投手たちに足りないのは、フィジカルでの技術ではないと思う。もちろんフィジカルももっともっと上のレベルを目指せると思うが、しかし開幕までにいきなりそこに辿り着くことは難しい。だがメンタルスキルであれば、今まではメンタルスキルの基礎が身に付いていなかった分、開幕までの期間で基礎を身につけるだけでもパフォーマンスが変わっていくはずだ。なぜならば、野球は90%がメンタルのスポーツだからだ。

ライオンズの若き先発陣は、すでに二桁勝利を目指せるだけのフィジカルは備わっている。あとはタスク限定型の取り組み方をマウンドでできるようになれば、実際すぐにでも二桁勝利を挙げられるようになるだろう。そしてメンタルという意味では現在、髙橋光成投手が一歩リードしている。髙橋投手は昨年から上手くメンタルを制御できるようになり、調子が悪くても冷静さを失わず、どうすればアウトカウントを増やせるのかと、ある程度タスクを限定できるようになってきていると思う。だからこそ開幕投手に選ばれたのだ。

理想を言えば髙橋投手、松本投手、今井投手、浜屋投手の若き先発カルテットで50勝以上を挙げることだろう。そして残りの30勝を他の先発陣やリリーバーで稼いでいくことができれば、ホークスとも互角以上の戦いができるはずだ。だがそのためにも若き先発陣はフィジカル以上に、今はメンタルを一段も二段もレベルアップさせていく必要があると、筆者はオープン戦を見ながら感じたのである。

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そろそろ本気で開幕投手を狙いたい今井達也投手

今井達也投手の今季にかける思いは今まで以上に強いように感じられる。ライオンズファンの多くが知っているように、昨季から今井投手はダルビッシュ有投手のフォームを参考にして動作改良を行なってきた。昨季はそのフォームがまだ馴染まずに制球を乱してしまう場面も多かったわけだが、今季はそのような場面は大幅に減るのではないだろうか。

今井投手とダルビッシュ投手に接点はなかった。しかし昨年のオフ、今井投手は知人を介してSNSからダルビッシュ投手にコンタクトを取ったようだ。そしてフォームを参考にしているダルビッシュ投手から直接アドバイスをもらったと言う。どのようなアドバイスをもらったのかは筆者には分からない。少なくともメディアで伝えられていることがすべてではないことだけは確かだろう。

今井投手も今季は高卒6年目のシーズンで24歳となる。年数と年齢を見るならば、そろそろ開幕投手争いに加われるレベルになっていなければならない。ちなみに涌井秀章投手は高卒4年目で初の開幕投手となりその後5年連続、松坂大輔投手に関しては高卒2年目で初の開幕投手となり、その後6年連続で開幕戦に投げている。大卒の西口文也投手は3年目から3年連続で開幕投手を務め、この3年間は開幕戦の自責点を0で並べている。

今井投手が今後エースの系譜を辿っていくのならば、そろそろ開幕投手を任されるレベルになり、その役目を数年間守り続けられるレベルにまで進化していく必要がある。そしてそのために今井投手自身が必要だと痛感したのがフォーム改善だったのだろう。

自身の球速に耐えられなかった昨季までの土台

プロ入り直後の今井投手は、スリークォーター気味のオーバーハンドスローで投げていた。ハムストリングスのバネを目一杯使った大谷翔平投手と似たタイプのメカニクスで投げていた。だが2019年頃から腕の振りが少しずつコンパクトになっていき、2020年はロースリークォーターと言っても良いくらいの角度で投げるようになっている。

プロ入り後に球速がアップしたのはこのように腕を少しずつ下ろしてきたことも影響しているはずだ。スピードガン的な球速に関しては、ロースリークォーターやサイドハンドスローが一番数値を出すことができる。

だがコンパクトになってきた腕の振りとアンバランスだったのが下半身の動作の暴れ具合だった。滅茶滅茶、というわけではもちろんないのだが、土台よりも先に上半身の動作改善をしたからだろうか、投球フォームで上下のバランスや、キネティックチェーンが上手く繋がっていないようなフォームになっていた。

そのフォームのばらつきによって制球を大きく乱していたのが昨季だったのだろう。四球で自滅してしまうパターンが少なくなかった。だが今季に関しては、上手くいっていなかった上下のバランスが良くなっているように見える。そして筋肉を増やすことによって、より速いボールを投げられる衝撃に耐えられるスタビリティを得られたようにも見える。

今井投手の最速はフェニックスリーグでは157km、1軍では155kmとなっているようだが、体の使い方の巧みさからこの球速を出すことができていたが、この球速に耐えられる土台がまだできていなかった。その土台が今季はある程度作れてきているように筆者の目には映っている。ただ、もちろんまだ本格的な今季のピッチングを見たわけではないので正確なことは言えない。

筋出力を抑えながら出せるようになった今までの球速

今井投手自身のコメントでは、昨季までよりも抑えた筋出力によって、昨季までと同じ球速を出せているのが今季ここまでの状態であるようだ。これは非常に良い傾向だと思う。

筆者も仕事で多くのプロアマ投手のパーソナルコーチングを行なっているのだが、球速アップを目指す選手に対して必ず伝えるのが、まず今よりも1〜2割力を抜いて、今と同じ球速を投げられるようにする、ということだ。球速アップを目指す際、この考え方を蔑ろにしてしまうと根本的なところでメカニクスが狂ってしまい、フォームを崩し、最速がアップしたとしても勝てる投手になれないケースが多くなる。

だが現段階の今井投手は球速を外付けしていくのではなく、根本的なメカニクスを見直すことによって球速をアップさせてきている。そのメカニクスの1つが上述した腕を振る高さであったり、あとはスピンさせる軸の角度ということになる。

今井投手とダルビッシュ投手では異なるスケール効果の大きさ

さて、実は今井投手はひとつ注意しなければならない点がある。それは腕をコンパクトに振ることは、ダルビッシュ投手よりも今井投手の方がやや難しくなる、という点だ。これも昨季の制球のばらつきに影響していたはずだ。

身長に対する腕の長さの割合が、ダルビッシュ投手よりも今井投手の方が長い。専門的に言うとこれはスケール効果が大きくなることを意味し、今井投手はダルビッシュ投手のフォームを模倣することはできるわけだが、まったく同じメカニクスで投げることはできない、ということだ。

つまり今井投手がダルビッシュ投手のフォームを上手く取り入れていくためには、ただ真似をするだけではいけないということで、それを生かすためには今井投手自身が、ダルビッシュ投手のフォームに自分自身の体型に合わせたアジャストをしていく必要がある。そして恐らくだが、そのアジャストに対する試行錯誤を繰り返していたのが昨年だったのではないだろうか。

そして今季はダルビッシュ投手本人から助言をもらったこともあり、今井投手自身悩みを吹っ切ることができたのではないだろうか。投球理論に関しては、当然経験の差からダルビッシュ投手の方が圧倒的に多くのものを持っている。その引き出しからヒントをもらったことにより、今季は今井投手もきっと何かを掴むことができたのだと思う。

昨季までの今井投手は、どこか結果だけを追い求めているような印象があったのだが、今季はプロセスを重視しているようにも見える。結果ばかりを求めても、プロセスが上手くいかなければ良い結果も伴わない。だがプロセスがしっかりしていれば、結果は自ずと付いてくる。

もちろん開幕してみなければどうなるかは分からないわけだが、今季の今井投手は今のところの姿を見る限りでは、最多勝争いに加わってくるような活躍を見せてくれるのではないだろうか。そして今季こそは覚醒してくれるのだろうという筆者の願いは、今まさに揺るぎないものとなってきている。