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1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オリックス 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 7 0
西武 2 0 0 0 0 2 1 0 × 5 7 0

【継投】
平井克典〜ギャレット〜平良海馬〜増田達至

【ホームラン】
森友哉(2号)

観衆:9,517人、試合時間:2時間51分

らしさ全開のピッチングを披露してくれた平井克典投手

開幕3試合目の先発マウンドに登ったのは平井克典投手だった。ご存知のように平井投手は、今季から本格的に先発転向を果たしている。オープン戦でも良いピッチングを続けていたわけだが、開幕してからのこの本番でも、平井投手らしい素晴らしいピッチングを披露してくれた。

数字的には6イニングスで97球を投げて被安打6、四球2、失点0という内容だった。走者を溜める場面も何度か見られたわけだが、今日の平井投手のピッチングを見ていてとにかく感じたのは、低めへの制球に気をつけているという点だった。昨日の浜屋将太投手に関してはそれができずに失点を重ねてしまったわけだが、今日の平井投手の低めへの制球と、打者への意識付けは見事だった。ここが今季30歳になるという円熟味なのだろう。

バファローズの先発は、2019年・2020年と2年連続で開幕投手を務めていた山岡投手だった。厳しい試合になることも予想されたわけだが、森友哉捕手が初回からツーランホームランで援護してくれたこともあり、平井投手も非常に楽な気持ちで投げられているように見えた。こうして改めて見ていると、やはり野球では先制点が大事なのだなと実感する。

剛球以上に魅力的でクレバーな平良海馬投手のピッチング

先発した平井投手も素晴らしかったわけだが、7回以降を継いで行ったリリーバーたちのピッチングもまた見事だった。ギャレット投手はソロホームランを浴びてしまったわけだが、ギャレット投手に関してはまだ本調子とは言えない。やはりコロナウィルスの影響で来日が遅れ、チームへの合流も遅くなってしまったことが調整不足に繋がっているのだろう。ギャレット投手に関しては、4月中はオープン戦のつもりで徐々に調子を上げて行ってもらえれば良いと思う。

三番手の平良海馬投手に関しては、今日はシンカーが非常に良かった。パ・リーグTVの中継ではチェンジアップと紹介されていたのだが、もしかしたらチェンジアップなのだろうか。だが筆者の目には、握り方も軌道もシンカーであるように見えた。このボールがスライダーとの相乗効果を生み、バッターに的を絞らせることがなかった。平良投手は剛球に頼るだけではなく、非常にクレバーなピッチングを見せてくれる。

森捕手のサインにも首を振って、しっかりと自分が投げたいボールを投げている。最近は配球はすべて捕手任せという投手も多い中、自分が投げたいボールをしっかりと考えながら投げられる平良投手は非常に素晴らしいと思う。配球がすべて捕手任せだと、捕手の頭脳1つで配球を組まなければならず、その捕手の癖が読まれてしまうと的も絞られやすい。だが平良投手のようにバッテリーで協力して配球を組んでいける場合、頭脳を2つを使うことができる分、相手としても癖を読んだり、的を絞ることが難しくなる。そういう意味でも平良投手の姿勢は素晴らしいと思う。

マウンドでの貫禄が違う増田達至投手

そして最終回のマウンドに登ったのは増田達至投手だったわけだが、マウンドで投げる姿を見ていても貫禄が違う。さすがは昨季無敗の守護神だ。最終回をわずか10球で三者凡退に抑え、バファローズに付け入る隙を与えなかった。

セーブが付く場面ではなかったが、明日月曜日は試合がないことと、火曜日からの試合は2連戦であることを踏まえ、肩が軽くなりすぎないように今日は4点差でもそのままマウンドに登ったのだろう。増田投手がマウンドに登ると本当に安心感が漂う。まるで約20年前、豊田清投手が守護神として最終回のマウンドに登った時のような雰囲気だ。ファン目線だけではなく、相手チームからしても増田投手がマウンドに登った時点で試合終了という雰囲気になってしまうのではないだろうか。

打つべき人にヒットが出始めてきた打線

バッティング面では、打つべき人にヒットが出始めている。オープン戦からあまり芳しくない打率が続いていた源田壮亮主将も、開幕3試合目にして打率を.300まで乗せてきた。このままシーズンが終わるまで.300を切らずに行ってもらいたいわけだが、もちろんそう簡単ではないだろう。だが源田主将には守備面だけではなく、バッティングでも注目される選手になっていってもらいたい。

中村剛也選手 も開幕に間に合うかどうか不安視されていたのが嘘だったかのように、しっかりと良いところでヒットを打ってくれている。今日の3打席目でも2-0だったスコアを4-0にし、一気に投手陣を楽にしてくれる一打を放ってくれた。この2点があったことで、ブルペン陣もそれぞれリラックスしてマウンドに登って行けたはずだ。

捕手としては成長中も、打者としては一流とも言える森友哉捕手

そしてやはり書かなければならないのは森友哉捕手の初回のツーランホームランだろう。打率こそまだ.222に留まっているが、しかしバッティングの状態は決して悪くはない。ボールも良く見えているような見送り方を見せているし、バットも良く振れている。バファローズの投手陣も森投手に対しては最大限のケアを見せてきたため、ヒットの本数こそ増やすことはできなかったが、しかし今後相手投手の失投気味のボールが増えてくれば、森捕手の打率もグングン上がっていくはずだ。

ライオンズ史上で、ここまでバッティングが良かった捕手というのもいないのではないだろうか。伊東勤捕手もここまでは打てなかったし、高木大成捕手や和田一浩捕手はすぐにコンバートされてしまった。他球団としては何を懸念していたのだろうか。身長だろうか。筆者個人としては、森捕手がドラフトで単独指名だったことが未だに信じられない。4〜5球団での競合になっても不思議ではない高校生だったと今でも思っている。

捕手としてはもちろんまだまだ成長過程だ。キャッチングの技術にしても、例えば細川亨捕手、野田浩輔捕手、炭谷銀仁朗捕手らと比べるとまだまだ発展途上だ。そして盗塁を企画された際の二塁送球時のスローイングに関しても決して速くはない。まずフォームが未だに大きいことが気になる。スポーツ科学的には、大きいフォームで強いボールを投げた時よりも、サイドハンドスローで素早くリリースして行った時の方がボールが二塁に到達する時間は短くなるということが明らかになっている。これはPop to Popを計測すれば明らかだ。

だが森捕手の場合、この3連戦での二塁送球を見ていてもまだまだスローイングアームの動きがコンパクトではなく、オーバーハンドスローに近いフォームで投げている。森捕手は基本的には強肩だ。普通に投げるだけでも非常に強い送球を投げることができる。だが大きなフォームで強いボールを投げても盗塁阻止率を上げることはできない。

例えば2020年の盗塁阻止率リーグ1位はイーグルスの太田捕手で.333、森捕手はリーグ3位で.312だった。.312でも決して悪い数字ではないのだが、しかし細川亨捕手はライオンズ時代に盗塁阻止率.469という数字を残している。この数字を目の当たりにしてきた筆者からすると、.312でも.333でも非常に低く見えてしまうのだ。

このような数字を見るだけでも、森捕手はキャッチャーとしてはまだまだ発展途上であることがよく分かる。だがバッティングに関しては文句のつけようがない。すでに首位打者に輝いているし、今季も僅か3試合で2本塁打を放っている。しかも2本とも甘いボールを打ったわけではなく、内角低めの非常に難しいボールをスタンドまで運んでいるのだ。これは運だけでできるバッティングではない。

1本目のホームランを打った際、森捕手は「空振りしたかと思った」とコメントしているのだが、これはまさに森捕手がホームランアーチストになった証だ。ボールにバックスピンをかける打ち方で打球を上げられるようになると、インパクトの手応えがほとんどなくなることが多くなる。本当に空振りしたのかという感覚になるのだ。

筆者は以前、仕事で中村剛也選手の動作分析をさせてもらったことがあるのだが、中村選手も同じようなことを言っていたことがある。良い打ち方ができた時は一瞬空振りしたかと思うほど手に手応えを感じないのだが、ボールは高々と舞い上がりスタンドインしていく。逆に力んだり、上半身主体のバッティングになってしまった時は手に残るインパクトの衝撃が強くなる。

今最も三冠王に近いバッターは森友哉捕手である、と筆者は2月に書いたのだが、その判断は間違ってはいなかったと確信している。もちろん今年いきなり三冠王になれるほど三冠王という称号は身近なタイトルではないわけだが、しかし近い将来、森友哉捕手が三冠王を獲得する可能性は決しては低くはないだろう。

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1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オリックス 0 0 1 1 1 0 0 0 0 3 9 1
西武 1 0 0 0 0 0 1 0 0 2 6 0

【継投】
浜屋将太〜宮川哲〜佐野泰雄〜吉川光夫〜ギャレット〜伊藤翔

観衆:9,525人、試合時間:3時間04分

初回から力みが抜けなかった先発浜屋将太投手

開幕第二戦の先発マウンドに登ったのは2年目の浜屋将太投手だった。オープン戦では落ち着いたマウンド捌きを見せていたのだが、やはり本人にとっての開幕戦ということもあったのだろう、初回から力みが見えてボールを制御し切れていなかった。

浜屋投手のような技巧派投手が力んでしまうと、球速がちょうど打ちやすいところに入ってしまう。そして力むことで左投手の右股関節を深く使いにくくなり、ボールリリースが僅かに早まってしまうことで、ストレートがややスライダー回転しているように見えた。また、本来であれば変化球をとにかく低めに集めなければならないところを、力むことによって高めに抜けてしまうことも多かった。

本人曰く、調子は悪くはなく普通だったらしい。それでもいつも通りのピッチングができなかったというのは、今季初登板の緊張からだったのかもしれない。ストレートにはそれほどの伸びは感じられず、ボールも全体的に上ずっていた。浜屋投手のように140km台そこそこのストレートの場合、やはり低めに上手く制球ができないと失点を重ねてしまうことになる。

結果的には5回持たず、4回2/3で85球を投じ、被安打4、四死球4、失点3という内容で負け投手になってしまった。ただ失点はすべて1点ずつで、ビッグイニングを作らなかったことは良かったと思う。先発としての役割を十分に果たせたとは言えないが、しかし次回の登板に向けて大崩れする前にしっかりと課題が見つかったのは、一つの光明だったと思う。

浜屋投手は2年目とは言え、修正能力の高い投手だ。次回の登板ではもう少しリラックスして、浜屋投手らしいピッチングを見せてくれるのではないだろうか。

低打率でもオーダーから外すべきではない金子侑司選手

さて、打撃陣に関しては今日は栗山巧選手がベンチ入りメンバーから外れてしまった。だがどこか怪我をしたというわけではなく、下半身に張りが出たという程度のものだったらしい。まだ開幕2戦目で、ここで無理をさせる必要はないため辻発彦監督もベンチ入りから外したのだろう。仮に今日明日の試合は出なかったとしても、来週になればまたスターティングオーダーに名を連ねてくるのではないだろうか。

打線としては、今日はバファローズの高卒2年目・宮城投手に完全に翻弄されてしまった。一応は5安打で2四死球と走者は出したのだが、打線を繋げることができなかった。カーブを2〜3種類投げていたように見えたのだが、右打者の内側に食い込んでくるボールと、左打者から逃げていくボールに対し、ライオンズ打線がまったく対応することができなかった。

特に1番金子侑司選手はまったく合わせることができず、宮城投手に対し4打席で2三振も喫してしまった。今日は金子選手が先頭打者として打席に入った場面が3回あったのだが、どんな形であっても出塁しなければならず、辻監督も金子選手に対しては出塁率を上げるように指令を出しているのだが、この2試合ではまだリードオフマンとしての役割はほとんど果たせていない。

金子選手自身、宮城投手に対しまったく合っていなかったのは自覚していたはずだ。そしてチーム全体としても宮城投手に苦しんでいたのは明らかで、このような状況であれば自らの脚力を活かしてセーフティバントをしたり、とにかく転がして内野安打でも相手のエラーでも、どんな形であっても出塁するという姿勢を見せられれば良かったのかなと思う。

このように、バッティングではまだチームに貢献し切れていない金子選手だが、しかし金子選手をオーダーから外すわけにはいかない。なぜなら、例えヒットを打てなくても守備力で相手のヒットを防いでくれるからだ。

この守備など本当に見事だった。これはスライディングキャッチというファインプレーにも見えるのだが、この打球はセンターとしては最も難しい打球だと言える。ライナーが正面から飛んでくるとボールとの距離感を測れないため、落下点を予測するのが非常に難しいのだ。しかもモヤ選手のこの打球は最初はレフト方向にやや曲がりながら飛んでいるように見えたが、金子選手の目の前で打球が反対側に僅かに曲がったように見えた。恐らくはボールに不規則な回転がかかっていたのだろう。

そしてこの打球は、金子選手の守備範囲の広さと打球判断の良さがなければ、まず追いつけなかったはずだ。平凡な中堅手であれば、これは完全にセンター前ヒットになっていただろう。モヤ選手自身、ヒットを1本損したというような表情を見せていた。

金子選手のこのような守備は、打率を1割増しで見てあげて良いと思う。つまり今はまだ打率が.125であるわけだが、.225だと見てあげたい。もちろん.225でもまったく褒められる打率ではないわけだが、しかしこうして試合に出続けていれば、この打率も一週間後にはかなり上がっているのではないだろうか。

今日に関しては宮城投手にまったく合っていなかった金子選手だが、しかし相手が変わればバッティングも変わる。明日のバファローズの先発は山岡投手でまた難敵が立ちはだかるわけだが、しかし明日はまた新たな気持ちで打席に立てるのではないだろうか。

ここまでのライオンズは1勝1敗で、2試合とも引き締まった試合を見せている。昨季までは、負ける試合では大敗することも多かったライオンズだが、しかし今季は例年になく先発投手陣が踏ん張っている。そして明日先発マウンドに登る平井克典投手もまた、ツーレーンピッチャーとしての本領を発揮してしっかりと試合を組み立ててくれるはずだ。期待しよう!

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1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オリックス 0 0 0 0 0 1 1 1 0 3 8 2
西武 2 0 3 0 0 0 0 0 × 4 7 0

【継投】
髙橋光成〜平良海馬〜S増田達至

【ホームラン】
森友哉(1号)

観衆:9,599人、試合時間:2時間30分

初の開幕投手でエースとしての役割を果たした髙橋光成投手

2021年プロ野球がいよいよ開幕した。今季もコロナウィルスの影響が色濃く出ている中、メットライフドームでは観衆の上限を1万人に制限した上でこの日を迎えた。本来であれば開幕戦は超満員の中で行われるべきなのだが、コロナウィルスが収束するまではメットライフドームに満員御礼のご祝儀が出されることは、もうしばらくの間はないのだろう。

9,599人の観衆が見守る中、開幕投手としてマウンドに登ったのは髙橋光成投手だった。昨季中盤から着実にエースとしての階段を登り始めていた高橋投手だが、今夜の結果は7回1/3を投げて球数102球、被安打7、奪三振3、失点3という上々の内容だった。今夜のピッチングで最も評価できる点は、やはり無四球でマウンドを降りたことだろう。球数も少なく抑えることができたし、何よりも投球のリズムが良かった。

髙橋投手のポテンシャルからすれば、今夜のピッチングはまだまだ及第点程度の数字だと思う。しかし初めての開幕マウンドでチームを勝利に導いてくれたのだからそれで十分で、あとはここからまた少しずつギアを上げていってくれることに期待したい。

8回の1失点に関しては、2安打で走者を溜めてしまった後、平良海馬投手が後続をショートゴロに仕留めた際に生還した走者のため、この1失点はまったく気にする必要はないと思う。だがその前に打たれているソロホームラン2本に関しては、これを1本で抑えられていればなお良かった。

まず6回表、簡単に二死となった直後に吉田選手に打たれたボールは、初球高めに抜けてしまったカーブだった。このボールが抜けずに真ん中よりも低めに制球できていたら、ホームランにはならなかっただろう。球界を代表するスラッガーを前にかなり注意を払ったとは思うのだが、もしかしたらケアし過ぎて力んでしまい、カーブが抜けてしまったのかもしれない。

そして7回、頓宮選手に打たれたホームランもまた、簡単に二死を取ってからのものだった。同じパターンを二度続けてしまったという点では、やはり真のエースとなるためにはこのどちらかのホームランは防ぎたいところだった。この頓宮選手に打たれたのも初球だったわけだが、ほぼ真ん中の高さの外角のボールだった。もちろん甘いと言えば甘いのだが、しかし今夜に関しては、このボールをコースに逆らわずにライトスタンドへ運んで行った頓宮選手を称えるべきなのだろう。

さて、今季初勝利を挙げた髙橋投手の次の相手は宿敵ホークスだ。福岡に乗り込んでの一戦になるわけだが、今季ホークスとの戦いでイニシアティブを握っていくためにも、このカードは是が非でも勝ち越さなければならない。そのため高橋投手にとっては、次の試合も開幕戦同様に重要なマウンドとなる。だが今日のピッチングを見る限りでは、来週のPayPayドームのマウンドでもやってくれるはずだ!

ホームランアーチストの打球を魅せてくれた森友哉捕手

続いて打撃陣を振り返ってみると、今夜はまず森友哉捕手が見事な放物線を描くホームランを魅せてくれた。今季、森捕手は打球にバックスピンをかけて飛距離を伸ばしていくことに取り組んでいるわけだが、それが上手くいったスウィングを初戦から披露してくれた。

打ったボールは内角低めのカッターだったと思うのだが、非常に厳しいボールだった。決して山本投手の失投ではなく、そもそもこのコースに来たカッターをヒットにするだけでも一苦労であるはずだ。それを見事にバットに乗せて見せたのだから、これはバファローズバッテリーとしても、森捕手のバッティングを称えるより他ないだろう。

栗山・中村両ベテランコンビもまだまだ元気!

そして若い森捕手だけではなく、今夜は栗山巧選手中村剛也選手のベテランコンビも2安打ずつ放ち、元気な姿を見せてくれた。中村選手に関しては開幕戦に間に合うかどうかも危惧されていたわけだが、守備でもバッティングでも元気な姿を見せてくれて本当に良かった。あとはいつ今季1号ホームランが飛び出すかというところだろう。

栗山選手に関しては今夜の2安打で通算安打数を1,928本とし、2,000本安打まではあと72本となった。もちろんまだまだカウントダウンするには気が早い数字ではあるが、しかしこうして元気な姿を見せてくれていれば、自ずと72という数字も減っていくだろう。ただ今夜は3打席目に死球を受けているため、これが怪我に繋がっていないことを祈るばかりだ。

明日も同じくバファローズと対戦するわけだが、先発マウンドに登るのは浜屋将太投手だ。今季は飛躍が期待される若手投手のひとりであるわけだが、オープン戦のような落ち着いたマウンド捌きを見せてくれれば、明日もしっかりと試合を組み立てることができるだろう。今夜に関してはバファローズの拙守に助けられた面もあったが、しかし明日は今夜のようにはいかないはずだ。

流石に失点に繋がるような失策はもうして来ないだろうし、明日は今夜以上にタフな試合になることが予想される。バファローズからすれば開幕2連敗は是が非でも避けたいところであり、死に物狂いで白星を取りに来るはずだ。浜屋投手はその相手をしなければならないわけだが、しかし6〜7イニングスを3点以内に抑えるピッチングができれば、勝利の女神は浜屋投手に微笑んでくれるはずだ。明日も14時からナイスゲームを期待したい!



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1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
西武 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0
オリックス 0 0 0 1 1 0 3 0 × 5 4 0

【継投】
平井克典吉川光夫〜田村伊知郎〜伊藤翔

西口コーチのプレッシャーを見事糧にした平井克典投手

約2週間後の開幕戦の予行練習とも呼べた今日のバファローズ戦、先発マウンドに登ったのは平井克典投手だった。結果から言うと3イニングスを41球、被安打0とほぼ完璧な内容で投げ終えた。今日の好投により、平井投手は開幕3戦目のオリックス戦に先発することが内定した。

これだけの好投を見せても3イニングスだけで投げ終えたというのは、やはり開幕カードに向けて相手に手の内を見せないためだったのだろう。これがもしセ・リーグが相手だったら平井投手も5〜6イニングスを投げていたと思う。なおこの登板後、平井投手は完投を想定してブルペンで70球ほどを投げ込んだようだ。

今日の平井投手は本当に失投が少なかった。41球中、甘いと思われたのはジョーンズ選手に対する2球と、佐野選手への1球、真ん中にスーッと入ってしまった甘いボールは合わせて3球のみだった。それ以外のボールはツーレーンピッチャーらしく内外のゾーンを上手く使い、ツーシームとシュート系のボールでバットの芯を上手く外していった。

これだけ安定した制球力を維持できれば、シーズンでも大崩れすることはないだろう。あとは先発し続けて溜まっていく疲労さえコントロールできれば、シーズンを通して活躍し続けることができるはずだ。

二番手としてマウンドに登るのが吉川光夫投手だったことは、平井投手自身登板前から知っていたのではないだろうか。西口文也投手コーチからすると「ちょっとでも変なピッチングをしたらすぐに吉川と入れ替える」という無言のプレッシャーを平井投手に与えたかったのだろう。そして平井投手もそのプレッシャーを糧にし、本当に素晴らしいピッチングを見せてくれた。今日のピッチングは、まさにシーズンにとっておきたいような素晴らしい内容だった。

今年のバファローズは簡単にはBクラスには沈まないだろう

平井投手が素晴らしいピッチングを披露した反面、打撃陣は僅か1安打で零封されてしまった。しかしこの結果はさほど心配すべきものではないだろう。まずバファローズは、中嶋聡監督が9イニングスで10投手を注ぎ込む奇策を見せてきた。このような戦術はシーズンでもまず見られるものではなく、まるで仰木マジックを継承したかのような采配ぶりだった。

野球は、どれだけ相手が嫌がる野球をできるかで勝敗が決まることが多く、少しでも相手の嫌がる戦術を敷くことは監督としてのセオリーだ。そういう意味では中嶋監督は勝利に執着した非常に素晴らしい戦術を見せてきたと思う。辻発彦監督もこの中嶋監督の戦術には明らかに嫌そうな表情を見せていた。

オリックスの名の下で最後に優勝したのは1996年だ。もう四半世紀も前の話だ。オリックスというチームはそれほど優勝から遠ざかっているわけだが、今年のオリックスバファローズは、今までのようにはいかないだろう。簡単にBクラスに沈んでいるようなチームではもうないように見える。中嶋監督がこの短期間でチームの雰囲気をガラリと変え、今までの負け癖もすでに払拭されているように感じられる。

ちなみにバファローズは10人の継投を見せてきたわけだが、試合はなんと2時間27分で終わっている。多すぎるピッチャー交代が試合時間を無益に引き伸ばしているとも言われているわけだが、今日のように1イニング1投手による継投であれば、何人投手を注ぎ込んでも試合時間が伸びるわけではないということが証明された。

逆に継投がなくても、リズムが悪いピッチャーが投げていれば試合時間はどんどん伸びていくし、見ていて疲れるゲームになってしまうケースも多い。そういう意味では中嶋監督は非常に引き締まった戦い方を見せてくれた。だが今日のような継投をレギュラーシーズンで見せることはほぼないだろう。恐らく今日の継投は、開幕カードの対戦相手に手の内は見せないという意味での継投だったはずだ。

監督6人全員が魅力を持つ今季のパ・リーグ

筆者は西武ファンであるわけだが、今年のバファローズの戦い方には実にワクワクさせられている。それはもちろん、かつてライオンズで松坂大輔投手の女房役を務めていた中嶋聡監督が見事な采配を見せてくれているからだ。相手チームの嫌がる野球をやるというのは、まさに故仰木彬監督や、東尾修監督の下で学んだ野球なのではないだろうか。

ちなみに「仰木マジック」という言葉は、「三原魔術」を文字った言葉だ。筆者が最も尊敬している野球人は三原脩監督と渡辺久信GMであるわけだが、その三原監督の采配の妙は「三原魔術」と呼ばれ他球団から恐れられていた。だが当の三原監督自身は「魔術師」と呼ばれることをひどく嫌がっていたらしい。

三原監督の下で野球を学んだ仰木監督(現役時代はライオンズ)の教えを受けた中嶋監督、森・野村・落合という名将の下で帝王学を学んだ辻監督、三原脩監督を師と仰ぐ栗山英樹監督、野村克也監督の教え子である石井一久監督、王監督の下で帝王学を身につけた工藤公康監督と井口資仁監督。今季のパ・リーグの監督たちは本当に魅力溢れる人物ばかりだ。

野球は選手がするものだが、しかし監督によってチームがガラリと変わることも事実だ。今季はバファローズが非常に面白い戦いを見せてくれそうな雰囲気があるだけに、パ・リーグのレギュラーシーズンは非常に中身の濃い143試合となるのではないだろうか。筆者はもちろんライオンズファンであるわけだが、しかし他球団の監督たちがどのような野球を見せてくれるのかも、今季は例年以上に楽しみにしていきたい。

バファローズ戦

2021年02月24日(水) バファローズvsライオンズ練習試合

1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
西武 0 1 0 0 2 0 0 0 1 4
オリックス 0 1 0 0 1 0 0 0 5

継投

十亀剣〜上間永遠〜増田達至〜井上広輝〜田村伊知郎

開幕ローテーション入りが期待されるベテラン十亀剣投手

宮崎SOKKENスタジアムで行われたバファローズとの練習試合、先発マウンドに登ったのは開幕ローテーション入りが期待されるベテラン十亀剣投手だった。昨季は1・2軍合わせて16登板だったという実戦の少なさを思えば、今季対外試合初登板の内容としてはまずまずだったのではないだろうか。

3イニングスを投げて被安打5、奪三振2、四球2、併殺2、失点1という内容だった。数字的にはもし6イニングスを投げていれば2失点のQSクリアという内容だった。ただ、これは前日の松本航投手にも言えることなのだが、変化球が全体的に高かった。特にベテランであり、もう若い頃のようにボールの勢いで打者を抑えられる年齢ではなくなった十亀投手の場合、今日のような変化球の高さはシーズン中なら致命傷となってしまうため、今後の調整に期待したい。

しかし今季初登板ということを考えれば、この調子で少しずつ状態を上げていってくれれば、開幕ローテーションの1枠を安心して十亀投手に任せることができるだろう。走者を出してもバタバタすることなく、落ち着いて1つずつアウトカウントを増やしていった姿は、さすがベテランだなと思えるもので、見ていて安心感があった。

3打数3安打1四球、全打席出塁だった金子侑司選手

打つ方では金子侑司選手が3打数3安打1四球と、4打席すべてで出塁する大活躍だった。辻発彦監督が金子選手に求めているものがまさに出塁率であるため、金子選手は今日は、その監督の期待に大いに応えた本当に素晴らしい内容だった。

先日はホームランを放っているし、今日の試合でもあわやフェンスオーバーというライトフェンス直撃のスリーベースヒットを放っている。しかしこれだけ長打を見せても金子選手自身は「自分は長打を求められているわけではない」と冷静に振り返っているため、気持ち良く続いている長打によってバッティングを崩す心配もないだろう。

開幕まではまた1ヵ月あるわけだが、ここまでの姿を見る限りでは、金子選手はもうしっかりと仕上がっていると言って良いのではないだろうか。あとはこの好調なバッティングをシーズンに持ち込むことができれば、今季は不動の1番バッターとしてチームを優勝へと導いてくれるはずだ!

今季、筆者が最も注目している選手の一人が山野辺翔選手

そして金子選手同様にバッティングで大きなアピールをしたのが山野辺翔選手だ。今日の試合ではなんと4打数4安打の大当たりだった。この試合では二塁手として出場した山野辺選手であるわけだが、このようなバッティングを見せられると、開幕サードというポジションも視野に入ってくる。

もちろん4打数4安打という内容を毎日毎日続けていくことは不可能だ。だが今日のように積極的にヒットを狙いにいくバッティングを続けていれば、レギュラーシーズンに入っても.270程度の率を残すことはできるのではないだろうか。そして山野辺選手が.270前後の打率で8〜9番に入ることができれば、布陣の守備力を低下させることなく今ポッカリと空いてしまっているサードの穴を埋めることができる。

昨日から、ホームランを打ったタイシンガー・ブランドン大河選手ばかりが注目を集めているが、しかし筆者は今季レギュラー奪取に対する並々ならぬ貪欲さを見せてくれている山野辺選手にキャンプ中から注目をしていた。

山野辺選手がある程度のバッティングを見せ続けることができれば、サードだけではなくレフトでの起用もあり得るし、外野に慣れている外崎修汰選手がレフトに回り、山野辺選手がセカンドに入るということもあり得る。

山野辺選手としてはスーパーサブの熊代聖人選手を目指したいとコメントしているが、しかしその目標に止まっているようではレギュラーを獲ることはできない。野球選手である限り、やはり目指す場所はスタメンだ。だからこそどうせ目指すのであれば熊代選手のポジションではなく、ユーティリティープレイヤーとしてリーグを代表する選手に成長した外崎修汰選手を目指してもらいたい。

外崎選手と山野辺選手がふたりともセカンドとレフトの両方を守ることができれば、これはチームにとって大きなオプションとなる。さらに言えばふたりともサードとして1軍の試合に出場している経験があるため、山野辺選手が.270前後の数字を残せるようになれば、サードとレフトの穴も比較的簡単に埋めることができるだろう。

中村・スパンジー両選手の不在を悲観する必要はなさそうな雰囲気

ライオンズの対外試合はまだ始まったばかりで、何かを判断するにはまだまだ時期尚早だ。しかし少なくとも、ここから開幕までの1ヵ月の間に楽しみとなる要素が増えてきていることは確かだ。

目の色が変わってきた山野辺選手、ルーキーとして期待以上のアピールをしているブランドン選手、そして同じくルーキーでありながら今日も二塁打を打ちしっかりとアピールを続ける若林楽人選手。

中村剛也選手スパンジェンバーグ選手が開幕に間に合うのかは不透明な状況であるわけだが、若い選手たちがこうしてアピールを続けている姿を見ていると、どうやら悲観する必要はなさそうだと思ったのは筆者だけではないはずだ。