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2021年今季から、コーリー・スパンジェンバーグ選手の登録が外野手から内野手へと変更になった。この登録変更は特別な意味があるものではないと思うが、もしかしたらチームの意向というよりも、スパンジェンバーグ選手の意向なのかもしれない。スパンジェンバーグ選手はアメリカ時代は主にセカンドとサードを守っていたからだ。

メジャーでの数字だけを見ると、外野(レフト)は2017年に32試合守っただけで、その他の年は1〜5試合程度しか外野は守っていない。元々が内野手だっただけに、外野手登録となった昨季がイレギュラーだったのだろう。

内野は主にセカンドとサードを守るわけだが、セカンドには昨季のゴールデングラブ賞の外崎修汰選手の存在がある。そのためよほど外崎選手の打撃が低迷しない限りは、スパンジェンバーグ選手のポジションのメインがセカンドになることはないだろう。

そしてサードには中村剛也選手の存在があるが、中村選手は今季38歳となる大ベテランだ。さすがにサードでフル出場させることはできない。辻発彦監督も中村選手と同学年の栗山巧選手を基本的には休ませながら、コンディションが良い時に集中して起用していく意向を持っている。となれば、昨季は79試合にしか出られなかった中村選手に対しても同じ意向を持っているはずだ。

栗山選手や中村選手を休ませたり、DHで併用していく際、今季もスパンジェンバーグ選手がサードやレフトを守るのだろう。登録が内野手になったからといって、外野を守らないということにはならない。そのため今季も、昨季同様に内外野を守るのだと思う。

捕手と一塁手以外はすべて経験済みのスパンジェンバーグ選手

スパンジェンバーグ選手は決して「最強助っ人」というタイプではない。昨季は三振がリーグトップという荒さも目立ったが、今季は日本人投手たちの特徴も今まで以上に頭に入っている分、三振の数は減っていくだろう。最強助っ人ではないが、優良助っ人なのは確かだと言える。

そして、実はOPS(出塁率+長打率)はライオンズのトップで、三塁打はリーグトップだった。以前のメヒア選手のように爆発的にホームランを打つタイプではないが、しかしだからと言って長打率が低いわけではない。ヒットの48%が二塁打・三塁打・本塁打の長打なのだ。

外崎修汰選手が今季は何番を打つのかまだ分からないが、外崎選手次第ではスパンジェンバーグ選手の打順は5〜6番になることが多いのではないだろうか。さすがに恐怖の9番打者ボカチカ選手のような起用法にはならないと思う。

ちなみにスパンジェンバーグ選手はメジャー時代、捕手と一塁手以外はすべてのポジションを経験している。さすがに日本で投手起用されることは考えにくいが、しかし、もしかしたらかつてのデストラーデ選手のように、試合状況によってはファンサービス的な登板もありえるかもしれない?!

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西武の外国人選手の来日は2月下旬予定

今季ライオンズでプレーをする外国人選手は今のところニール投手、ギャレット投手、メヒア選手、スパンジェンバーグ選手の4人となっている。この4選手の来日が緊急事態宣言の発令により2月下旬にずれ込むことになっており、状況によっては3月になる場合もあるかもしれない。他球団の外国人選手たちの中にはすでに来日をしている選手たちもいるが、西武球団では彼らに小さな子どもがいたり、夫人が妊娠中という事情もあることから、慌てて来日させない方針を示した。

ただ、来日した時点でしっかりとプレーできるようにコンディショニングしておくこと、という点に関しては通達されているようだ。しかし4選手ともに日本でプレーをするのは2年目以上であるため、それほど心配をする必要はないだろう。

来日2年目以降であれば、日本野球のレベルがどれほど高いのかをすでに把握している。少しでも力を抜いたり、少しでもコンディショニングに失敗をすれば活躍できない、ということは重々承知のはずだ。以前コンディショニングに失敗をしたメヒア選手やニール投手などは特にそうだろう。

昨季のニール投手はエースとしての活躍が見込まれていたが、コンディショニングの失敗により、エンジンがかかって来たのは終盤戦に差し掛かってからだった。少なくともニール投手の6勝8敗という勝ち負けが逆だったら、ライオンズも昨季はもう少し違った戦い方ができていただろう。だからこそニール投手自身も、今季にかける思いは一入のはずだ。

今季もコロナウィルスにより難しくなる開幕までの調整

春季キャンプは今のところ無観客で予定通り南郷と春野で行われるようだ。だが2月1日のキャンプインに間に合わない外国人選手たちの調整は、昨年同様に難しくなるだろう。特にピッチャーの生きたボールを打って目慣らしをしていきたいメヒア選手とスパンジェンバーグ選手にとっては、3月までピッチャーのボールを打てない状況は調整を難しくすると思う。

もちろん母国で練習パートナーを相手に打ち込んでくるとは思うが、しかし紅白戦や練習試合で打席に立った時の感覚とは比較できるものではない。そのため打者陣としてはできるだけ早く来日して打ち込みたいというのが正直なところだろう。また、守備でも期待されているスパンジェンバーグ選手の場合、チームメイトとのフォーメーションにも慣れておく必要がある。

コロナウィルスによって来日が早くても2月下旬になってしまう4選手にとっては、今季も開幕までの調整は難しくなるだろうが、しかし今ファンが望むことはとにかく4人に感染せずにチームに合流してもらう、ということだ。とにかくこれに尽きると思う。

健康で無事に来日してくれれば、実績がある4選手だけにあとはプロとして何とか状況に対応していってくれるだろう。そして4選手の状況をよく知るチームメイトたちも、来日したら源田キャプテンを中心に、彼らを全力でサポートしてくれるはずだ。そのような思い遣りを持った選手が多いのが埼玉西武ライオンズであると、筆者は信じてやまない。

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外国人選手の獲得が上手くなったライオンズ

2021年1月13日、ライオンズはスパンジェンバーグ選手との今季契約が締結したことを発表した。これはチームにとってもファンにとっても良いニュースだ。

一昔前のライオンズは外国人選手のスカウティングがあまり上手くはなかった。何年かに一度は当たりだったと言える選手を連れてくることもあったのだが、ほとんどの外国人選手は2年目の契約を結ぶことなく日本球界を去って行った。

しかし今はメヒア選手を筆頭にスパンジェンバーグ選手、ニール投手、ギャレット投手と、全員2年以上ライオンズでプレーする形となっている。2020年で活躍できずに1年で日本球界を去ったのは怪我に苦しんだノリン投手だけだった。

この的確なスカウティング力は当然経費削減にも繋がっていく。例えば年俸を億単位で出して呼んできても、結局は活躍できずに1年で日本球界を去る外国人選手も多い中、ライオンズは2020年の5人中4人が残留となった。

とにかく人柄が素晴らしいライオンズの助っ人たち

スパンジェンバーグ選手の場合は昨季の年俸は推定8000万円で、今季も同額となる。やはり外国人選手を獲得する場合は、バリバリのメジャーリーガーという肩書きよりも、日本の野球にフィットできるかどうかが鍵となる。

その鍵で最も重要なのは人柄だ。バリバリのメジャーリーガーの場合、日本野球を舐めてかかってくることが多い。そのため予想以上にレベルの高かった日本野球に対応できず、2年目のシーズンを日本では迎えない選手も多い。

だがスパンジェンバーグ選手を始め、現在ライオンズに所属している4人の助っ人たちの人柄は素晴らしい。非常に真面目だし、日本野球をリスペクトしているし、何よりも日本人選手たちと一緒に必死にプレーする姿を見せてくれる。だからこそチームからもファンからも愛されるようになる。

2020年のスパンジェンバーグ選手は111試合に出場し、.268、15本塁打、57打点、12盗塁をマークし、守備でも三塁と外野を守るユーティリティー振りを見せてくれた。

日本人選手がこの成績で8000万円を得るためには何年も試合に出続ける必要がある。数字だけを見ると8000万円に見合っていたかといえば、必ずしもそうとは言えない。しかし1年目で、右も左も分からぬ日本の地で、しかもコロナ禍というイレギュラーな状況でこれだけの数字を残してくれたと考えれば、十分8000万円に見合う働きだったと言える。

夏場以降一気に日本野球に対応して行ったスパンジー選手

スパンジェンバーグ選手は夏場以降はかなり日本の野球に慣れてきたように見えた。打率も8月は.300、9月は.284、10月は.177と疲れも見えたが、11月は.375と打ちまくった。

この夏場以降の日本野球への対応のしかたを見る限り、今季は打率.290、20本塁打、70打点、20盗塁くらいの数字は期待できるのではないだろうか。

守備に関しては荒さもあったが、しかし決して下手な選手ではない。レフトをスパンジェンバーグ選手、センターを金子侑司選手が固め、残りのライトを木村文紀選手、鈴木将平選手、愛斗選手、川越誠司選手らで競わせれば、布陣としては安定感も増し、層も厚くなっていくだろう。

そして仮にスパンジェンバーグ選手が内野を守らなければいけない状況になっても、指名打者の栗山巧選手もまだまだレフトをこなすことができる。若手選手の突き上げ次第でもあるが、野手陣に関してもスパンジェンバーグ選手の存在のおかげで、かなり層が厚くなってきたと言える。

ライオンズに最も足りないピースの一つは代打の切り札だった。メヒア選手がそれを務めることもあったが、メヒア選手はタイプ的にも年俸的にも、毎日4打席立ってこその選手だと思う。だが現状、メヒア選手以外に強力な代打の存在はない。

とにかく複数ポジションを守ることができ、バッティングでもある程度の成績をしっかりと残しくれるスパンジェンバーグ選手の存在は、チームにとっては本当に心強い。

仮にスパンジェンバーグ選手とメヒア選手が、本来3・4番を打つべき森友哉捕手と山川穂高選手を脅かすことができれば、山賊打線もまた破壊力を増していくだろう。

だからこそ筆者はスパンジェンバーグ選手には、メヒア選手同様に長年ライオンズでプレーしてくれる選手となって欲しいと願っている。